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ズッシリ!大型ヤリイカ順調 ポイント拡大で最盛期へ突入

隔週刊つり情報編集部

三浦半島出船のヤリイカは開幕からすでに3カ月ほど経過しているが、良型主体に順調な乗りを見せている。

取材した三浦半島長井のはら丸は、目下のところ城ケ島~剣崎沖をメインに狙い、パラソル級の大型交じりでトップ20杯前後の日が多い。

11月下旬になってからは洲ノ崎沖でも乗り出して一気にポイントが拡大。

「どこも乗るのは底ばっかりだね。仕掛けは5本ヅノがあれば十分だよ」とは泊幸一船長。

実際、この日乗ったヤリイカのほとんどが1番下か2番目のツノだった。

特筆すべきはそのサイズで、肉厚の大型ヤリイカが目立った。

スルメイカは交じる程度で11cmのプラヅノで対応できる状況だ。

今後、水温低下で群れが固まればさらに本格化しそう。

今シーズンは序盤から雰囲気がよく、今後も大いに期待できそうだ。

船の写真

富士山もすっかり冬化粧。海水温が下がれば数釣りもさらに期待できる

赤白スッテは必須

赤白スッテの写真

赤白スッテは必ず使いたいアイテムだ

今回乗ったツノを見るとピンク、ブルーに偏っている。

このほかにも赤白スッテに乗るシーンが多く見られた。

ピンク、ブルーは定番だが赤白スッテも目立った乗り方をするので、もはや必須アイテムと言ってもいいだろう。

底で乗ることが多いので下から2番目、3番目くらいに入れておこう。

釣行の写真

大型が1杯ずつ乗ることが多かったが、 後半に多点掛けするシーンも見られた

釣行の写真

スルメがたまに交じるが、18cmの直結で狙うほど多くはないという

今シーズンのヤリイカは各地ともおおむね順調だ。

今回取材した三浦半島出船では剣崎沖メインに狙っていたが、洲ノ崎~城ケ島沖でも良型が出てきてポイントが拡大。

南房では平砂浦~白浜沖に群れが固まりトップ50杯以上の釣果も出て本格化。

このほか相模湾西部では瀬ノ海から真鶴沖で安定。

駿河湾の石花海では久しぶりに盛り上がりを見せ、各エリアともいよいよ本格シーズンへ突入しそうな雰囲気。

今回は、ビギナーからベテランまでだれにでもにおすすめしたいブランコの「5本ヅノ仕掛け」について考察する。

ヤリイカ仕掛けは、プラヅノ11cm5~8本のブランコ仕掛けが一般的で、市販仕掛けは5~7本ヅノ仕掛けが多い。

では5本と8本の違いはなんだろうか?

8本を使ったほうが釣果は上がるのだろうか?

ツノの数が多い分、一度にたくさん乗せられる可能性があるのは確かだが、実際にそれで釣果が上がるのだろうか?

