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大興奮の夜イカブリスタート 7~8kg級のブリもチャンス!

隔週刊つり情報編集部

12月に東伊豆初島周りの夜イカブリがスタート。

この時期に〝ブリ〟を狙うには最も手堅い釣りと言えそうなのがこのイカブリだ。

今シーズンは全体的にサイズがいいのが特徴で、取材日は4kgクラス止まりだったものの、すでに7~8kg級のブリサイズも上がっている。

目下のところはヤリイカの模様が少ないことから冷凍イカや持参のイカエサ、アジ、イワシなどを使用しているが、これでも十分な釣果が得られている。

年が明けて水温が下がってくればヤリイカも釣れ出す。

そうなるとこれを追って入ってきた大型のブリがヒットする可能性もアップする。

例年チャンスは1月一杯。

比較的手軽に大物が狙えるイカブリにぜひ挑戦してみよう。

ヤリイカタックルの準備も

取材した12月中旬の時点ではヤリイカの模様は芳しくなかったが今後、水温が下がってくれば徐々に釣れ出してくるだろう。

そうなれば最初の2時間ほどはヤリイカ狙いのパターンになる。

仕掛けは一般的な11cmプラヅノ5~7本だが、夜釣りなので水深も浅いことからオモリは80号を使用する。

また、エサ巻きスッテも夜釣りでは効果が高く使用する常連さんも多い。

いい日に当たればブリとヤリイカのダブル釣果に恵まれることも! ?

ヤリイカタックルの準備もお忘れなく。

釣行の写真

これからはブリサイズにも期待できる

東伊豆初島周りを舞台に繰り広げられる冬の夜のビッグゲーム、イカブリが熱い。

釣れ具合は3kg前後中心ながらも爆発的に釣れる年もあれば、ボツボツながらも釣れれば7~8kgのブリサイズばかりといった年もある。
 
今シーズンは12月1日より開幕。

スタート時はシケ日が多く数はトップで3~4本といったところだが、型は4kgオーバーのワラサ級主体に7~8kgのブリ級交じりと、平均的にサイズがいい傾向にある。
 
釣り場は初島沖。

網代港、宇佐美港、伊東港などから乗合船が出船。

本誌データベース加入船宿では宇佐美の秀正丸、伊東の三好丸が受け付けている。

出船は16時ごろで、22時半ごろに沖揚がりする半夜釣りスタイルだ。

ポイントの写真

ポイントは航程30分ほど初周り

オーバースペックの太仕掛けが特徴

図を見ていただくとお分かりのとおり、この釣りの道具立ての一番の特徴は仕掛けの太さにある。

青物対応の丈夫な片テンビンを介し、ハリスはフロロカーボンなら20号、ナイロンなら26~30号といったオーバースペックの太さを使う。
 
ブリサイズであっても上手にヤリトリできればハリスは8号で十分釣り上げられる。

ではなぜ、あえて太い仕掛けを使うのか?
 
コマセで魚を寄せて釣る釣りとは違い、夜間にエサを求めて回遊している群れが船下に入ってから抜けていくまでの時合に、いかに手返しよく釣るかがカギとなるからだ。

群れが抜けるまでの短時間に1本でも多くのブリ・ワラサを釣り上げるために、オマツリを避けるべく強引な巻き上げでハリス切れの心配など考えなくてもいい太ハリスを使うわけだ。
 
