一つテンヤ発祥の地、外房大原でも夏は浅場で小型が数釣れる好期。
水深10mを切るような浅場も狙うからテンヤは3~5号と軽くても底を取ることができる。
釣れるマダイは400~800g前後の小型主体ながらアタリは明確だし、引き味も増して一つテンヤのダイレクトな引きを心ゆくまで堪能できる。
大原港の新幸丸で取材した7月中旬は大原~岩船沖の水深5~18mを狙い、一人6~10枚とまずまず。
迎える8月はトップで20枚以上も期待できるようになる。
当日の釣り場は大原~岩船沖の水深5~18m
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ダイソーのテンヤはコスパ最強!?
取材日の釣り場は岩船沖。
海底は岩礁帯でカジメなどの海藻も多く、根掛かり多発でテンヤのロストも頻発した。
痛い出費だが若船長より「ダイソーのテンヤでも十分に使えますよ」との耳寄り情報を仕入れた。
「孫バリ周りが強度的にどうかな?って感じだけど1.5kgまでは実績あります(笑)」とのこと。
さっそく帰宅後ダイソーへ。
確かに孫ハリスはチープだが(替えればベター)なんせ110円、
次回からはもっと攻撃的に海底周辺を攻められるかも?
ラインアップは4、6、8、10号、カラーは赤金とオレンジ
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一年中テンヤマダイ一筋、一つテンヤの老舗・外房大原港の新幸丸では、今シーズンは多少の釣果の波はあるもののいい日にはトップ40枚とマダイ釣りらしからぬ釣果をたたき出している。
「今年も例年どおりかな。9月ごろまでは浅場で数が釣れますよ。浅いから初心者でも底が取れないなんてことはないし、アタリが多いから楽しめると思います。いま来ないでいつ来るの?って感じです」と山口新一船長。
釣り場は大きく分けて太東沖、大原沖、岩船沖とあり、その時どきで狙い分けている。
取材日は、「少し前までは大原沖をやってたんだけど、釣果が一段落したんで色いろ探って数日前からはここ」と新一船長が言うように、岩船沖の水深5~15mが釣り場だった。
この時期はほかの釣り場もだいたい同じような水深で浅場狙いのようだ。
釣果はトップ40枚は別格としても20枚以上は頻繁に出ている。
食い渋る日もあるようだが平均するとトップ10枚の釣果は望めそうだ。
型は夏場は小型中心で300~800g級。
タイ飯や家庭用グリルでの尾頭付き塩焼きにちょうどいいサイズで、もちろん刺身でもいける。
新幸丸では各釣り座にスケールが置いてあり、20cm以下は放流のルールとなっている(釣果に放流数は含まない)ので従おう。
アベレージは500g前後
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タックルは専用竿とドラグ性能の優れた小型スピニング
タックルは一年を通して同じでも構わないが、できれば竿は専用の中でも軟らかめが軽いテンヤを扱いやすく、小型のタイでも釣り味よく楽しめる。
リールはPE0.8号が200m巻ける小型スピニング。
夏場は小型の数釣りになることが多いのでそれほどこだわる必要もないが、周年使うことを考えると予算の許す限りドラグ性能に優れた製品を選びたい。
道糸の先端に結ぶリーダーはフロロカーボン2.5号。
「浅いから長さは3mあれば十分だよ」と新一船長。
テンヤは2~5号。
この釣りは底が取れてなんぼなので、ビギナーは5号から始めて底が取れるようなら徐々に号数を落とすとよいだろう。
テンヤのカラーについて新一船長に聞くと、「確かに日によって当たりカラーはありますね。色いろ持ってきて試してみるのもこの釣りの楽しみの一つでは」とのこと。
ちなみに当日は朝のうちは夜光、日が高くなってからは赤系に反応がいいように感じた。