「反応は底ばっかり。乗るのは1番下か2番目くらいまで」とは、三浦半島長井港・はら丸の泊幸一船長。

底でしか乗らないのであれば、極端な話、3本もあれば十分とも言える。

今回は5本ヅノ仕掛けのススメとしているが、この釣りにあまり自信がない、初めてやる、なんていう人は4本くらいでやったほうがいい。

まずは、なぜ5本(またはそれ以下)仕掛けがいいのかを解説していく。

釣場の写真

ポイントは剣崎沖からスタートして後半は城ケ島沖へ。同日に洲ノ崎沖を狙った船は好調だった模様

メリット① 仕掛けの落下が早い

ツノ数が多いとそれだけ抵抗が大きくなり、落下スピードが遅くなる。

5本以下なら抵抗も少なく早く着底させることができる。

早く着底した人から乗ることが多いので、これは大きなメリットとなる。

さらに、早い落下でツノ数が多い仕掛けよりもサバに捕まりにくくなる。

サバに捕まったとしても8本ヅノ仕掛けよりも仕掛けの損傷やトラブルも少なくて済む。

メリット② アタリが取りやすい

狙う水深は浅いときは100mちょっと、深いときは200m以上になる。

ツノ数が多いと落下時と同様に抵抗が大きくなり、繊細なアタリが伝わりにくくなる。

つまり仕掛けが多いほうが乗りが分かりづらくなる。

ヤリイカは小型だと最初に乗りのシグナルを伝えてくれても、慣れていないとそれをアタリだと判別できないことが多い。

それ以後、乗ったのかな?乗っていないのかな?と迷うことが多くなる。

本当は乗っているのに乗っていないと思って海底でバラしてしまったり、逆に乗ったと思って巻き上げても実際は乗っていなかったり。

この乗ったか乗っていないかを「乗り感」というが、これが分かる分からないで釣果は大きく変わっていく。

上のほうのツノに乗るとアタリ同様に乗り感は大きくなり、下のほうのツノだと小さい。

底のほうで乗ることが多いので、当然乗り感は小さいことが多いが、仕掛けが少ない分、この乗り感がより分かりやすくなり、自信を持って巻き上げることができる。

当然5本よりも4本のほうが分かりやすくなる。

このことからも慣れない人はツノ数を減らしたほうが確実に釣果が上がるのだ。

釣行の写真

ベタ底で誘うと竿先にハッキリしたアタリが出る

メリット③ 手返しが早くなる

仕掛けを巻き上げイカが乗っていればイカを外し、回収したツノを投入器に入れていく。

反応がまだあれば再投入できる。

このとき、5本ヅノと8本ヅノでは3本の差があり、回収再投入にも差が出る。

1回の流しで2回、3回と投入できることもあるが、2回目に間に合うか間に合わないか、というシーンも多い。

こんなときはいかに早く再投入できるかで明暗を分けることになる。

手返しが早くなればこの1チャンスをモノにできる可能性が高くなる。

釣行の写真

単発のときは投入回数を増やして確実に拾っていく

メリット④ 取り込みのバラシが減る

仕掛けの回収時にヤリイカがバレることは多い。

波があるときや上潮が速いときに仕掛けが緩んでイカが横になると、簡単に外れてしまう。

これもイカが1番下に付いている場合、5本と8本ではたぐる回数が増える分、8本のほうがイカが外れてしまう可能性が増える。

もちろん5本でも外れるがリスクは軽減できる。

メリット⑤ オマツリが軽減、 オマツリほどきが簡単に

仕掛けの全長が短い分、長いよりはオマツリのリスクが軽減する。

オマツリしたときもツノ数が少ない分、解くのが容易になり無駄な時間を軽減。

ここまで簡単にメリットをあげてみたが、これだけのメリットがあればツノ数を5本以下にする価値は十分にあるだろう。

とくに底でしか乗らない状況ならその効果は大きいはず。

では、ツノ数が多いほうがいいときとはどんな場面だろうか?

仕掛けの写真

ほぼ底でしか乗らないので仕掛けは5本以内にして手返しよく釣るのがおすすめ

ツノ数が多いほうがいいとき

イカの群れが広範囲に散らばっているとき。

底にはヤリイカ、少し上にスルメイカがいるような場合や多点掛けするときで、こんなときは一度に広く探れる仕掛けのほうが有利ではある。

だが、5本ヅノ以下の本数でやる場合でも、上のほうまで反応が出ていれば船長からアナウンスがあるのでそこまで上げて探ればいいし、仕掛けの落下中にストップして探ってみるという方法で対処できる。

では決定的な違いとなる多点掛けはどうだろうか。

5本ヅノでは最大5杯掛け、8本ヅノ仕掛けでは最大8杯掛けが可能になる。

これだけはどうやってもツノ数が多い仕掛けには敵わない。

ただし、そんなことがそうそうあるかというと、一日で1回あることさえ珍しい。

結果、パーフェクトがあったとしてもそのほかのシーンでは5本ヅノのほうが確実にメリットがある。

では、入れ乗りになったときはどうだろうか?

