3月になると、コマセダイファンが気になり始めるのが乗っ込みの状況。
釣り場は各地にあるが、三浦半島剣崎松輪港からの出船では目下のところ下浦~久里浜沖を中心に狙い、いい日はトップで5枚前後。
釣り場的にはまだ乗っ込みという感じではないが2kgクラスも交じっており、中には体色が黒ずみ始めた個体もいる。
例年どおりであれば今号発売の3月中旬には乗っ込みシーズンがスタートしているはず。
来るべき好期に備えて今から準備しておこう。
![釣行の写真]()
▲当日は久里浜沖でよく釣れた
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日本の祝い事には欠かせないのがマダイ。
それだけマダイは特別扱いされている魚ゆえ各地で様ざまな漁法が生み出されてきた。
沖釣りアングラーにとってもマダイは外せないターゲットで、乗っ込みの季節ともなると多くの釣り人が大型のマダイを求めて集まってくる。
様ざまあるマダイ釣法の中で、今回はコマセによる、いわゆるコマセマダイのスタイルで挑戦すべく三浦半島剣崎松輪港の大松丸に2月25日に出かけてきた。
![釣行の写真]()
▲乗っ込み本番はこれから
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よもや再取材!?
乗っ込みの時期はまだ先だが、大松丸の直近の釣果は800g~1.5kg程度のマダイがトップで4~5枚ほど釣れており、近ごろはポイントによってクロダイも多く交じってくるようだ。
私が初めてコマセマダイをやったのもこの剣崎松輪港で、その当時は海底からのタナ取りだったが、警戒心の強いマダイは一斉にビシが落ちてくると散ってしまうので、今は海面からのタナ取りが主流となっている。
また、ハリスの長さも当時は6mが基準だったのだが、8mとなり10mとなり、今では2段テーパー仕掛けの12mハリスを使う人の割合が増えてきているようだ。
出船前にお客さんに取材のあいさつをして回っていると、「あら?また会ったわね」と声をかけてくれたのは小峰さつきさん。
彼女は2年前に私が大松丸で取材した際に1.7kgのマダイを釣り上げて写真に収まってくれた女性で、今回も旦那さんと乗船していたのだ。
「また写真をお願いしますね」と伝えたところで9名の釣り人を乗せて6時50分に出船。
7時過ぎには下浦沖に到着し、「水深は45m。タナは海面から30mです」と鈴木大揮船長から開始の合図が出た。
この場合、指示ダナよりハリスの長さの半分ほどビシを落とし込んだところでコマセを振ったら指示ダナまで巻き上げて再度コマセを振る(コマセの振り方は潮具合、エサ取り、魚の活性などにより変わる)。
ちなみにハリスの長さにかかわらず、ビシは指示ダナに合わせるのが鉄則だ。
さて、朝一番のゴールデンタイムに「だれの竿がズドンと海面に突き刺さるのかしらん」とカメラを構えてスタンバイしていたのだが、まったくその気配もないまま時間が過ぎ、付けエサもそのまま残って上がってくる。
周りの船を見渡しても同様で、時折タモが入る光景は見られたものの取り込まれるのはクロダイばかり。
さらに悪いことにポツリポツリと降り出した雨が本降りとなり始めて、「再取材」の文字が頭をよぎった8時45分に移動が告げられた。
9時に到着したのは久里浜沖で「水深82m。タナは海面から68m」とアナウンスがあった1投目のこと、いきなり左舷トモ2番の千田さんが食わせた。
千田さんは「マダイだといいのですけどねえ」と言いながらリーリングして1kgほどのきれいなマダイを釣り上げた。
間を置かずに「こっちにもきたよ」と声をかけてくれたのは右舷トモの小峰さんの旦那さん。
魚とのヤリトリを楽しみながら1.2kgのマダイを釣り上げると、10分後には2枚目となる1kg級もゲットした。
知っ得!2段テーパー仕掛け
ハリスの中間部分にスイベルを介して上部に太いハリス、下部に細いハリスを組み合わせた2段テーパー仕掛け。
特徴としてスイベルの重さがあるので仕掛けが絡みづらく、早く付けエサをタナに届けられる。
誘い落としの際のアクションがイメージしやすい。
ハリスの交換が下部のみで済むので経済的。早潮の際にハリスがタナから吹き上がるのをスイベルの重さを替えることで防げる、などがある。
ただ、ナチュラルさにおいては通常の仕掛けに分がある。
それぞれのメリットを理解して使い分けるようにしたい。
Tackle Guide
竿は7:3~6:4調子で全長3m前後のマダイ専用竿か軟調子のグラスワンピースロッド。
リールは3~4号の道糸が300m巻ける小型電動の組み合わせが標準仕様。
仕掛けは1本バリでハリス長10mが基準だが、潮具合によって2本バリにしたりハリスの長さを12mまで伸ばしたり、また2段テーパー仕掛けを使う人も多い。
対照的な二人が好調
「順番的にはそろそろ私にくる番ね」と小峰さつきさんが言い終わるやいなやギュンギュンとさつきさんのタックルが暴れ始めた。
大きく竿をあおって合わせを入れてから巻き上げを開始、1.2kgのマダイを釣り上げる。
10時近くになると小峰さんの旦那さんが3枚目をヒットさせたリーリング中に左舷トモの方も同時ヒット。
小峰さんは無事に3枚目を取り込んだものの左舷トモの方は痛恨のバラシ。
この方はその後2度目のアタリもバラした後に「ようやく3度目の正直ですよ」と1.4kgのマダイを釣り上げてホッと一息。
この時間帯はさつきさんが2枚目、旦那さんは4枚目、千田さんも4枚目とまさに怒涛の入れ食いタイムだった。
とくに好調だった小峰さんはタナに合わせたら置き竿にする静の釣り。
一方の千田さんはタナに合わせてアタリがなければ静かに2mほどリフトしてタナまで誘い落とすのを繰り返す動の釣りで数をのばしていた。
共通していたのは2人とも2段テーパーの12mハリスを使っていた点だ。
しかし、当日は北風で大潮の下げの潮だったためアタリはトモ側の4名にだけ集中するという展開。
11時になって写真もある程度撮れたところで私も釣りに参加。
とりあえずハリス長10mのノーマル仕掛けで開始してみる。
席は左舷ミヨシだったのでこの時点では潮尻。
いわゆるコマセ係の席だ。
そこで長い間ポロポロとコマセが出るようにカゴの放出口を調整して、コマセは一気に振らずに置き竿にする。
すると3投目のことだった。
写真撮りで席を離れていると遠目に私の竿がイレギュラーな動きをしたのが見えた次の瞬間、ギュッギュと引き込まれた。
慌てて席に戻って竿を立てるとグッとフッキングした手応えが伝わってきた。
久しぶりのコマセマダイとのヤリトリを楽しみながら取り込んだのは1.2kgのマダイだ。
直後に右舷ミヨシ2番の土岐さんが同級を釣り上げ、しばらくして小峰さんが5枚目、そして終了直前に千田さんが本日最大となる1.8kgのマダイを釣り上げたところで沖揚がりとなった。
釣果は800g~1.8kgのマダイが0~6枚。
総数は16枚で中には腹付近が黒ずみ始めた個体もあったので、乗っ込みが近いことが伺えた。
![釣行の写真]()
▲悪天候の中お疲れさまでした
出典:
船宿INFORMATION
三浦半島剣崎松輪港
大松丸
046・886・1244
備考=出船6時半(要電話確認)。
別船はマルイカ、ヤリイカなどへ
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隔週刊つり情報(2024年4月1号)※無断複製・転載禁止