なお、目下の釣り場である岩船沖は根が荒く、テンヤのロストが多いから予備は10個以上用意したい。
リーダーとテンヤの接続は、「テンヤにヨリモドシが付いているタイプなら直結びでいいけど、ヨリモドシがないタイプならスナップ付きサルカンを使って接続すると、糸にヨリが入らなくていいですよ」とは息子の大地船長。
細糸で大ダイと対峙するこの釣り、夏場とはいえ一発大ダイの可能性もあるエリアなので、ドラグ調整は欠かせない。
PE0.8号+リーダー2.5号なら1kgにドラグ設定する。
コンビニ袋に1Lのペットボトルや牛乳パックを入れ、それをラインと接続して持ち上げ、床から浮くか浮かないかのときにドラグが滑り出るように調整すれば1kgだ。
このときリールは竿に取り付け、ラインはすべてのガイドに通してから、つまり釣りを行う状態で調整することが重要というか必須だ。
キャストすると根掛かり必至 船下に投入し着底したら素早く巻いて底を切る
釣り方の第一歩はエサ付け。
冷凍エビの尾羽根をハサミで切り、まずは孫バリを胴体の付け根付近から刺し込み頭部へ抜く。
孫バリは頭部分が抜け落ちないようにするのがメインの目的だから、ハリ先はエビの口付近に出してもいいし、頭部横の殻に出してもいい。
次に尾羽根の切り口から親バリを刺し入れ、胴体の3節目あたりでハリ先を出す。
あまり深くハリを通すと、エビが曲がり海中で回ってしまうのでNG。
エビは真っすぐになるよう装餌するのが肝心だ。
水深の浅い釣り場ではキャストして広く探るのが基本だが、岩船沖は根が荒いのでキャストすると根掛かりする。
テンヤは船下に落とし込み、着底したらすぐに糸フケを取り1m底を切ること。
その位置でアタリを待ち、アタリがなければ竿をシャクリ上げ、そのあとゆっくり落とし込んでいく。
1~2分待ってアタリがなければ、一度巻き上げてエサのチェックをし、再度テンヤを入れ直す。
アタリがなければ巻き上げずに再度底ダチから取り直したくなるが、それをすると根掛かり率がアップしてしまう。
根周りゆえベラやフグなどエサ取りも多く、けっこうエサをかじられていたりするので、早い手返しで何度も仕掛けを入れ直すのが、目下の大原一つテンヤ釣りのキモと言える。
大地船長は、ビギナーの方には「30秒待ってアタリがなければ一度巻いて」と言っているそうだ。
この釣り方、根掛かり回避のためだけでなく、仕掛けを入れ直すことでどんどん新しい場所を探っていく、といった攻めの釣り方でもある。
けっこう忙しい釣りになるが、なにせ水深10m前後と浅いからまったく苦にはならない。
アタリは仕掛けが着底して底を切った直後、誘いを入れてテンヤが落ち着いた直後に出ることが多い。
ここ数年夏場はとくにフォール中のアタリは少ないとのことだ。
アタリはカツカツッ!とかコン!という具合に出る。
どんなアタリでもしっかりと合わせていくこと。
「カツカツッ!なんてアタリがハッキリ出るのは小さいタイのことが多い。大きいヤツほどアタリは小さいです。でも、ビギナーほどその小さなアタリをあれ?って見逃しちゃうことが多いんです」と新一船長。
どんな小さなアタリでも、アタリといえないような違和感でも、怪しいと思ったら即合わせ。
「疑わしきは合わせる」がこの釣りの基本だ。
なお、大きなテンヤバリを硬いタイの口に貫通させるべく、合わせは鋭くしっかりと行うこと。
この釣りに関しては合わせに遠慮は無用だ。
7月中旬、まだ梅雨明け前というのにうだるような暑い日が続く。
そんな陽気の中でも好調な釣り物は多く、外房大原の一つテンヤマダイもその一つ。
トップ20枚オーバーの日も多いというのだから驚きで、さっそくその情報の発信元である外房大原港の新幸丸へ向かった。
連日の猛暑に恐れをなしたか、好釣果続きの割にこの日は私を入れて3名と少々寂しい人数での出船となった。
