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東京湾のマダコ年末へ向け上昇に期待

隔週刊つり情報編集部

12月に気になる東京湾の釣り物といえばマダコ。

今年の夏はここ数年で一番と言えるほどの不調で、悪潮で酸欠になるなどの影響もあったりして湾奥タコにはやや厳しい状況。

成長も遅れているようでこの時期でも0.4~0.8kg前後の小ぶりが主体となっている。

11月中旬の取材日は近場~富岡沖の水深10m前後を狙いトップ5杯とまずまず。

数はそこそこ釣れているから、これから年末へ向けてはサイズアップにも期待したい。

そろそろ正月用の食材が気になるころだ。

毎年お節料理と生きナマコは買うにしても、プラスアルファの自前調達はタコとスミイカにハゼってところかな?

東京湾では夏ダコのシーズンには数多くの船宿がタコ釣り乗合を出しているが、暮れまで継続してタコを狙い続ける船宿は滅多にない。

横浜本牧の長崎屋は昔から12月末までマダコを狙い続けている老舗だ。

僕は12月30日の納竿に孫を連れてタコ釣りに出かけたりもしたが、ずいぶんといい思いをしている。

釣行の写真

▲最近は竿釣りの人が多い

釣れたのはうれしいが…

夏ダコ釣りが終盤にモヤモヤって感じで終わったこともあり、様子見に11月15日の早朝、本牧へと車を走らせた。

親方や息子船長たちに話を聞くと、9月に発生した悪い潮(青緑色)で色んな魚が浮いて、タコもずいぶんと死んでしまったとか。

その後に卵からかえって育ち始めた赤ちゃんダコがやっと育ってきたという。

前日には1kg超えも2杯出たようだ。

例年なら夏ダコが育って2kg、3kgもの大型も出る冬ダコシーズンなのだが、そういった事情で今釣れているのは産卵期後半に生まれたタコのようだ。

当日は僕を含めて4名が乗船。

操船するのは弟の長崎昭船長で、左舷での片舷釣りとなった。

8時半ごろに出船した船は港を出て少し走り、まずは近場の護岸を中心に探る。

それにしても、護岸ギリギリを流す操船技術はスゴイ!職人技だよね。

護岸の際に餌木仕掛けをキャストして、シャカシャカと躍らせてからスッとシャクって船下までを探る。

ズルズル引きずると一発で根掛かりしてしまう。

当日の1投目でモタッ、ズンときたからオオッとテンションが上がった。

船長もタマ網を用意したが、なんと布雑巾ごみ。

ホント、雑巾ってタコにそっくり。

これにめげずに護岸際にキャストしてシャカシャカやるとすぐにズーン。

水深は3~4mそこそこだが、ユラーッと浮いてきたのは間違いなくタコだ!

500g級の1杯目をゲットして幸せな気分。

開始早々のことだから、気分はうんと楽になった。

船長は転々と護岸のポイントを探る。

ここぞというピンポイントでタコを拾うという釣りだ。

実は、僕は沖のポイントを流す釣りよりも、こういった釣りのほうが好き。

アイナメのブラクリ釣りのようでワクワクしてくる。

数カ所目のポイントで、護岸スレスレにキャストしてシャカシャカするとモタッときて先ほどよりやや大きい2杯目をゲット。

9時前に2杯ゲットとは上出来すぎる。

ただ、取材釣行なのでほかの人が釣ってくれないと画撮りが厳しい。

うーん……。

9時過ぎになって、お隣さんが僕と同級のタコを釣り上げた。

とてもうれしそうだったが、僕もホッとする。

9時半ごろからは富岡方面に移動して、付近の護岸を探った。

この付近はメチャクチャ根が荒くて、餌木をいくつか失った。

船長は「根掛かりがすごい」とか「根掛かりにちょっとだけ注意」とか「平場だから根掛かりは大丈夫」などなどその都度アナウンスしてくれるが、ポーンとキャストして一発根掛かりは打つ手がない。

餌木を外そうとして引っ張ると余計にガッチリ掛かってしまうから、ガリッと感じたら道糸を緩めてフワフワさせると外れるケースも多かった。

それでも全く餌木を失わないというわけにはいかない。

その後、富岡沖の水深10mに移動した。

小さな根が転々とする平場のようだ。

根掛かりは少ないが、オオッと思うと貝殻が引っ掛かってきたりする。

また貝殻?と思って取り込んだらタコ。

ただし良型イイダコだった。

知っ得!マダコ釣りの必需品

タコ釣りに砥石(シャープナー)は必需品だ。

ハリ先が根に触れて、すぐに甘くなってしまう。

よく見るとハリ先が曲がっていたりもする。

ハリ先を親指の爪に当てて、スーッと滑るようではダメ。

研ぎ方は、ハリ先から根元方向へと研ぐのが基本。

ハリ先方向へ研ぐと、バリや返しが残ったりハリ先が曲がったりするからだ。

Tackle Guide

根が荒くて良型がそろうようなポイントならテンヤの手釣りがおすすめ。

そうでなければ餌木の竿釣りでよい。

先糸はなくてもいいが、タコを取り込む際の目安にはなる。

誘い方が違った!?

曇天だが海はナギで絶好の釣り日和だ。

釣果を得ていたから、お昼ご飯もおいしい。

昼ごろには根岸湾内の奥深くに入った。

岸から離れたポイントだが「仕掛けを投げないでください」と船長がアナウンスした。

たぶん根が荒いかポイントが狭いかだろう。

すぐに大ドモの常連氏がタコを釣り上げた。

急いで画撮りをしたが、続けて連チャンで2杯目もゲット。

タコ釣りって、こんな感じで釣れた人に続けてくるパターンが多い。

誘いのリズムが合っているのか?ポイントの問題なのか?不可解だが、そんなことが普通にある。

1時前にはお隣さんも2杯目をゲット。

これは根の荒い護岸ポイントで釣ったもので、800gあった。

これで2杯ゲットが3名。

あと一人の方が釣れば、昨日同様に全員安打となる。

1時ごろからは、沖の平場を絨毯爆撃のように何度も流した。

根掛かりはほぼ心配ないポイントなのだが、なぜか僕は根掛かり連発。

ここで、左隣氏が怒涛の3連発!一気に5杯まで数をのばしたからすごい。

後からよく考えてみれば、お隣さんの釣り方はユーラ、ユーラと緩やかに餌木を躍らせながら船の流れに任せて底を引きずり気味に誘う釣り方だった。

逆に、僕はなんとか釣ろうと派手に餌木を躍らせるスタイル。

それがよくなかったのかもしれない。

釣ろうとすると、あの手この手でシャカシャカやってしまう気の短さを反省!

2時半ごろに納竿となったが、ゼロが1人出てしまったのが残念だった。

大型が出れば、カニエサのテンヤで釣ろうと思っていたが、出番はなかった。

ただ、状況は決して悪くはない。

もともと冬ダコ釣りはこんな感じだった。

大型交じりの良型主体じゃないのがちょっと寂しいが「一潮ごとに大きく育つ」と言われるタコのことだから、年末にかけて期待しよう。

釣行の写真

▲年末へ向けマダコが釣りたくなる時期

船宿INFORMATION

東京湾奥横浜本牧 長崎屋

045・622・8168

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隔週刊つり情報(2023年12月15号)※無断複製・転載禁止

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