秋には泳がせカンパチで沸いた外房小湊。
晩秋になって主役がシマアジに変わってきた。
釣り場は小湊沖の水深25m前後。
数こそのびないものの釣れれば1~1.5kg前後と良型がそろっており、ほかにもマダイやカンパチ、イサキなどが交じってくる。
例年シーズンは11月一杯くらいなので、早めの釣行をおすすめする。
なお、近年は房総半島のシマアジ釣り場が増えているが、中でも小湊は古くから知られるポイントの一つ。
ほかのエリアとは仕掛けや釣り方が変わってくるので、本編ではその勘どころを紹介しよう。
▲いい人で4~5枚釣ることも
出典:
大ダイのチャンスもあり!
小湊ではシマアジ狙いの仕掛けと釣り方でマダイも交じってくる。
多くは1kg前後だが、時には大ダイも食ってくるので侮れない。
10月25日にはお馴染みダイワ・フィールドテスターの福田豊起さんが6.5kgのマダイを上げている。
なんとも夢のあるフィールドだ
10月15日号では外房小湊のカンパチやシマアジを狙う青物五目を紹介。
当時はどちらかといえば泳がせ釣りでのカンパチ狙いが主体だったが、その後季節が進み、シマアジが主役になってきたという。
そこで今回は小湊の青物五目の続編として10月末に小湊寄浦港の小沢丸へ釣行してきた。
▲マダイは1kg前後が多い
出典:
外房のシマアジ仕掛けは長めが吉
小湊の青物五目は、まずはサビキでのアジ狙いからスタートする。
これは泳がせ釣りのエサとするほか、純粋にお土産として持ち帰ってもいい。
シマアジしか狙わない、というのであればサビキ釣りはやらなくてもいいが、11月は5時集合で5時半ごろ出船、コマセ釣りの投入開始は6時半からだから多少手持ち無沙汰になってしまう。
近場の水深8m前後でアジを釣ってから、時間になるとシマアジ狙いのポイントへ移動。
前回釣行時のメインポイントはカンパチの回遊に期待できる水深8~12m前後の浅場で、釣れるシマアジも小型が主体だったが、現在は水深25mほどの場所で、釣れるシマアジも1~1.5kg級を平均に3kg級交じりとサイズアップしている。
小型シマアジであれば仕掛けはハリス3~4号のウイリー仕掛けやイナダ仕掛けでよかったが、良型主体の現在は最低でもハリス5~6号は使いたい。
シマアジの仕掛けは各種あり、釣り場や季節、釣れるシマアジのサイズで使い分けるが、小湊では比較的長めの仕掛けが有効と船長。
短くても3m、船上が混雑しておらずオマツリも少ないようなら3.5~4mくらいに伸ばしてもいい。
シマアジ仕掛けは2~3本バリで、先バリはオキアミエサを付ける空バリ、上バリはウイリー巻きというのが一般的だが、良型はオキアミエサに食ってくる傾向が強いとのことだから、すべて空バリでも構わない。
ただしエサ取りも多いので、毎回エサを付けていると手返しも悪くなる。
状況に応じて使い分けるといいだろう。
タックルはシマアジ専用竿のほか、7:3調子のゲームロッドなどでいい。
リールは水深が浅いから手巻きの両軸で十分。
リールにはPE3~4号前後の道糸を巻いておく。
コマセカゴはFLまたはLサイズで、オモリは60号。
クッションゴムは使用ハリスの号数に適合する2~2.5mm径で30~50cmほどの短め。
テンビンとクッションが一体となったシマアジテンビンなどを使ってもいい。
シマアジ狙いのタナは底中心
シマアジポイントへ移動してからは、シマアジ、泳がせどちらをやってもいい。
ただし竿は一人1本までというルール。
状況を見て釣り分けてもいいし、どちらかの釣りに専念してもいい。
シマアジポイントとは言ったものの、同じ場所で色んな魚が釣れるのが外房小湊の特徴。
泳がせ釣りではカンパチは少なくなっているものの、ワラサやヒラマサなどが期待できる。
ちなみにこのところ大型のマダイも上がっているが、これはシマアジ仕掛けに食ってきているという。
釣り方もシマアジ狙いと同様でいい。
