今、茨城県日立沖のアマダイが激アツだ。
とにかくサイズがいいと評判で、40cmオーバー主体に50cmクラスも珍しくないという。
この釣りをいち早く開始し、釣り物として確立した日立久慈漁港・明進丸の関裕二船長は、出船前に「50cm級は出ると思いますよ」とニヤリ。
水深80m前後のポイントで開始から40cmオーバーが次つぎに釣れ上がる。
サイズは尻上がりにアップして50cmジャストが出たと思えばラストは53cm、2.3kgの特大サイズで大団円。
船長の言葉どおりの結果となった。
6人で20尾、トップ4尾だったが、ほとんどが40cm超えは特筆すべき点。
ポイントはまだまだ無数にあるようで今後も特大サイズの期待大だ。
大型にはホタルイカだ
![釣行の写真]()
▲45cmに続いて50cmジャストをゲット
出典:
最近、茨城県日立エリアで人気急上昇中のターゲットが今回紹介するアマダイだ。
ここにきて一気に出船する船も増えて大きな盛り上がりを見せている。
その理由の一つが50cmクラスの大型が多いことだ。
各船とも連日のようにその姿が確認でき、さらにレギュラーサイズが40cmオーバーというのも大きな魅力。
数もトップ5尾前後出ており、他エリアにもけっして引けを取らないどころか、大きく凌駕することもある。
この釣りをいち早く釣り物として開始した日立久慈漁港・明進丸の関裕二船長によれば、大型がいるポイントを開拓できたこと、エサを始め釣り方が確立できたのが現在の好況の理由だという。
取材日にプライベートで乗船していたダイワフィールドテスターの北本茂照さんとともに試行錯誤を繰り返して、現在のスタイルを築き上げた。
当地には元もとアマダイはいたのだが、専門に狙い出した当初はなかなか大型が釣れなかったそう。
ポイントの開拓やホタルイカエサにいきついたことで急激に大型が釣れるようになったという。
「大型がいる場所はだいぶ分かってきましたが、まだまだポイントは探りきれていません。今後も楽しみですね」とは関船長。
北本さんはどれだけデカいのがいるのかを探っていきたいそう。
55cmオーバー、60cmに届く超大型は存在するのかなど夢は尽きないという。
ポイントは航程30分前後、日立沖の水深80m前後の砂泥地で所どころに小さいツブ根が点在している。
元もとこの一帯はオキメバルのポイントで、アマダイ狙いでも定番ゲストだ。
このほかホウボウ、ソイ、ヒラメなどもよく交じるそう。
釣り方は通常のエサ釣りのほか、タイラバ(アマラバ)も楽しめる。
日によって、時間帯によってはタイラバばかりにヒットすることもあるとか。
ただし明進丸では予約時にエサ釣りかタイラバかを申告し、船上ではその釣りを通すのがルールになっている。
「釣り方によって釣り座を分けて、お互いが釣りやすいように流していますので理解をお願いします」と船長。
シーズンはとくに「この時期」というのはなく周年狙えるそう。
3月は希望でヒラメかアマダイへ出船する。
最初に予約を入れて釣り物が決まるスタイルだ。
ハリスは4号以上が安心
タックルは相模湾などと同様のゲームロッドと小型、超小型電動との組み合わせで狙う。
オモリ80号を背負える全長1.9~2.2m前後、7:3調子のゲームロッドが扱いやすい。
置き竿メインで狙う人や大型とのヤリトリを重視して6:4調子の軟らかめの竿を選んでもいいだろう。
リールは水深が80m前後メインなので小型、超小型電動を用いる。
道糸はPE2号前後。
中小型の片テンビンにオモリ80号。
仕掛けは全長1.8~2m2本バリの、いわゆる普通のアマダイ仕掛けを使用する。
大型に備えてハリスは4~5号の使用が望ましいと船長。
ハリは「マダイバリの10号前後がおすすめ」と北本さんが教えてくれた。
エサはホタルイカで、オキアミを使用した細かいアタリを取って掛けていく釣りではないので、丸カイズやアマダイバリの必要はなく、軸のしっかりしたマダイバリがバランスがいいそう。
ハリは飲み込まれることが多いので、その都度カットして結び直すか、ハリを結んだハリスを多めに用意しておくと安心だ。
タイラバの場合は、全長2m前後のタイラバ専用ロッド、またはライトゲームロッドに小型両軸を組み合わせる。
水深が深いので超小型電動も便利だが、探るレンジが海底から5mほどなので、手巻きでも十分に対応できる。
道糸はPE0.8号前後を200m以上巻いておく。
高切れのリスクもあるので予備のリールも持参したい。
タイラバのヘッドは150gを使用する。
カラーは赤、オレンジ、グリーン、金、グロー系などが定番。
ネクタイ類はオレンジ系をメインに各色用意しておく。
エサはホタルイカが配られる。
ほかのエサを使用したい場合は持参する。
オキアミを使用する人もいるが、試行錯誤の上に出た結論は「エサ取りに弱く小型が多く食う」そうなので、ホタルイカを使用するのが最適解だ。
サバの切り身は食うそうで、試してみるのはいいだろう。
ホタルイカの付け方は丸ごとの場合は、エンペラの中央部分に1回縫い刺しにする。
ツボ抜きの場合は、口か目の間の硬いところなどエサが取れにくい場所にハリを刺し入れ、ゆっくりと胴を引っ張る。
取材日はどちらでも大きな差がなく食っていたので、好きなほうのエサ付けでいいだろう。
迷ったら2本バリで1個ずつ付け方を変えるのがおすすめだ。
