相模湾では秋~春にかけての大人気ターゲット、アマダイがシーズンインした。
開始から好調の報が聞かれ、取材した相模湾腰越港の多希志丸では40cmオーバー交じりでトップ10尾超えも珍しくない状況だ。
ポイントは港から航程20分前後の江ノ島沖メインで、目下のところ水深は60~70m前後と比較的浅場を狙っている。
取材日は濁り潮から澄み潮に変わり好条件に。
潮がトロトロ流れると食いが活発化し、中にはアマダイを8連チャンで釣り上げる人も。
最大は40cmジャストだったが、中型サイズが目立った。
オキアミエサのみのシンプルな釣りながら、食いダナを探して誘ってアタリを出していく奥の深い釣りでハマる人も多い。
鈴木雅則船長によれば、魚影も例年並みにはありそうとのことで今シーズンも大いに期待したい。
30cmクラスがレギュラーサイズだった
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オモリと道糸の号数は?
オモリは60号と80号を用意していこう
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多希志丸のアマダイはとくに「ライト」の記述はなく、オモリは60~80号を使用する。
水深80mほどまでは60号、それ以上深い場合は80号使用となる。
鈴木船長によれば、ライトをうたっているわけではないが、道糸はPE2号以下の使用が望ましいという。
つまり、ライトゲームロッドと超小型電動リールの組み合わせ、ライトアマダイのタックルで狙うことが可能だ。
例年、相模湾のアマダイは東京湾口部のアマダイと同様に8月下旬~9月初旬ごろにスタートする船が多い。
その後、翌年3~4月ごろまでが釣期とロングランで楽しめるターゲットだ。
アマダイ釣りの魅力はまずなんと言ってもその引き味にある。
とぼけた顔からは想像できないような鋭い引きは、40cmオーバーにもなれば想像以上の強烈さ。
釣り座に関係なく釣る人は釣って、釣れない人は釣れない。
釣れるタナとパターンを一度つかんでしまえば、ビックリするほど大連チャンヒットなんていうこともあり、そのゲーム性の高さも人気の理由だろう。
そして最後はその味。
淡白ながら甘みの強いその身は、昆布締めから酒蒸し、煮ても揚げても何にしても極上の味わいだ。
そんなアマダイだが、相模湾では開幕からトップ10尾前後で推移しており順調な幕開けを切った。
水深は60~70m前後とやや浅めのポイントが主戦場になっている。
昨年はシーズン開幕当初は高水温のため水深100m前後を狙うことが多かったが、今年のほうが浅く底潮の水温が低い可能性も。
表面水温は依然として30度を超えることが多いが、底潮は適水温に近づいてきているため食いがいいのかもしれない。
なお、ここでいうアマダイとはアカアマダイのことを指すが、浅場のポイントではシロアマダイが交じることもある。
藤沢市の小泉さんは開始早々に40cmの良型を上げた
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オモリは60号と80号を使い分ける
今回取材した腰越港の多希志丸での指定オモリは60~80号。
このオモリを使用するなら、ライトゲームロッドで十分に対応できる。
全長2m前後、オモリ負荷表示30~80号、7:3調子のライトゲームロッドが扱いやすい。
当日はショートロッドが好きな人は全長1.6mほど、長めの竿が好きな人は全長2.4mのゲームロッドを使用していた。
手持ちでガンガン誘うなら8:2調子とやや硬めでもいいし、逆に置き竿メインで狙うなら6:4調子の軟らかめの竿を選んでもいいだろう。
リールは小型電動または超小型電動が便利。
道糸はPE2号以下を200mは巻いておく。
小型両軸リールでも対応できるが、その場合も道糸は200mは巻いておきたい。
オモリは水深によって使い分けるので、60号と80号を持参しよう。
仕掛けは全長2m、2本バリが標準。
小型親子クレンサルカンで枝スを出すスタイルだ。
ハリスはフロロ3~4号。
ハリは丸カイズ、アマダイバリの12~13号、チヌバリの3~4号を使用する。
いずれの場合もオキアミエサが外れにくいケン付きバリがおすすめ。
丸カイズ、アマダイバリは軸が長くハリを飲み込まれにくく、チヌバリは軽量なことが利点。
仕掛けのハリ数は3本にすると食いダナを把握しやすいが、絡むようなら2本バリのほうが扱いやすい。
常に誘いをかけ続けるような釣り方をする場合は、仕掛けの全長を1.8m程度と短くするのもいいだろう。
また、仕掛けが浮き上がる場合は2B程度のガン玉を打つ。
ガン玉セットを持参しておくと便利。
ハリはフグなどに切られることも多く、その場で結ぶかハリスに結んだものを用意しておきその都度交換する。
タナは1mを基準に調整を
付けエサはオキアミ。
尾羽根を切ってていねいに真っすぐ付ける。
コマセのない付けエサのみの釣りなので、エサ付けは重要だ。
真っすぐ付いていない場合は、落下中に仕掛けがクルクル回ってしまいエサが取れる可能性も高くなり、さらに仕掛けがヨレて食いが悪くなってしまう。
もし、投入時にクルクル回って落ちていくのが見えたら面倒がらずにエサを付け直してから投入しよう。
こんなところでも釣果に差が出るものだ。
◆タナ取りとタナ調整
オモリが着底したら糸フケを取り、道糸が垂直になった所から1m上げる。
これが基準のタナで、潮の流れや食ってくる魚によって上下に調整していく。
タナの調整は釣れてくる魚によっても判断できる。
全長2mの仕掛けを使用していてタナを1mに設定した場合、まったく潮の流れがなければ先バリの付けエサは海底に着いていると推測できる。