港を出た船は針路を右に取って南下、30分ほど走って釣り場の岩船沖に到着。
「水深11m」のアナウンスで船を風にうたせ横流しでの釣りを開始した。
カメラを首からぶら下げ様子を伺っていると、アタリは活発にあるようでお二人とも頻繁に竿を跳ね上げ合わせている。
何度か繰り返すうちにまずはミヨシ、続いてトモと竿が曲がり500g級のマダイが釣れ上がった。
落とすたびにアタリがあるようだが、エサ取りも多いのか、なかなかオケの中にマダイは増えていかない。
そしてアタリと同様に根掛かりも多いようで、テンヤのロストも多そうだ。
夏の大原は数釣りのチャンス。トップ10枚は当たり前、20枚オーバーの日も多い
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赤くて長い魚が登場
1時間半ほどして私も竿を出す。
エサ取りだったのか二度ほどアタリに空振るが、次のアタリには三度目の正直とばかりに合わせが決まり600g級の初顔を見ると、次の投入でもタナを切ってすぐにコツン!これもビシッ!と合わせが決まって500g級を抜き上げた。
どちらもマダイとしては小型の部類だが、浅場のタイは元気一杯でゴンゴンゴン!とタイ独特の引きで、途中リールを巻く手を止められるほどだ。
朝一に比べマダイのアタリが増えてきて、何枚か追加したあとのこと、シャクったあとのフォール中に道糸が不規則に揺れた。クッ!と竿先に重みが加わったところで合わせるとガツン!とハリに掛かる。
なんか重おもしいけど、タイのような引き込みはなく、なんだなんだと巻いてくると海面下には赤くて長い魚。
久しぶりにアカヤガラを釣った。
なんともユニークな姿形だが、とてもおいしい高級魚。
もちろん大切にクーラーに入れた。
ちょっと仕舞いづらかったけど……。
ほぼ落とすたびにアタリがあり、釣果も順調にのびて楽しいのなんの。
だが根掛かりが多いのには閉口する。
投入直後の着乗りならぬ着掛かりの二連発もあったくらいで、もっと底をタイトに攻めれば釣果ものびそうだったが、テンヤのロストが怖くて底上1m以上の釣りに終始。
キャストして広く探るという浅場の釣りの定石ももちろん試す勇気はなかった。
船長は流し変えのたびに筋を変えるが、どこも水深10m前後。
時には水深4mなんてこともあった。
そうこうしているうちに8時を過ぎると南寄りの風が強くなり、パラシュートアンカーを打つ。
船が流れるスピードが落ちて釣りやすくなった。
テンヤを軽くしても底ダチは取りやすくなり、根に当たった感触も伝わりやすくなって根掛かりによるテンヤロストも大分減った。
9時半ごろまでは食いがよかったマダイも日が高くなるとアタリが遠のく。
「ここ数日このパターンなんですよ。朝一っていうよりも朝しばらくしてからバタバタッと釣れ盛って、日が高くなると食いが落ちる。逆のパターンの日もあるんですけどね」と大地船長。
この後も時折船中連発する場面もあったが、朝のような高活性には戻らず、ポツポツと拾い釣りで11時に沖揚がり。
釣果は300~800gを一人6~10枚。
ゲストはアカヤガラ、イサキ、アジ。
根の荒い場所の割にゲストは少なめだが、日によってはマハタやカサゴも交じるらしい。
まあゲストは少なくとも本命のアタリがこれだけ多ければ全く問題ないですけどね。
大原の一つテンヤマダイは今年の夏も絶好調。
夏休みの釣りプランにおすすめですよ。
エビエサでイサキも釣れた
出典:
良型のアジが顔を見せた
出典:
船宿information
外房大原港 新幸丸
0470・62・1500
備考=予約乗合。午前船4時集合、午後船11時半集合
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隔週刊つり情報(2023年8月15号)※無断複製・転載禁止