LECTURE【タイラバでの釣り方】底から5メートルを重点的に
明進丸ではタイラバでもアマダイを狙うことができる。
今回はタイラバで狙う人がいなかったため、特別に船長に許可を取って(通常はどちらかのみ)大島匠さんにチャレンジしてもらったところ、短時間ながら本命を上げた。
ほかにも大型らしきバラシもあった。
タイラバヘッドは150gを使用。
釣り方は通常のタイラバと同じようにタッチアンドゴーで巻き始めるが、アマダイが追ってくるのは5mほどだそう。
このため探るレンジが狭いのでできるだけアピールするためにゆっくりめやデッドスローもいいそうだ。
狭いレンジを繰り返すだけに、見切られたと思ったら巻き落とししてみよう。
船長によると、スロージギングのように底でフワフワして食ってくることがあるそうなので、色いろ試して食うパターンを探ってみよう。
![釣行の写真]()
▲初挑戦で大型を上げた
出典:
1m前後を探る
釣り場もタックルも相模湾や東京湾のアマダイ釣りと基本的には同じだが、決定的な違いが一つある。
それはエサにホタルイカを使用することだが、オキアミエサに比べてかなりの重量がある。
相模湾などではオキアミが生きているようにフワリとアマダイの鼻先に落として食わせハリ掛かりさせる釣り方のイメージに対し、日立沖ではエサのホタルイカを丸飲みさせて釣るというイメージだ。
仕掛けが着底したら1mほど切って待つのを基本にプラスマイナス50cmほど調節する。
全長2mの仕掛けでタナを1mに設定した場合、おそらくエサの重量があるので、下バリは海底を引きずっているような状態のはず。
潮の流れもそれほど強くないので低めのタナで食うことが多いようで、実際に取材日の食いダナは50cm~1mがほとんどだった。
誘いは頻繁に行うのではなく、たまにエサを浮かせてフワッと落ちてくるイメージで行う。
タナの取り直しも相模湾などと比較してゆっくりめにする。
あまり動かしすぎると宙層を泳ぐオキメバルが掛かることが多くなる。
今回はどんな釣り方でアタリが出るかを色いろ試してみたが、この日は決めたタナで置き竿にしておきたまに竿を持ち上げて誘うパターンが目立ってよく食っていた。
逆に手持ちでまめに誘っていた人にはオキメバルやホウボウなどのゲストが多かった。
ちなみに取材日に最大の53cmを釣った北本さんは前半は誘いを入れて40cm級を上げていたが、後半はタナを70cmに設定し置き竿にしてたまに誘いを入れる釣り方にチェンジ。
すると誘いを入れた直後にズドンと竿が入り込むことが多かった。
アタリはモゾモゾしているのを竿を持ち上げて掛けるというよりは、完全に食わせてから掛けるイメージだ。
小さいアタリの場合はムシガレイやトラギスなどのエサ取りのことが多く、これはスルー。
オキアミエサだとハリ掛かりしたりエサだけ取られることが多いが、ホタルイカエサはエサ取りのアタリがあってもハリ掛かりしないことが多い。
これもホタルイカエサの利点と言える。
また、この日30cm前後のアマダイはホタルイカエサには1尾掛かったのみだった。
アマダイの場合はひったくるようなアタリ、強く引き込むようなアタリが多い。
逆にこういった強い引きがくるまでは合わせを入れないほうがいいだろう。
エサを飲み込ませるくらいのつもりで待とう。
ド派手に突っ込むアタリが多いようなので、ドラグ調節はしっかりしておきたい。
50cmクラスの引きは良型のマダイを掛けたような走りを見せるし重量感もたっぷり。
アマダイだと思ったら最初は最低でも10mは手で巻いて大きさを確認したい。
いきなり電動をオンにすると強烈な引きで引っ張り合いになりハリス切れすることが多いためだ。
ここで下に突っ込んだり強烈な引きを見せたらそのまま手巻きで巻き上げたほうがいい。
電動で巻き上げるときは中速にして必ず竿を起こした状態で行うこと。
アマダイは最初、中間、最後の3回ほど強烈な引きで抵抗することが多い。
このとき竿が下がった状態だと引きを吸収できずにハリス切れを起こすこともある。
竿を起こした状態なら急な引き込みには竿を下げて対処できる。
ちなみに今回の53cmは最初はマダイや青物が食ったかのようにズドンと入り、その後も最後まで断続的に引いて「これ本当にアマダイ?」という引きを見せた。
関船長によると50cmクラスはこういった引き方をすることが多いのだという。
存分に引き味を楽しんだら最後はタモ入れしてもらう。
1尾だれかに良型が掛かったら、その筋にはほかにも大型が潜んでいる可能性が高いので、集中してやろう。
また、1尾上げた後は必ずチモト部のハリスをチェックして傷が付いていたら交換しよう。
ナメてかかると痛い目にあう。
仕掛けは万全の状態にして挑もう。
さて、取材時に釣れた大型アマダイは腹が黄色いものが多かった。
これらは脂の乗りが最高で、こちらも日立沖のアマダイの魅力だ。
ぜひ、自分で釣って試していただきたい。
![釣行の写真]()
▲大島匠さんも日立沖のすごさに大興奮
出典:
船宿INFORMATION
茨城県日立久慈漁港
明進丸
090・2276・8806
▼備考=予約乗合、5時半集合。
ほかヒラメ、マダイなどへ
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隔週刊つり情報(2024年3月15号)※無断複製・転載禁止