マダイ狙いなら長ハリスとも考えてしまうが、水深が浅いので効果的ではない。
むしろ周囲とオマツリしやすくなるのでNGだ。
というわけで、ここからはシマアジの釣り方を中心に説明しよう。
現在の小湊のシマアジは、底狙いが中心。まず仕掛けを投入したら着底するまで沈める。
糸フケを取って底ダチを確認したら、そこからすぐにコマセをまき始める。
50cm~1m刻みでコマセを振り出しながら、底上3~5mを探っていく。
これを2回ほど繰り返したら回収してコマセを詰め直し、再投入。
一般的にシマアジ釣りは指示ダナの範囲をコマセシャクリの要領で誘い上げ、シマアジに追わせて食わせるイメージ。
だが、小湊では海底付近を遊泳しているシマアジをコマセで寄せて食わせるイメージ。
なのでコマセの振り方はシュッシュッと細かくシャクるよりも、竿を大きくあおってフワッフワッとコマセを出していったほうがいいようだ。
ただし底付近を狙いすぎると根掛かりのリスクも高まるので注意したい。
なお、ある程度止めの間は入れたほうがいいが、基本的には置き竿で待つよりも誘っていたほうが食いはいい。
掛かったら慌てず巻き続ける
シマアジのアタリはどのようなものか。
船長によると、最初にブルブルッと震えるようなアタリがあってから、続いてギューンと竿が突っ込むという。
この、最初の小さなアタリで合わせないほうがいいと船長。いわゆる向こう合わせが船長のおすすめ。
人によっては最初の小さなアタリに合わせて上アゴの硬い部分にハリを掛けたほうがバレにくいという意見もあるが、この辺りは人それぞれだろう。
問題は、掛けてからのヤリトリ。
大型のシマアジはアタリの数ほど取り込めないことが多いと言われるのは、口切れやハリ外れでのバラシが多いから。
とにかく強引なヤリトリは禁物で、ドラグを効かせて慎重に巻き上げることが大切。
ちなみに今回、船長にドラグ調整してもらったが、手で引っ張って確認してみると、おおよそ2kg弱、コマセダイのときのような感触だった。
使用ハリスに対してはやや緩めの設定だから、最初にシマアジがハリ掛かりして暴れると、リールのハンドルを回しても道糸を巻き取れない。
しかし、ここで慌ててドラグを締め込んだり、竿で持ち上げるポンピングをしようとするのはNG。
落ち着いて竿を一定に構えながら、リールのハンドルを回し続ける。
底付近では根のほうへ走られて根ズレによるバラシのリスクもあるが、そこは運次第。
やがてシマアジの引きも弱まり少しずつ上がってくる。
取り込みはビシが海面下に見えたら巻き上げを止め、竿をキーパーに掛ける。
続いてハリスをたぐるが、このときハリスを緩めないように注意。
ヤリトリ中に広がったハリ穴からスポッと外れてしまうことがある。
うまくテンションをかけ続けてタモへ誘導しよう。
11月上旬現在、小湊のシマアジは一進一退の攻防が続いている。
10月中はいい日はトップで2~3尾釣れることもあったが、ちょうど釣行した数日前から潮が澄んでしまい(ほかのエリアはどちらかというと澄み潮のほうがいいことが多いようだが小湊は濁り潮のほうがいいとか)、食いが悪くなってきたという。
実は今回の取材は2日間行ったが、最初の日は船中1回もシマアジのアタリなし。
2日目も自分が釣った1.7kgが唯一の釣果で、ほかにシマアジらしきアタリが1回あっただけ。
とはいえ潮が濁ってくれば再びシマアジが口を使いそうな気配はあるし、11月一杯は期待できるだろうと船長。
良型シマアジを狙いたい人はぜひチャレンジしていただきたい。
▲泳がせ仕掛けにきたショゴ(小型のカンパチ)
出典:
INFORMATION
外房・小湊寄浦港 小沢丸
04・7095・2428
▼備考=予約乗合、5時集合
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隔週刊つり情報(2023年12月1号)※無断複製・転載禁止