ハリの部分は俗にいう親孫式の2本バリ。

魚エサであればハリスの元のほうのハリを親バリ、先端のほうのハリを孫バリと呼び、メインとなる親バリは孫バリよりワンランク大きいサイズを使うのが一般的。

しかし、イカエサの場合は目のある頭の部分を目がけて魚が食い付いてくるからメインとなるのは孫バリ(先バリ)のほうになる。

親バリ(掛けバリ)はイカの姿勢を正すためのアシスト的なものとなるので、掛けバリはヒラマサバリの16号前後、先バリは18号前後といったスタイルで使用される。
 
掛けバリと先バリの接続は1本のハリスに直結した固定式が一般的。

しかしこの場合はイカの大きさに合わせ、掛けバリ、先バリ間の違う仕掛けを数組用意する必要がある。
 
掛けバリの位置を替えられる遊動式という手もあるが、合わせを入れたときに掛けバリがずれて掛け損じてしまう短所も。
 
おすすめは先バリのハリスを掛けバリのフトコロに深海結びなどで結ぶ仕様。

この方法であればイカの大きさに合わせて長さを変えるのも簡単。

また、サメやスミヤキ、ムツといった鋭い歯を持つ魚にハリスを傷付けられても、ハリスを結んだ予備の先バリを用意しておけばこの部分の交換だけで済む。
 
ハリスにはナツメ型オモリ5~8号を通し、掛けバリの5cmほど上につまようじで固定する。

このオモリは生きイカエサを使ったときにイカが泳ぎ回るのを抑え、狙ったタナに正確に入れるためである。
 
太仕掛けで強引に巻き上げるため竿、リール、道糸も相応に耐えるものを使用する。

竿は全長2m前後で120号のオモリを背負え、柔軟かつ強度のある竿。

該当するのは遠征青物五目用、コマセカツオ・キハダ用ロッドなどだ。

リールはシマノなら3000~6000番、ダイワなら500~800番クラスの電動を使用。

道糸はPE6~10号で、ベストは8号。

5号以下ではハリスの強度より下回ってしまうばかりか、オマツリで道糸が交錯したときに切れてしまうリスクも高い。

強度のバランスが整った道具立てで臨もう。

デッドベイトでも新鮮さが重要

本来なら開始2時間ほどはヤリイカを狙い、エサが確保できたらブリ・ワラサに転進するのがイカブリの流れだ。

しかし、ここ数年はイカの不漁が続き生きイカが確保できない日が多い。
 
そんなときは生や冷凍のイカといったデッドベイトを使用することになる。

冷凍イカであれば船宿で購入することはできるが、冷凍より鮮度のよい生イカのほうが食いがいいので、釣行日が近くなったら鮮魚店をのぞいてみて、胴長20cm前後で鮮度のよいヤリイカを売っていたらストックしておこう。

用意するイカの数は最低でも10杯、15~20杯あれば安心だ。
 
付け方はイラストのとおりだが、ポイントはデッドベイトの場合は頭部の抜け落ちを防ぐために、胴と頭部を縫うように先バリを胴のスソから刺し入れロウトへ抜く。
 
生きイカの場合は背骨を傷付けると死んでしまうため、掛けバリはエンペラと平行に刺すこと。

遊ばせずに一気に巻き上げる

釣り場の水深は50~80m。

タナは仕掛けの長さプラス3mが基本だが、状況で変わる場合も仕掛けの長さプラス〇mとアナウンスされるので、道糸のマークで確実に合わせること。

潮が流れていれば水深も浅くなったり深くなったり変化するので、1分くらいの間隔で底ダチを取り直す。
 
生きイカの場合はとくに誘いは必要ないが、デッドベイトの場合は時折竿を大きくゆっくりと上下させてみたり、デッドスローの電動巻き上げで10mほど巻き上げたりすると効果がある場合もある。
 
