6月からロングランで釣れている外房のスルメイカが冬になっても好調をキープしている。
釣り場は勝浦沖の水深160~200m前後、ベタ底の反応を大流しで拾っていくスタイルで、胴長30~40cm級をトップ30杯前後、いい日は50杯以上の釣れっぷり。
例年より早くヤリイカも交じっている。
取材した勝浦川津港、不動丸の吉清晃朗船長によると、「イカの群れは勝浦沖にとどまっているので安定して釣れています。このままいけば年内一杯は期待できるでしょう」とのこと。
当地の冬の風物詩である寒サバ開幕も楽しみな勝浦沖のスルメイカ狙いだ。
▲釣り場は勝浦沖の水深160~200m前後。船上干しはイカ船の釣果のバロメーター
出典:
サバにツノを飲まれたら……
スルメイカは夏場のイカのイメージが強いが、近年では一体いつがトップシーズンなのか分からなくなってきている。
外房勝浦沖もその傾向が強く、6月に釣れ出してからすでに半年ほど経過しているが、冷え込んできた11月から急上昇しトップ50杯以上を記録するなど好調が続いている。
取材した勝浦川津港不動丸の吉清晃朗船長によると、多少水深の変化はあってもずっと同じ場所に群れが入っており、潮具合がいい日には数がのびるそうだ。
今シーズンのスルメイカは安定感があるとのことで、日により上下はあるものの極端に悪くなることは少ないそう。
すでにスルメイカのポイントでヤリイカが交じり始めているがこちらは例年よりも早い釣れ出しの模様。
ただ、まだ交じる程度なのでタックル、仕掛けはスルメイカ用を用意していこう。
このエリアでは寒サバが釣れ出すころまではスルメイカを狙えそうだと船長は予測する。
サバが一段落したらヤリイカに移行する予定という。
目下のところスルメイカを狙っている水深は160~200mほどで、反応はほとんど底ベッタリだという。
多くの人は直結仕掛けで狙っているが、底メインで乗るのでブランコ仕掛けでも釣りやすいという。
底反応なら直結仕掛けの本数はヤリイカ同様に5本と言いたいところだが、この釣りの場合はトータルの釣果よりも一発の多点掛けに賭ける人が多く、10本前後にするのが一般的。
群れが中層まで広がっているときはツノ数を12本以上にする人もいるが、目下のところはほとんどベタ底反応なので、10本もあれば十分だろう。
ブランコ仕掛けの場合は5本で対応できる。
底で1杯ずつ拾っていくイメージだ。
二枚潮や速潮のことも多く、慣れない人はプラヅノの数を減らしてコツコツと確実に数をのばしていこう。
今回は不動丸に乗船するたびにトップになる名手の松戸俊幸さんに、目下の状況に効果のある釣り方を教えてもらった。
▲ダブルは頻繁にあった
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誘い下げのアタリを取り電動ただ巻きをプラス
松戸さんはプラヅノ18cm13本を直結仕掛けで使う。
幹糸の枝間は1.5mが基本だが下の3本のみ1.2mにしているという。
これは底メインで乗るのに対応するためだ。
釣り方は直結での釣り方だが、ブランコ仕掛けの場合でもそのまま有効だ。
「着底させるとき、ドンとオモリを海底に落とさないことが重要です」
素早く着底させるのはイカ釣りの鉄則だが、勢いよくドン! とオモリを海底に落とすと周りにいるイカが散ってしまうのだという。
そのためには着底する10mほど前からサミングしてスピードを調節、そっとオモリを置くようにするといいそう。
このときに自分の仕掛けの全長を把握しておくといい。
水深200m、仕掛けの全長が20mだった場合、単純計算すると電動リールのカウンターが170mを超えたらサミングを開始する。
もちろん潮の流れがあれば20~30m余分に出ることもあるが、これはそのときの状況に応じて調整する。
着乗りがない場合はオモリを30cmほど浮かせてシャクリに入る。
シャクリ幅は竿先を海面に下げた状態から頭上まで。
このとき、時計の7時の角度、9時の角度、11時の角度と止めて乗りを見ていく。
アタリがあればそのまま竿を持ち上げて電動リールをオンにする。
