中オモリを使い餌木をタナまで沈め、数秒に1回のペースでシャクる。
シャばアオリが乗った証拠。
シンプルな釣り方と乗った瞬間の衝撃的な釣趣が餌木シャクリのアオリイカの魅力。
11月から出船を開始している南房洲ノ崎港の佐衛美丸では土日祝日限定乗合でファンを楽しませている。
11日の取材日は、洲ノ崎沖の水深20~30m前後を狙いトップ5杯、全員がアオリイカをキャッチできた。
今シーズンは数は少ないもののサイズがよく、600~800g級が主体で1kg級も交じった。
餌木は3.5~4号のノーマルタイプ、タックルはアオリイカ専用のほか、ライトゲーム用でも楽しむことができる。
▲鋭いシャクリで誘い続けて800g級のアオリイカをキャッチ
出典:
餌木カラーの選び方例
餌木は背色と腹色(下地)があり、背色は潮が濁っているときや暗いときはオレンジやピンクなどの明色系、澄んでいるときや明るいときは茶や緑などの暗色系を基準に選ぶといい。
当日は雲が広がり薄暗く、夕方の暗い時間帯も釣りをするので全般にオレンジやピンクの乗りがよかった。
腹色(下地)はマーブル、金、赤の3色が基本で日中はマーブルと金、夕マヅメは赤でよく乗った。
※写真は当日のヒット餌木の一部
出典:
今シーズンのアオリイカは各地で盛況だ。
10月より内房や三浦半島、相模湾で開幕し、11月になると東京湾や南房でもスタートして釣り場が広がった。
東京湾の模様は前号の特集でお伝えしたとおり。
今回は南房のアオリイカ模様をお届けするため11月11日、南房洲ノ崎港の佐衛美丸を訪れた。
関東周辺のアオリイカ乗合はティップランエギングと中オモリ式の餌木シャクリの2通りある。
佐衛美丸は後者で、中オモリを介した仕掛けをタナまで沈めて定期的に餌木をシャクリ続けるシンプルな釣り方。
エンジン流しで糸を立て、アオリが集まるポイントを狙う。
佐衛美丸のアオリイカ乗合は土日祝日限定で出船。
今日は午後船なので夕マヅメのチャンスタイムを狙うことができるから、ほぼ初めての私でも釣れるに違いない!
▲アベレージは600~800g級
出典:
いきなり1kg級
当日は13時に私を含めて6人が集まり、準備が整ったところで13時半に出船。
私は右胴の間に入る。
釣り場は洲ノ崎沖の水深30m前後で、ポイントに着くと皆さん中オモリを竿先にぶら下げて構え、開始の合図を待っている。
「25(m)でやってください」と合図が出たら素早く餌木を前方に放り投げ、クラッチを切って餌木を沈める。
タナを取ったら餌木が沈み切るのを待ち、シャクリを開始。
当日はアオリマニアの常連さんがそろい、4人が全長1.3m前後の専用竿を使っている。
短竿はアオリが乗ったときの衝撃がダイレクトに伝わる面白さがあるという。
私と右ミヨシの一ノ瀬さんは2m前後のゲームロッド。
餌木シャクリは餌木を跳ね上げて落とし込むシンプルな動作の繰り返しだから、シャクったとき餌木を跳ね上げられれば専用竿でなくても楽しめる。
開始から10分、左トモの川瀬さんの竿が曲がった。
グイーン、グイーンと独特な引きを見せて上がってきたのは1kg級のアオリイカ。
「シャクって餌木を沈めていたら引っ張られたので根掛かりしたのかと思いました」と川瀬さん。
今シーズン初アオリを釣り上げてうれしそう。
続いて右トモの山下さんにアオリイカが乗った。
ゆっくり巻き上げて上がってきたのは600g級。
「後ろで川瀬さんがピンクマーブルの餌木を使っていたので似たカラーの餌木に替えたらすぐに乗りました」と山下さんは1杯釣れてひと安心といったところ。
乗りが遠くなると船長は、「もう一回流し直してみますね」と潮回りを繰り返す。
底の起伏に合わせて頻繁に指示ダナが変わるので、聞き逃さずにこまめにタナを合わせていく。
数回の流し変えのあと、左舷ミヨシの谷口さんの竿がシャクった直後に止められる。
上がってきたのは800g級。
