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ヤリイカの本番はこれから!速潮収束後のドカ乗りに期待

隔週刊つり情報編集部

軟体系ファンにとって新年の気になる動向はヤリイカ。

中でも激戦区と言えるのが東京湾口部の洲ノ崎沖~沖ノ瀬で、東京湾奥や三浦半島、相模湾のイカ船が集結する好ポイント。

ところが年末ごろからは仕掛けを下ろすことができないほどの速潮が差し込んでおり、東京湾奥金沢八景の一之瀬丸から出船した1月2日の初釣りは館山~城ケ島沖の水深140~210mを狙うことに。

それでも良年とされる今シーズンはどのポイントでもイカの反応が見られるのがよきところで、ポツリポツリと数を重ねていった。

結果は今シーズン一番と言えるほどの不調日でトップ9杯にとどまったが、シーズン本番はこれから。

速潮が収まれば沖のポイントでスルメ交じりのドカ乗りに期待できるだろう。

釣行の写真

▲ヤリイカとスルメのダブルも

令和6年の初釣りターゲットに選んだのはヤリイカ。

船宿は東京湾奥金沢八景の一之瀬丸。

湾奥でヤリ・スルメ乗合を周年出す貴重な船宿で、混雑時には2隻出しで対応するなど湾奥の沖イカファンのニーズを一手に引き受けていると言っても過言でないほど。

1月2日も当然のように2隻出しとなった。

令和6年ヤリイカ釣りの福男 久保出 伸一さん

大苦戦となった令和6年のヤリイカ初釣り。

そんな中で9杯を釣り竿頭となったのが横浜市の久保出伸一さん。

年間釣行の半分以上をヤリ・スルメイカに費やす生粋の沖イカファン。

もう一人9杯の方がいたが、スルメが交じっていたのでヤリイカオンリーの久保出さんに軍配!