海況がナギなら置き竿でもいいが、波っ気があるときはエサが不自然に暴れないように手持ち竿でアタリを待ったほうがいい。

そしてドラグはくれぐれもきつく締めておくこと。
 
アタリの出方は最初は竿先が揺さぶられる程度と意外に小さい。

置き竿にしている場合は竿をキーパーからそっと外し、合わせの態勢を取る。
 
早合わせはスッポ抜けてしまうだけ。

イカエサを飲み込むまでじっくり待つ。

徐々に竿のたたかれ方が激しくなり、ギュギュンッと強く引き込まれたところで大きく引き上げるように合わせを入れ、電動リールなら即巻き上げレバーを入れる。
 
魚を遊ばせることはオマツリの元。

結果ロスタイムが生じ、短い時合を逃してしまう。

魚の頭が横へ下へと向かないように、巻き上げスピードは速めの中速。

グイグイと強引に巻き上げる。
 
最後はタモですくって取り込むが、入れ食いモードに突入したら仲乗りさんだけでは間に合わないことも。

乗船者同士協力し合って取り込むが、ちょっとやそっとじゃ切れるハリスではないので、4kg級までならハリスをつかんで抜き上げてもいい。

短いチャンスタイム、1本でも多くキャッチするには手返しのほかにない。
 
2段バリなので暴れる魚からハリを外すときは要注意。

ロングプライヤーを使って安全に外そう。
 
またサメ被害も年々増えている。

血抜きをする場合はクーラーの中で行うことがルールだ。
 
例年1月上旬には終了してしまうイカブリだが、今シーズンは依然水温が高いので1月一杯は楽しめるだろう。

釣行の写真

ジャスト4kg。今後は7kgオーバーに期待

12月1日より開幕した東伊豆の冬の風物詩、イカブリ。

まだ水温が高いためか爆発的な釣果は上がっていないものの、4kg超をアベレージに7~8kgのブリサイズが交じったりと今シーズンは比較的サイズがいいのが特徴だ。
 
リサーチに出かけたのは12月10日。

6名が乗り込んだ宇佐美港の秀正丸は16時にもやいを解き、港口を出ると森秀正船長は進路を北東に向ける。
 
美しい夕空をバックに浮かび上がる伊豆半島のシルエットを望みながらゆっくりと航行することおよそ20分で初島の東沖に到着。

「準備ができたら始めてください。タナはハリス長プラス3mです」
 
イカブリといえば最初にエサにするヤリイカを釣り、その後ブリ・ワラサ狙いに転進するのだが、これも高水温の影響か、まだイカの釣況が芳しくないことからイカ釣りはスルーし、生もしくは冷凍のいわゆるデッドベイトを使用して開始となる。
 
水深は70m。

時折底ダチを取り直しながらハリス長の4.5m+3m分の7.5m底を切ってアタリ待つ。

釣行の写真

キントキが食ってきた

そろそろ始まるか !?

動きがあったのは辺りがすっかり暗くなり、集魚灯が点灯されたころ。

生きアジを持ち込んでいた右舷大ドモの方にアタリ。

しかし残念、正体は80cmほどのツノザメだった。
 
そのとき左舷大ドモの高橋さんが大きく竿を引き上げ、合わせを入れる姿が目に入った。

「きっとこれもサメだよ」と謙遜していたが、見えてきた魚影はシルバーグリーン。

仲乗りの大胡さんが差し出すタモに収まったのは4kgのワラサだ。
 
最初の魚が口を使えばそれが起爆剤となってほかの魚も口を使い出すといわれている。

近くを流す僚船でもタモを出す光景が見える。さあ始まるかな。
 
右舷ミヨシの長谷川さんに2回続けてアタリがくるも、巻き上げ途中でスッポ抜け。

潮が流れていないからか魚の食いも浅いようだ。
 
30分後に3度目のヒット。

電動パワーでガンガン巻き上げ、今度は見事4.1kgをキャッチ。

その後も同級を追釣。うらやましい限りだ。

私の竿にもコツンッと小さなアタリ。

その後引き込みがこないので仕掛けを回収してみるとイカが真っ二つ。

スミヤキの仕業だが、先ハリスまでズタズタにされてしまうので困ったもの。
 
だが、私の仕掛けは先ハリスを掛けバリのフトコロに結んでいる仕様なので、予備の先ハリスに交換するだけで修復完了。

「反応はあるけど潮が止まっちゃってるから食わないね」
 
とはいってもひとたび魚のスイッチが入れば怒涛の入れ食いが始まるのがこの釣りだ。気を緩めることなくそのときを待つ。
 
しかし船長も初島の南沖、西沖と探ってくれたが、動かない潮に魚の活性も上がることなく沖揚がりの時間を迎えた。

釣果は船中6人で4kg級3本と芳しくなかったが、反応はどのポイントもバッチリだった。
 
今後はヤリイカが釣れ出す潮になればブリ・ワラサの活性も一気に上がると予想。

新年はブリ祭りで熱くなろう!

釣行の写真

この日はトップ2本だったがいい日には2ケタに迫ることも

船宿information

東伊豆宇佐美港 秀正丸

090・3158・6890

▼備考=予約乗合、15時半集合。冷凍イカエサ、仕掛け常備。川奈沖のシマアジ、遠征オニカサゴへも出船

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