続いて一ノ瀬さんが同サイズを釣り上げる。
二人は雲が広がり薄暗くなってきたのでアピール力の高い金テープの餌木に替えたところ乗ってきたという。
一人残されたのは左胴の間の笹岡さんだったが、「船中で最後まで釣れないことはよくあるのでプレッシャーは感じていません。お気に入りの餌木を信じてシャクリ続けていればそのうち乗りますから」との言葉どおり、すぐに600g級のアオリイカを釣り上げたと思ったら、立て続けに同サイズをキャッチ。
「餌木がハマると連発することがあるんです。1杯釣れてすぐに再投入したら連発しました」とパタパタフットが付いた餌木を見せてくれた。
▲取り込みはハリスをたぐり餌木をつかむ。大型はタモ取りしよう
出典:
知っ得! 餌木は3.5~4号のノーマルタイプ
餌木は速く沈むディープタイプ、ゆっくり沈むシャロータイプ、30~40gのシンカーが付いているティップラン用など色んなタイプがあるが、餌木シャクリでは3.5~4号のノーマルタイプの餌木を使う。
重さ18~25g、沈下速度は約3~3.5秒で1m沈むものが適している。
Tackle Guide
中オモリ10号、ハリス4~6号で長さ4m。
中オモリの重さは糸の立ち具合、ハリスの長さは的確なタナ取りに直結するため統一している。
タナは海面から餌木までの距離なので、道糸の最初の色を10mにして、そこからハリス全長分の4mをカットしてして中オモリに結ぶと正確にタナを取れる。
全員安打達成
全員がアオリイカを釣り上げたあと、一ノ瀬さんが、「みんな釣ったから記者さんもやってみなよ。シャクったときにドスン!と竿を止められる衝撃をぜひ味わってみて。薄暗くなってきたから餌木は背色はオレンジで腹色は赤テープがいいよ。これで私は3連チャンだから」と言っておすすめの餌木を見せてくれた。
釣れている人の餌木のカラーに合わせれば間違いないと、赤テープの餌木をチョイスして釣り始める。
「餌木を跳ね上げてアオリイカにアピールさせるので、シャクリの大きさや強さよりも鋭くシャクることを心がけて」と船長からアドバイス。
しかしシャクったあと穂先に道糸が絡まってしまう。
それを見ていた船長は、「竿を折らないように気を付けてね。スパッとシャクったら、すぐに竿先を海面付近まで下げると道糸が絡まりにくくなるよ」と再びアドバイスをくれる。
5秒間隔でシャクリ続けると、突然ドスン!と竿先が止められる衝撃と根掛かりを思わせる重量感、一拍置いてグイ~ンと引き込んできた。
アオリってこんなに引くの?とあっけにとられていたが、船長の「巻いて!」の声でわれに返り夢中でリールを巻くと海面にアオリイカが浮上。
逃すまいとハリスをたぐり寄せ、強引に抜き上げたのは1kg級のアオリイカ。
どうりでよく引いたわけだ。
この重量感と引きはクセになりそう。
やがて夕マヅメのチャンスタイムが到来。
まずは左トモで600g、続いて左ミヨシで同サイズが上がったが、私に再びのドスンはないまま18時の沖揚がりを迎えた。
釣果は0.6~1kg級が一人1~5杯とまずまず。
「今年は台風の影響で新子のイカが減っちゃって数は少ないけど、全体的に型がそろっていますよ。12月になればさらに型がよくなってくるはず」と船長は期待を込める。
アオリイカが乗ったときのドスン!という手応えとグイ~ンと引くジェット噴射は想像以上にパワフルだった。
皆さんもぜひ味わってほしい。
▲だれでも釣れるからアオリイカ入門に最適
出典:
船宿INFORMATION
南房洲ノ崎港 佐衛美丸
0470・20・8003
▼備考=午後船8名限定、予約乗合。
13時集合、集まり次第出船。
午前船はキントキ&根魚五目へ出船
釣り船予約サイト「釣割」のスタッフがオススメする釣り船はこちら!
【南房(千葉県)・アオリイカ船】人気ランキング
【南房(千葉県)・アオリイカ船】価格ランキング
隔週刊つり情報(2023年12月15号)※無断複製・転載禁止