釣行の写真

▲ベテランでもツ抜けできない厳しい一 日だった

ようやく乗り始める

直近の模様を一之瀬竜也船長に聞くと、このところあまりよくないとか。

なんでも潮が速く沖のポイントへ行けないそう。

それでもどの場所でも型は出るらしく、トップ20~30杯、悪い日でも15杯くらいは釣れているという。

今日も様子を見ながらポイントを探ってみるとのこと。

予約者がそろったところで定刻より早めの7時前には船着き場を離れる。

1時間ほどの航程で到着したのはあまり潮は速くないという館山沖。

まずは新年一発目の流しなので投入してみる。

「合図と同時に投入してください」とアナウンスがあったあと、「ハイどうぞ~」で150号のオモリを放り投げる。

仕掛け落下中に「水深は150m」と追加のアナウンス。

道糸はそれほど流されることなく着底、糸フケを取りつつ底ダチを確認していくと、少しずつ道糸が立ってくる。

着乗りはなく、オモリを少し浮かせてからシャクリ落とし。

これを数回繰り返したら20~30m巻き落とし。

たまには浮いた反応も出るというが、乗るのはほぼ底付近というから釣り方はこれで合っているはず。

最初の流しは船中不発、次の流しも不発、そしてその次も……。

なんとなく不穏な空気を感じたので、次の流しからは撮影に回る。

すると4流し目、同じく水深150mほど。

着底してしばらくすると乗ったよと船長がアナウンスで教えてくれる。

ミヨシから船内を見渡すと左舷トモとトモ2番の人が巻き上げを開始している。

新年1杯目のヤリイカはタッチの差で左舷トモで胴長20cm級。

続いて上がった隣の人は胴長20cmと25cmのダブル。

この撮影をしているとき、同時に右舷トモ2番でもダブルで釣れていたようだ。

ようやくいい反応をとらえたのか、次の流しでは船中ほとんどの人に乗りが到来。

左舷ミヨシから順番に乗ってきて、まずはスルメとヤリイカのダブル。

続いてヤリイカのダブル、ヤリイカ単発、ヤリイカのダブルと撮影してから右舷へ回り込むとイカ釣りビギナーのお二人もヤリイカを手にしていた。

ただ、ここまで撮影してきたヤリイカを見ると中小サイズが多かったので船長に聞いてみると、イカのサイズは水深によって変わり、深場では50cm級の大型もいるとか。

その後も流し変えるたびにポツリポツリと乗りはあって、9時半の時点でオデコはあと二人(自分除く)に。

ところがここからは待てど暮らせどサッパリ乗らなくなってしまう。

釣行の写真

▲ようやく型を見てホッと一息

令和6年ヤリイカ釣りのアレARE 取り込み目安のリーダー

ヤリイカ釣りのアレといえばコレ。

数年前にyaccoさんに教えてもらっていたが、道糸と仕掛けの間にリーダーを付けておくと竿を立てたときに中オモリやイカリングが自然と手元にくるので取り込みの目安になる。

この日も久保出さんと古里さんが使っていたが、イカ釣り上級者の間では今や常識なのか?

便利そうだなとは思っていたものの面倒なのでこれまで使わなかったが、今年こそはイカリーダーを付けて取り込み上手になりたい!

ミヨシとトモのデッドヒート

ここで船長も痺れを切らしたのか、「ちょっと走るよ」とアナウンス。

周囲にいたイカ船ともどもポイント移動となる。

着いた先は城ケ島沖。

水深190~210m前後の深場でラストチャンスに賭けたようだ。

しかしここでも乗りは悪く、刻一刻と沖揚がりの時間が迫ってくる(初釣りなのでいつもより早めの13時揚がり)。

12時。

船内を回って皆さんのオケを覗いて見ると、3~5杯くらいが多い。

この時点でトップは左舷ミヨシの古里さんと左舷トモの久保出さんの6杯。

ハッキリ言ってヤリイカ釣りとしては最悪だ。

だけどみなさん、「今日はダメだね~」「乗りが悪いよ」と言いながらもシャクる手を休めない。

そして12時半、ようやく船内パタパタと乗る流しがやってきた。

それまでオデコだった人もようやく1杯を釣り上げホッと一息。

右トモ2番の人は2杯掛けだったものの1杯は巻き上げ途中で何者かに食われて頭だけが上がってきたとのこと。

ここはチャンスとばかりに次の流しでは自分も仕掛けを投入。

着乗りはなかったが、巻き落として数回シャクるとあれ?

乗ったかな。

釣れるイカは館山沖よりひと回り大きくなっていたから乗りを見逃すことはないんだけどな~と半信半疑で慎重に巻き上げる。

船内でも多くの人に乗ったようで、背後の久保出さんが3点掛けだったと教えてくれる。

すいません、ちょっと今手が離せないんで写真撮りに行けません。

ようやく上がってきた仕掛けをたぐると、7本ヅノの一番下に胴長30cm級のヤリイカがいて一安心。

この流しでは最後に一人取り残されていた人も3点掛けしたと仲乗りさんが教えてくれた。

ともかく全員型を見られて何より。

この時点で久保出さんは9杯のはずだからとミヨシの古里さんに聞きに行くと、同じく3点掛けしていて9杯とのこと。

そして、もしかしたら乗ってるかもと巻き上げ中だ。

残念ながらこれは空上げだったが、トモへ行くと同じく久保出さんも巻き上げ中。

もし乗っていればツ抜けで優勝だ。

船長も一緒に取り込みを見守る中、上がってきたのは……仕掛けだけ。

ザンネ~ン。

結果はトップでツ抜けもできず今シーズン最低ともいえる釣果に終わったが、逆にいえば底を打ったら後は昇り竜のように上がるだけ。

本誌が発売される1月中旬には再び釣れ始めて、春ヤリ本番へ向けシフトアップしていることだろう。

釣行の写真

▲古里啓太さんはスルメ交じりで久保出さんと同数の9杯ゲット

船宿INFORMATION

東京湾奥金沢八景 一之瀬丸

045・782・3714

▼備考=予約乗合、出船7時。

ほかマダイ、マゴチ、テンヤタチウオ、スミイカなど乗合各種。

出船状況はHPで確認

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