キハダでにぎわう相模湾小田原早川港だが、周年の定番ターゲットはイカ。
今シーズンは9月中旬過ぎから本格的にヤリイカが釣れ始めており、徐々に調子が上向いている。
目下の釣り場は真鶴沖が中心で、水深は130~200m前後。
数はトップで20杯前後といったところだが、初期ならではの肉厚ヤリイカがそろう。
今号発売時には初島周りも解禁、釣り場が広がりより安定した釣果が期待できるようになるだろう。
▲いい群れに当たると多点掛けで乗ってくる
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この時期「オダモン」と呼ばれる大型のキハダマグロで注目を集める相模湾小田原沖。
お膝元の小田原早川港は、私が沖釣りを始めたウン十年前、足繁く通った港でもある。
今回その早川港からの出船の機会を得て向かった先は長谷川丸。
狙い物はヤリイカだ。
▲初期ならではの中小型主体
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全員型を見た
長谷川丸は小田原周辺のイカや根魚釣りなどを得意とする船宿。
朝、港で船長にあいさつすると「別に取っておいたわけじゃあないけど、左舷のトモが空いてるからそこに入ってよ」とのお言葉。
右舷は八王子の菅野さんたちグループ4名が並び、左舷はミヨシから常連さんが2人並んで席を取っているようだ。
「こんな特等席に申し訳ない」と言いつつもちろん遠慮なく座らせていただく。
船は定刻6時に港を出ると右手に舵を切って釣り場の真鶴沖を目指す。
「8月中にもスルメイカに交じってヤリイカも顔を出してはいたけど、本格的にヤリイカ狙いになったのは9月中旬からですね。瀬ノ海もそこそこ乗るんだけどサメが多いんですよ」と船長。
そんなわけでこのところ真鶴沖が主戦場となっているようだ。
場所に到着し、しばらく反応探しのクルージングの後、「ハイいいですよ~。水深130m。底中心ですよ」のアナウンスで一斉にオモリが投げ入れられた。
釣り場は真鶴半島の先端三ツ石の沖合辺りでロケーションは抜群だ。
しかし1投目は全員空振り。
2投目はやや深くなり160mダチをやるがここも空振り。
3投目はもっと深くなって「おいおい200超えたよ」「220で着いた」と声が上がる。
しかも途中までは真っすぐ下りていく道糸が途中からはトモ寄りに真横になる勢いで出ていく。
いわゆる二枚潮で、オマツリも何カ所かで発生した。
船長は速潮エリアを避けるようにやや南寄りへと小移動。
ほんの半マイルくらいしか離れていないと思うのだが、「ここは比較的潮がよさそう」と船長。
そしてここで待望のヤリイカが乗る。
右舷胴の間氏が口火を切ると右舷トモ、ミヨシと続く。
バリバリとはいかないが、誘いシャクリと巻き落としをしっかり繰り返しているとポツポツと乗ってくる感じ。
型は割とよく胴長20~25cm級がほとんどだ。
この流しでは全員が型を見て、2~3点掛けした方も複数人いた。
この後もヤリイカはまずまずの乗りっぷりで撮影も順調。
9時前からは私も竿を出させてもらえた。
そして日ごろの行いのせいか、1投目から着乗りだ。
オモリ着底後ゆっくりと糸フケを取っていると早くも竿先にクンクン!と割とハッキリしたアタリ。
そのまま竿を持ち上げながら電動リールのスイッチオンで巻き上げを開始すると、うれしやけっこうな重量感が伝わる。
仕掛けをたぐっていくと一番上のツノにはゲソのオツマミ。
あちゃあ~やっちまったか。
だが、下を覗くとボンヤリ白い影。
まだもう1杯乗ってると気を取り直して仕掛けをたぐるが、これがなんと反対舷の方の道糸とオマツリしていて、あと1mというところでポロリ。
ヤリイカはシュッと元気よく海の底へと帰っていった。
▲プックリしていて見るからにおいしそう
出典:
Tackle Guide
ひと口にフロロカーボンハリスといっても製品によって特徴がある。
ヤリイカの仕掛けでは強度、しなやかさよりも張りのあるタイプがいい。
仕掛けがさばきやすく手前マツリも少なくなるからだ。また「魚は(イカも?)縦糸を見る」という漁師さんもいて、屈折率が水に近く透明度の高い糸がよりよい選択だ。
サバ外しが大活躍
しかしこの日は運が強かった。
次投でも竿先にクンクン!と分かりやすいアタリが出て巻き上げ開始。
今度もゲソのオツマミ付きで「なんだかなー」ではあったが、しっかりと胴長25cmの良型をキャッチできた。
しばらくしてもう1杯同級が釣れて、よ~し!このままいけば……だったのだが、そう思った瞬間にパッタリと乗らなくなるのはよくある話。
船長はリールのカウンターで200mから160mくらいまでのカケ上がりをていねいに流してくれるのだがアタリは遠い。
そしてこのまったりタイムは2時間近くも続いた。
ちょっとくたびれてきたのもあって早お昼にしようか?なんて思っていると久びさに乗った。
チビヤリなのか竿先がわずかにモタレただけで、クンクンという明確な引きは伝わらない。
でも誘い上げた竿先は止めても跳ね戻らず曲がり込んだままなので乗ってはいるはず。
200m近くもの空巻きは嫌だが巻き上げを開始した。
途中150mを切った辺りでクンクン!と初めて生体反応を感じられて一安心。
上から2番目の淡いブルーと下から3番目の若草ボディに赤白の糸を巻いたツノに胴長12~13cmのチビヤリが乗っていた。
赤白の糸巻きヅノは定番だが、暇に飽かして自分で巻いたツノ。
市販品よりも何割増しかでうれしいものだ。
時合が訪れたのか周りでもヤリイカが上がり出したが、ここで邪魔者のサバも姿を現す。
仕掛けを途中で止めるようなことはないが、着底後即乗りならぬ即掛かりもあって閉口する。
もっとデカければ何尾か持って帰ろうかとなるのだが、ヒョロっこい30cm足らずのサバではその気も起こらない。
10月15日号でも紹介したサバ外しパイプが大活躍の一日だった。
この後もヤリイカも乗るがサバも掛かる、の展開が続いた。
巻き上げ途中サバに振り落とされることもありアタリの割には数がのびないが、まったりタイムに比べればまだましだ。
この状態は沖揚がりの14時まで続き、釣果は一人10~17杯。
右トモの菅野さんと左ミヨシの常連さんが竿頭タイだった。
小田原早川港出船のヤリイカ釣りは、10月21日から初島沖も解禁となるから、瀬ノ海、真鶴沖、初島沖と釣り場の選択範囲が広がり、より安定した釣果が望めるようになると思う。
オダモンだけでなく初期の身厚で柔らかなヤリイカを狙うにも小田原早川港は要注目エリアだ。
▲1本のツノに2杯乗ってきた
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▲周年イカ一筋の人も多い
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船宿information
相模湾小田原早川港 長谷川丸
0465・23・1295
備考=予約乗合、6時出船。
ほか希望でイナダ五目、アマダイ、根魚、キハダなどへも
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隔週刊つり情報(2023年11月15号)※無断複製・転載禁止