この件については多くのイカ釣り好きの船長に聞いたが、「5本でやる」という声が多かった。

その理由は手返し。

入れ乗りのときはツノ数を増やしたほうが数を稼げるとイメージしがちだが、本気で数釣りするなら手返しを重視した5本仕掛けが最強という。


5本ヅノ仕掛けを選ぶ理由は、すでに述べたメリットがあるからだ。

イカが毎回3~4杯乗ってくるとして、これを5本ヅノ仕掛けでスピーディーにやって回数を増やす。

8本ヅノでときに6杯以上の多点掛けに成功したとしても、最終的に見ると手返しよく繰り返して回数を乗せるのには敵わない、ということだ。

というわけで、今回ツノ数を減らして狙うメリットを紹介したが、「釣果よりも多点掛け」という人もいるだろうから、その場合は好きに選択したらいいだろう。

しかしビギナーには断然4~5本ヅノ仕掛けを推したい。

オマツリや手前マツリのトラブルが少なくなり、海中に仕掛けを入れている時間が長くなる。

それは釣れる可能性が増えるということ。ビギナーでよく見かけるのが、しょっちゅう手前マツリした仕掛けを解いていて、釣りの時間を無駄にしていること。

市販仕掛けや船宿仕掛けが5本ヅノだったら、1番上をカットして4本にするのがおすすめだ。

使用するツノは5本の場合、ピンク、ブルー、ケイムラに下から2番目か真ん中に7cmの赤白スッテを入れておく。

ピンク、ブルーを2本ずつに赤白スッテでもいいだろう。

底メインの釣り方

目下のところ多くのエリアでは底メインで乗っている。

そんなときの釣り方を紹介する。

①着底したら素早く糸フケを取りアタリを見る

着底直後はチャンスタイム。

着底と同時に乗ることも多く、まずは竿を動かさずに竿先を見る。

ここでフワフワしていたり浮き上がるような動きをしていたらイカが乗っている証拠。

軽く竿を持ち上げて合わせる。

②誘いは誘い下げをメインに

イカは落ちてくる獲物に反応する。

このため、ツノが上から下に落ちていく誘いが有効だ。

竿を頭上まで上げて、そのあとに竿先をシュッと海面近くまで下げる。

これが落とし込みの動作になる。

誘い下げたらアタリが見やすい位置で竿を止めることが重要。

止めることでアタリを見極めやすくなるからだ。

ガチャガチャ動かしすぎては乗りが分からなくなる。

5秒前後待ちを取ったら再びシャクリ上げからの誘い下げをして、アタリを見る。

これをその場で数回繰り返す。

誘ったときに海底にオモリが着くとアタリと勘違いすることがあるので、少し浮かせておくといい。

③電動ただ巻き

底主体にしか乗らないときでも、数回誘って乗りがなければ電動で10mほどただ巻きしてみる。

スピードは8~10程度で、巻きながら竿先の変化を見る。

この巻き上げ中に乗ることもある。

10m上げたら再び着底させて①からの動作を繰り返す。

④イカが乗ったら

イカのアタリを察知したら軽く合わせることでバラシを軽減できる。

乗ったらそのまますぐに電動のスイッチを入れて10程度のスピードで10mほど巻いて追い乗りを狙い、その後は18~20ほどのやや早めのスピードで巻き上げ、回収する。

海底に群れが濃く追い乗りしそうなときは、乗った場所でテンションをかけたまま数回竿を上下に動かして誘いをかけるのも効果的。

⑤巻き落とし

①~③を数回繰り返して乗りがなけど一気に電動で巻き上げて、再度着底させる巻き落としを行う。

これで新しい場所に入って乗ることもある。

現在のヤリイカは順調に釣れていても、いかにチャンスタイムに確実に乗せられるかで釣果に差が出る。

当たり前のことだが、乗っているときは確実に乗せること。

また、ヤリイカは後半に乗りが上向くことが多いので、前半不調でも後半にチャンスがあると心得ておこう。

釣行の写真

身が厚くてズッシリと重いジャンボサイズも目立った

イカの写真

スルメは船上干しに

釣行の写真

上がったのは6kgのワラサ。前回の釣行では1人で7本も上げたそう。泳がせは船宿に問い合わせを

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