今シーズンの沖イカは各地で初期から順調だが、ここ南房洲ノ崎沖もトップ20~40杯前後と安定した釣果が続いている。
釣り場の水深は150~200m前後。
このエリアのお楽しみであるスルメイカも交じり始めており、プラヅノは11cmのほか18cmもあるといい。
取材日の釣り場は洲ノ崎沖が中心だったが、今後は状況で白浜沖なども狙うようになる。
春ヤリシーズン本番へ向けて視界は良好だ。
▲朝イチはスルメを狙うことが多くなる
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ふたご座流星群が見ごろのピークという12月14日の未明、館山道を南下して向かったのは南房洲ノ崎栄ノ浦港の早川丸。
好調が続いているヤリイカを狙っての釣行だ。
残念ながら途中で寄ったコンビニの駐車場でも、船宿受付や港でも流れ星には出会えなかったが、今日も釣れますようにと願いをかけて親父船長の28号船で出船した。
「朝イチはスルメも交じるポイントをやるからツノは18cmで。なければ11cmでもいいですよ。オモリは150号。場所まで15分ほどですから準備しておいてください」とアナウンスがあり船は速力を上げる。
▲水深が深いのでしっかり仕掛けを動かそう
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スルメ狙いからスタート
着いた場所は洲ノ崎沖。
ヤリイカやスルメイカの名ポイントとしてよく聞く釣り場だが、洲ノ崎栄ノ浦港から出るとまさに目の前、正真正銘の洲ノ崎沖と実感する。
しばしの反応探しの後、「ハイやってー。水深は150m。反応は底のほうだね」で釣り開始。
いつもはある程度写真を撮ってから竿を出すのだが、まだ暗く撮影には向かないを言い訳に私も1流し目からオモリを放り投げて参戦した。
船長の見切りは早く「反応消えちゃった。上げてー」で1投目は空振るも、2投目では竿先にズン!と割とハッキリとした乗りが伝わった。
これは胴長30cm級の良型ヤリイカで18cmのブルーのイカヅノをしっかりと抱いて上がってきた。
続いては着乗り、しかもズンズンと追い乗りもあって良型のスルメを3点掛け。
最近はヤリイカ以上に高級イカとなったスルメイカ、これで塩辛と肝焼きにもできると早くも舌なめずりだ。
周りでも順調に釣れていて、ヤリイカとスルメイカの交じり具合は半々といったところか。
見ていると11cmの仕掛けのほうが小ヤリも確実に取れるせいか、数釣り的には有利な感じだが、10杯くらいはスルメがほしいと18cmのプラヅノで通すことにする。
とは言ってもスルメ専門に狙うのなら普段はブルーとピンク2色だけの硬派?な仕掛けなのだが、この日はヤリイカも意識してケイムラや淡いブルーを多めに配色した、ちょっと日和った軟派な仕掛けで臨む優柔不断ぶりだ。
しかし日が高くなるにつれスルメイカの上がる率が低くなる。
何人かいた18cm組もどうやら私一人になったようだ。
このころになると乗りもやや渋くなってきて、まして18cmの私のペースはガタ落ちとなる。
そして久びさに乗せた1杯はツノより小さそうなチビヤリだったので、私も11cm7本のブランコ仕掛けに交換。
本格的にヤリイカを狙うこととした。
釣り方もスルメ狙いのときは「反応は底のほう」と言われていても10mくらい上までは探っていたが、ここからは底で何度か誘って乗らなければ30mほど巻き落とし、に変更した。
▲派手な乗りはなかったが2~3点掛けはしばしば
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知っ得!早川丸の乗船システム
早川丸の釣り座の決め方は、予約した順番に好きな場所が取れる方式。
港で船の準備が整うと、順番に名前が呼ばれ船に乗り込むのだが、荷物は船長や手伝いの方が船に積んでくれるので、釣り人は手ぶらで船に乗り込める。
まだ暗いうちに出船となるこの時期にも安全安心だし、非力な女性や年配者にもありがたい心配りだ。
Tackle Guide
洲ノ崎沖はスルメイカの交じる率が高い釣り場だ。
今回5点掛けがあったように、ヤリイカ用のブランコ仕掛けでも多点掛けはあるので、幹糸は最低5号はほしいところ。
ツノ数を増やすなら6号以上が無難だ。
スルメの5点掛け達成
船長のポイントの見切りは相変わらず早く、反応が消えたりだれも乗らなかったりするとすぐに移動の合図が出る。
乗りがないままに何度もシャクっては巻き落としを続けるのは辛いもの、こういった操船は集中力が途切れず個人的には大好きだ。
10時近くになって船団を離れやや沖目へと移動する。
水深はやや深くなり200m。
相変わらず浮いた反応はないようで「底のほう」とのアナウンスがあり釣り再開。
そしてここではまた乗りが上向いた。
何人か同時に巻くことも多く、「3点掛けだよ」「4杯いたのに1杯バレちゃった」なんて景気のいい話も飛び交う。
ただ上の潮が速く気を付けないとオマツリもする。
またこのころには風もやや強くなり波っ気が出てきて、気を付けないと巻き上げ途中でバレたりもした。
なかには「ハモノにやられた」なんて声も聞こえる。
そして個人的なこの日のハイライトが訪れる。着底後ゆっくりと聞き上げた竿先にクン!と明確な乗り。
そのまま竿をゆっくりと上下させているとズン!ズン!と重みが加わり、硬調のヤリイカ竿が曲がり込んで竿先が戻らなくなる。
電動リールのレバーを倒して巻き上げを開始するが、今までの「11」の巻き上げでは重量に負けてか遅く、徐々にレバーを倒し込んで「14」で以前同様の巻き上げスピードを確保する。
そして200mもの長丁場の巻き上げを終え、ヨリ取りリングを船内に入れて仕掛けをたぐり始める。
一番上のツノから乗っていて1点、2点……なんとスルメの5点掛けだった。
十分満足なのだが、一点不満というかアレ?だったのは、仕掛けの真ん中に配置した自作の糸巻きヅノを避けるようにして、その下のツノからまた連なって乗っていたこと。
遊び心で「ほかにはないツノを」と若草ボデイに紺色の糸を巻いたのだが、どうやらイカの気に召されなかったようだ。
しか~し次の投入ではその自作巻きヅノに良型のヤリイカが乗ってきた。
後にも先にもそのツノに乗ったのはこの1杯だけだったが、うれしい1杯だった。
その後も安定してイカは乗り続け、「この流しで揚がりますよ」とラストコール。
最後は釣って終わりたいもの、と今まで以上に気持ちを込めて誘っていると期待どおりクンクンときてヤリイカが1杯。
ここでやめれば気持ちよく終われるのだが、もう一投の「釣り人あるある」。
しかしこれには乗らず、空巻き上げで沖揚がりとなった。
釣果のほうは7~31杯。
船中11名で一桁の方はお一人だけと平均して釣れていた。
私はスルメ9杯ヤリイカ12杯の21杯だった。
今後の予想については「イカに聞いて(笑)」と船長。
ただ「ここ数年に比べれば今年はよさそう」とも教えてくれた。
状況次第では白浜沖などほかのポイントも狙っていくとのことなので、年明け以降にも期待したい。
▲ヤリイカはプラヅノ11cm。赤白スッテも効果あり
出典:
船宿INFORMATION
南房洲ノ崎栄ノ浦港 早川丸
0470・29・1095
▼備考=予約乗合、6時出船。
別船はカワハギへも
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隔週刊つり情報(2024年1月15号)※無断複製・転載禁止