ここで先バリ、枝バリともにトラギスやガンゾウビラメなどの底生魚が食う場合はタナが低いと判断できる。
また、ハリやエサに海底の泥が付いている場合もタナが低いと判断し、少し上げてみよう。
逆にそのタナでキダイやサバなどが掛かってくる場合は、タナが高いと判断して下げてやる。
また、ほぼ底に着くようなタナ設定をしているのにこれらの魚が掛かる場合は、潮が速く仕掛けが吹け上がっている可能性がある。
こんなときにはガン玉で仕掛けを重くして浮き上がるのを抑えてやる。
アマダイが食うタナはその中間が多いが、浮き気味のときもあればベタ底のこともある。
それはその日、その時どきによって変わってくるので、いち早く食いダナを見つけるのが重要だ。
アタリを出すにはこのタナ設定に加えて誘いが重要になってくる。
誘いとタナ調整の組み合わせでアタリの出方に大きな差が出てくる。
ある人が「食うパターン」を見つけるとその人ばかり食うことも多く、その答えを自ら導き出すのがこの釣りの最大の面白さと言えるだろう。
◆3つの誘い
①小づきの誘い
最も一般的な誘い方で、オモリが着底したら糸フケを取り、オモリで海底を5~6回ほどトントンとたたくように竿を操作してやる。
砂泥の海底をオモリがたたくことで砂煙を上げてアマダイを寄せる効果があると言われている。
たたいた後は1mほどゆっくりと竿を持ち上げて、砂煙の中からエサがフワリと浮き上がっていく動きを演出してやる。
その次にさらに竿を持ち上げて2mまで誘ってみる。
誘い上げた後はゆっくりと戻していき、エサが落ちていく動きで誘う。
アタリがなければ底を取り直して同じ動作を繰り返す。
②通常の誘い
小づきを入れずに竿の動きでエサを上下させて誘う。
竿の動きは大きく持ち上げるようにする場合や、付けエサがピンピンと跳ねる様を演出するなど色いろなパターンを試してみよう。
1mのタナで数回繰り返してアタリがなければ、少し下げて(上げて)再び誘いを入れてアタリがあるタナを探していく。
アタリがなければ底を取り直して再び誘う。
③置き竿での大型狙い
誘いが重要な釣りだが、大型はなぜか置き竿に食ってくることが多い。
もちろん、これは置きっぱなしにするのではなく、置き竿プラス誘いを入れることでより効果が出る。
置き竿にしてタナは50cmほどと若干低めに設定する。
5秒に1回程度エサが跳ねるようなイメージで置き竿にしてある竿を持ち上げ小さいシャクリを入れる。
これを何度か繰り返したら底を取り直す。
いずれの場合でもアタリがあったら、竿をゆっくり持ち上げるイメージで合わせてやる。
アマダイの場合は最初のアタリから重量感が伝わってくることが多い。
アマダイは居食いしていることも多く、モタレやただ重量感を感じたときはゆっくりと聞き合わせをしてやる。
ハリ掛かりした後は、ギューンと鋭い引きに変わるのでアマダイだと判断できる。
重量感があり引きが強烈に感じたら、いきなり電動で巻き上げずに、手巻きである程度まで巻いて大きさを確認しよう。
40cmオーバーになると明らかに引きが変わり、50cmクラスになるとハリスを切られることもある。
とくに電動巻き上げ中に多いので、まずは手で巻いてみるのをおすすめする。
アマダイは最初はマダイを思わせるような鋭い引きを数回見せ、中間層でガンガン、海面近くでもガンガンとたたくような引きを見せることが多い。
この最後の引きを感じたら、ニヤリとしてもいいだろう。
プルプル、ブルブルなど小刻みなアタリの場合は、トラギスなどのエサ取り魚の可能性が高い。
こんなときはあえて合わせずに、もう一つのエサで勝負することを考えよう。
2本バリの場合、2つのエサで勝負すると考える。
1回アタリがあってもまだもう1つある。
だが、2回アタリがあって掛からなかったときはエサがないと判断して回収して再投入しよう。
アタリを増やすためには、いかにエサの付いた仕掛けが海中にある時間を増やすか。
このため、小さいアタリも見逃さずに集中してやろう。
魚が掛かった後は必ずハリスのチモトをチェックして、ザラついていたり傷ついていたらすぐに交換しよう。
小型のエサ取り魚が掛かった後でも意外に傷が付いているもの。
このクセを付けることで、不意の大物がきてもハリス切れを防ぐことがきる。
まだまだ厳しい残暑が続くので、引き続き暑さ対策、熱中症対策を怠らずに楽しもう。
NOTE 釣ったらすぐにクーラーへ
「35度くらいになってるときもあるよ」と船長が言うように、このあたりの海水温は依然としてかなり高め。
船上は海水循環で常に海水が流れているが、この水温だと釣った魚をオケに入れてもすぐに弱ってしまう。
そのままにしておくと傷むだけなので、釣ったらすぐに冷え冷えのクーラーにしまっていこう。
表面水温は当分高そうとのこと。
この時点で3連チャンだったが、その後、船長もビックリの8連チャン!
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一時、イトヨリが連続ヒット。こちらはうれしいゲストだ
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この日は少なかったが定番ゲストのキダイ
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船宿information
相模湾腰越港 多希志丸
0467・32・4421
▼備考=予約乗合、6時出船。ほかカワハギへも。
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隔週刊つり情報(2023年10月1号)※無断複製・転載禁止