「湾フグ」と呼ばれる東京湾のフグ釣りはショウサイフグ、ヒガンフグ、トラフグと船宿ごとに狙うフグの種類や釣り場が変わるが、アタリを取って掛ける面白さは変わらない。
1月上旬に取材した東京湾奥浦安の吉久ではヒガンフグ狙いで出船。
釣り場は湾奥一帯の水深5~20m前後。
護岸際など根周りを探り、20~30cmを主体に35cm前後の良型交じりでトップ10尾前後の釣れ具合。
湾フグ釣りといえばカットウ仕掛けが定番だが、ヒガンフグ狙いは根掛かりの多い場所を攻めることから大澤船長はチラシ仕掛けをすすめている。
▲当日最大38cmのヒガンフグ
出典:
1月7日、ヒガンフグを狙って出船している東京湾奥浦安の吉久を訪れた。
同宿では東京湾のフグ釣り、いわゆる「湾フグ」で周年出船しており、釣れるのはショウサイフグが主体だが、秋~冬はヒガンフグ、近年は春のトラフグも狙っている。
大澤船長にあいさつして近況をうかがうと、釣り場は東京湾一帯の水深5~20m前後で、護岸の際など根周りを狙っていて、20~35cm前後のヒガンフグが頭10尾前後とのこと。
1月2日の初出船から安定して釣れているそうなので今日も十分期待できそうだ。
▲ 小さなアタリを見逃さないことが大切
出典:
小型ながら出足好調
当日は新年最初の連休とあって初釣りを楽しみにきたフグファンが大勢集まった。
6時半に船長から釣り方やエサの付け方などのレクチャーがあり、その後乗船者20名で7時に出船、最初のポイントに8時ごろ到着。
「水深8m。根掛かりに注意してください」とのアナウンスでスタート。
エサはアルゼンチンアカエビ。
オモリ10号、仕掛けはスタンダードなカットウとチラシ仕掛けを皆さん好みで使っている。
釣り方について船長にうかがうと、「着底したらゼロテンションをキープして、5秒待つ間にアタリがあれば即合わせします。アタらなければ30~50cmほど空合わせして、底までゆっくり下ろします。下ろす途中でアタったときは海底までエサを追わせて、着底させてから合わせましょう」とのこと。
すると早くも岸壁に近い右舷でアタリがあったらしく、右ミヨシ3番の方が25cm級のヒガンフグを取り込んだ。
続いて左ミヨシ5番の女性も同サイズを釣り上げる。
その後はクサフグの猛攻にあい、水深10m前後のポイントへ移動となる。
ここはフグの群れは濃いようで、船全体でアタリがあり、20cm前後のヒガンフグが次つぎと取り込まれる。
時には3名同時にヒットする一幕もあった。
ちなみに同宿では20cm未満はリリースで釣果にはカウントされないものの、アタリが頻繁にあるので、皆さんアタリを見て掛けるフグ釣りのだいご味を堪能している。
日が高くなるとアタリが遠くなり小移動。
水深15mの岸壁際を狙う。
このポイントは良型がそろっているようで、右胴の間の二人がそろって30~35cm級のヒガンフグを釣り上げると、右トモ4番の方が30cm級と続く。
知っ得!掛かりにくくなったらハリ先をチェック!
アタリを取って合わせて掛けるのが湾フグのだいご味。
しかしこの釣りはタイミングよく合わせてもハリ掛かりしないことがしばしば。
そんなときはカットウバリのハリ先をチェックしてみよう。
ハリ先を親指の爪に当ててみて引っ掛かりがないようであればハリ先が甘くなっている。
シャープナーでハリ先を鋭く研いでから再び親指の爪に当て、引っ掛かるようになればOK。
釣行時はシャープナーを持参しよう。
Tackle Guide
仕掛けはスタンダードなカットウとチラシ仕掛けの2種類。
ヒガンフグ釣りは護岸の際など根掛かりの多い場所を攻めることから、吉久ではチラシ仕掛けを推奨。
オモリは10号、道糸はPE1~1.5号をすすめている。
良型が次つぎ上がる
左舷に移動すると、左トモの2番の山田さんと左トモの金田さんが数をのばしている。
二人は前日も一緒に釣行していて、それぞれ4尾と釣り足りなかったので、今日も再挑戦とのこと。
アタリを見逃さないと気迫伝わる真剣さで竿先を見つめる山田さん。
すると、小さなアタリをとらえてキュッと合わせを入れた。青物のようにギュンギュン走り回って上がってきたのは35cm級のヒガンフグ。
「掛かった瞬間の重量感がたまらないです。このサイズが釣れるとうれしいですね、これで4尾目で昨日の釣果に並びました。今日はフグの活性が高そうだからまだ釣れそう」と笑顔で話す山田さん。
その隣でチラシ仕掛けを軽く前方に投げ入れてゼロテンション状態で待つ金田さんも30cm級を釣り上げて4尾と並ぶ。
左ミヨシ3番の方が当日最大38cmを釣り上げて船上が盛り上がる中、その隣の左ミヨシ4番の鈴木萌さんが待望の1尾目を釣り上げた。
鈴木さんは二日前にも釣行しており7尾で竿頭だったという。
「ようやくフグを釣ることができてうれしいです。フグ釣り楽しいです!」とニコニコの鈴木さん。
やがて全員が本命を釣り上げたところで大きく移動し、消波ブロックが並ぶ岸壁際をゆっくり流してヒガンフグを狙っていく。
朝イチのような頻繁なアタリはないものの、諦めずに誘い続けていた左トモ3番の奥田さんが立て続けに30cm級のヒガンフグを取り込む。
前半は軽く投げて船下まで探ってくる山田さんと金田さんがよく釣れていたのに対し、後半は船下狙いに徹した奥田さんが数をのばしていった。
やがて奥田さんが二人の釣果を追い抜き9尾を数えたところで14時の沖揚がり。
釣果は20~38cmのヒガンフグがトップ9尾。
山田さんと金田さんは仲よく6尾。
前日と合わせて10尾とお土産には十分な釣果を得たようだ。
水温が下がっている今はヒガンフグの群れが釣り場に固まっているから、今後も良型交じりで数も期待できるという。
ヒガンフグを楽しむなら今がチャンス!
▲チラシ仕掛けはエサバリに食ってくることが多い
出典:
▲ビギナーでもこのとおり
出典:
船宿INFORMATION
東京湾奥浦安
吉久
047・351・2983
備考=予約乗合、7時出船。
ほかタチウオ、ライトアジ、カワハギへも出船
釣り船予約サイト「釣割」のスタッフがオススメする釣り船はこちら!
【全国・ヒガンフグ船】人気ランキング
【全国・ヒガンフグ船】価格ランキング
隔週刊つり情報(2024年2月15号)※無断複製・転載禁止