「シャクリ上げた後に落としていく動作が重要です」
頭上までシャクリ上げたら、テンションをかけたままゆっくり落としていくのがキモだという。
テンションをかけた状態ででゆっくり落としていくため、ここで出るアタリが取りやすくなるのだ。
確かにストンと仕掛けを落とした場合、ブランコならいいが直結仕掛けが落ちていく最中のアタリを取るのは容易ではない。
落ちてくるものに好反応を示すスルメイカだから、一番乗る可能性が高いときに出るアタリを取ることができれば釣果もアップするというわけ。
誘い下げ(落とし込み)で乗らなければ一度着底させて30cm上げてから再びシャクリ上げ、誘い下げを繰り返す。
数回やったら今度は電動でただ巻きを開始する。
電動ただ巻きはスピード表示8~10程度にして10mほど巻いていき、その間に出るアタリを手や竿先で感じて掛けていくというもの。
10m巻いてアタリがなければ再度着底させてシャクリ、誘い下げを繰り返す。
底反応メインの場合でもこの釣り方は有効で、場合によってはこの釣り方が一番ハマることもある。
これは電動を巻くだけで簡単に探ることができて、ブランコ仕掛けの場合も効果がある。
いずれの釣り方もいい群れがいれば多点掛けもあるが、基本は1杯、2杯を乗せていく釣りだ。
「竿は硬めのほうがアタリが分かります。スルメは手感度で乗りが分かることが多いですよ。ただシャクっているだけじゃダメで、アタリを取って掛けていくのが重要です」
以上が松戸さんが教えてくれたスルメイカ攻略のキモだ。
ぜひ試していただきたい。
このあとはこの釣り場で注意したいポイントを解説する。
二枚潮や速潮時は投入器で再投入を
勝浦沖では比較的長時間流して、何度も繰り返して乗せることが可能だ。
一日中ずっと乗ることは少なくどこかでチャンスタイムが訪れる。
このときにいかに効率よく釣りができるかで釣果が大きく変わってくる。
チャンスタイムには、仕掛けとイカを回収して次の投入までに時間をかけなければそれだけ次の投入でも乗せられる可能性が高くなる。
「二枚潮や潮が速いときは必ず投入器に入れてから再投入してください」と吉清船長は言う。
潮が緩いときならイカが乗って仕掛けをたぐってきて1杯取り込んだ。
その下にはまだ3本ツノは残っているがイカは乗っていない。
ならばそのまま仕掛けを落としてもいい。ただし、二枚潮や速潮時にこれをやると、オマツリを引き起こす。
このため一度すべて投入器に入れてから再度オモリを投げて投入するのがルールになる。
こんなとき、一度イカや仕掛けを取り込んでから改めてツノを投入器に入れてもいいが、これだと時間がかかってしまう。
たまにイカ釣りをする人はそれでもいいが、今後もバリバリ釣りたいという人は、仕掛けの回収時にツノを投入器に入れていったほうがいい。
イカがいる場合は外して足元へ落とし、その後にそのツノを投入器へ入れる。
直接入れるのが難しい場合は、マットに順番に並べて固定しておくといい。
こうすればオモリまで回収したら順番に投入器に入れていけばすぐに再投入できる。
直結の場合、潮が緩いときは回収したツノを足元にポイポイと落としておき、投入はオモリを落として両手を使ってそのまま落下させることができるが、投入器に入れる場合は時間がかかってしまう。
回収時にツノのカンナを指で包むようにしてつかみ、反転しながらカンナを上にして投入器に入れるとスムーズにいく。
オマツリが多いときは、できるだけ遠くにオモリを投げるようにすることで防ぐことができる。
バリバリ乗るようなときは何をしてもある程度は乗せられるが、通常時は細かいことの繰り返しで大きな差が付く。
1杯を大切にして乗せていこう。
▲胴長30~40cmがアベレージ
出典:
INFORMATION
外房・勝浦川津港 不動丸
0470・73・5538
▼備考=予約乗合、集合時間は確認。
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隔週刊つり情報(2023年12月15号)※無断複製・転載禁止