漁師とは無縁だった初代関口義雄船長(故)が縁あって三浦半島走水に開業した関義丸は、現在の店主である関口道義船長で二代目となる。
昭和36年1月21日生まれの61歳。
還暦を迎えてもなお現役バリバリで、16tの大型船「第八関義丸」を相棒として、連日たくさんの釣り人を迎えている。
メンテナンスが行き届いてピッカピカに清掃されているこの船は、いつ乗船しても気持ちよく、乗り心地も抜群だ。
走水のアジは干物にしても刺身にしてもおいしい
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若船長のデビューでタチウオへも
関義丸がアジをターゲットに出船するようになったのは今から30年ほど前のことで、それ以前はメバルやカレイ、アイナメ、マゴチ、スミイカといった底物を中心に船を出していたという。
アジ釣りを看板に掲げるようになってからも当初は冬にアジを狙うことはなかったそうだが、電動リールの普及で深場を攻めやすくなったことなどもあり、周年狙えるターゲットになったと話す。
当地で釣れるアジはいわゆる居着きの金アジ系で、時折交じる沖のアジとそれを区別すべく、関義丸ではとりわけ美人なアジを「プラチナアジ」と呼ぶ。
顔が小さく、体高が幅広で、生でも火を通してもおいしいそのアジは、プラチナと呼ぶに相応しい。
もちろん、いつもそんなアジばかりが釣れ盛るわけではないが、常連さんや食通の釣り人は、そのプラチナアジに魅せられて関義丸へと足繁く通う。
そんなアジ釣りが金看板の関義丸がタチウオ狙いでも出船するようになったのはここ数年のこと。
三代目となる関口雄介船長のデビューがきっかけだ。
雄介船長は道義船長とおかみの則子さんの息子で、平成11年4月1日生まれの23歳。
3年前から船を任されて、目下第三関義丸の船長として活躍中だ。
港のすぐ目の前がタチウオのポイントゆえ、せっかく常時2隻で出船できるようになったのだからと、タチウオ釣りも看板に掲げた次第。
とはいえ、おおむね12月~3月くらいまでは平日は仕立船、土日祝日はアジ乗合の2隻目を担当することになり、取材に出かけた当日は6名グループのアジ仕立船として出船した。
若い船長ながら常連さんからの信頼は厚く、時にはわが子のように可愛がられ、親しまれている様子。
父である道義船長も、彼が船宿を継いで仕事をしてくれていることに、「やっぱり、うれしいもんだよね」と笑みを浮かべる。
雄介船長の仕事ぶりを眺めていると、道義船長から厳しく指導されてきたことがうかがい知れる。
そして第三関義丸の船上もピッカピカで整理整頓も完璧。
釣り人を迎える姿勢も父から息子へしっかり引き継がれていた。
関義丸の出船形態は午前および午後の2便制で、両便をリレーすることもできる。
また、6~8月の3カ月間は土曜日限定となるが夜メバルにも出船する。
半日の釣りを楽しむもよし、日の出から日没まで通しでタップリと釣りを楽しむもよし。
半日船が少なくなってきた昨今、自分好みのスタイルで気軽に乗船できるところはうれしい限りである。
これぞプラチナアジといったグラマラスな個体
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好調に釣り続けた大学生アングラー
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裏本命のマダイも好釣
私が訪れた12月初頭のこの日も平日ながら満船で、20名の釣り人が竿を構えた。
港を出て15分ほどで船が旋回、スローダウン。
「タナは上から40m。コマセを振ったら1m上げて待って」と指示が出た。
おおむね海底からのタナ取りが多いこの地にあって、海面からのタナ取りは珍しい。
どうやら海底に荒根があるようだ。
ちなみに2流し目からは海底からのタナ取りで、ビシを底から2~3m上げた位置でアタリを待つように指示が出た。
2mで狙うか、はたまた3mで狙うか?
それを悩んだ挙句に当たりダナを見つけられると、うれしいことこの上ないのがアジ釣りだったりする。
この日の午前船は、アタリの出方に個人差はあったものの、トップは28尾のアジを釣り上げた。
サイズは大中小交じりながら大きめが主体で、28~35cmくらいの良型が多かった。
そして、密かに狙う人が多いマダイは2kg級を頭に船中3枚釣れ上がった。
走水は高速道路の出口から近く、車でのアクセスがいいことはもちろん、午後船なら電車とバスを使って出かけることもできる。
また、高速道路の出入り口近くには温泉のスーパー銭湯があって、帰路にひとっ風呂浴びることもできる。
釣りを楽しむだけでなく、出かけ方、遊び方を工夫すると、一日を存分に楽しむことができる好立地、好条件に恵まれている走水。
好みのスタイルで足を運び、思いっきり釣りを楽しみ、家に帰ったらおいしいアジに舌鼓を打つ。
これって最高の休日の過ごし方に違いない!
してやったりのマダイは2kg級
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食いがいい時間帯はダブルで釣れることも
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船宿information
三浦半島走水港 関義丸
046・841・7154
予約乗合。平日は5人~仕立も受付。火曜定休。※予約の電話は火曜日以外で対応
釣り座は先着順で船着き場の席札を取る。
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隔週刊つり情報(2023年1月15号)※無断複製・転載禁止