福島県四倉のヒラメは大型が釣れることで知られるが、今年は例年よりやや早めにスタート。
釣り場は航程10分ほどの港前から1時間ほどの富岡沖にかけて点在する魚礁周りで、水深35~45m前後。
当地のヒラメ釣りの特徴はなんといってもサイズのよさと魚影の濃さ。
アベレージで3~4kg、8~10kgといった特大サイズも珍しくなく、当日も6~7kg級が連発、船中14
名で40枚のヒラメが上がった。
また、ルアー(スロージギング)釣りも盛んで、当日のトップはルアーで13枚とダントツの釣果。
開幕当初はルアー優勢の傾向にあるが、これから群れが入ってくるにつれ、エサ釣り優勢の傾向になっていくとのこと。
四倉沖の大判ビラメは年内一杯まで楽しめるが、トップシーズンは9~10月。
昨シーズンはエサ釣りでトップ30枚という驚異的な釣果もたたき出されている。
例年8月ごろより本格スタートする福島県四倉沖のヒラメ釣りだが、今年は早い時期から水温が上昇し、6月に入ったころから釣れ始めた。
常磐道を北上したのは7月16日。
集合時間の4時に四倉港。
弘明丸の船着き場に到着すると、本誌レポーターの黒田さんを含め当日の乗船者12名がすでに集まっていた。
(左)小さくても2~3kgはある(右)5kgと6kgを2枚ゲット
出典:
大判狙いの仕掛け&エサ
仕掛けは一般的な親孫式の胴つき1本バリだが、サイズがいいのでハリスは最低8号以上を推奨。
またヒラメ釣りではエサに生きたイワシを使うのが一般的だが、当地では冷凍もしくは生のイワシ、いわゆるデッドベイトを使う。
(左)付け方は生きイワシの場合と同じでいい(右)仕掛けはハリス8号以上を
出典:
知っ得!デッドベイトでのヒラメの釣り方
船宿に事前に予約しておけば冷凍マイワシ(1袋10匹入り500円)を用意してくれるが、可能であれば釣行前日に鮮魚店で20cm前後の新鮮なマイワシを購入(一日分として最低20匹)して持参した。
釣り方はヒラメの活性が高ければ置き竿にしているだけでも食ってくるが、基本はヒラメにアピールするようにエサを動かすことだ。
着底したら根掛かりを避けるべくすぐさま1m底を切る。
エサが馴染んだところでゆっくり1m誘い上げ、2~3秒間を取ったところで再び1m誘い上げる。
3~4m誘い上げたところで今度はサミングしながら底まで仕掛けを落とし込み(ヒラメは落ちてくるエサに反応するのでこのときにアタることが多い)、再び誘い上げる。
底は魚礁なので水深の変化もあり根掛かりも多いが、誘いの動作は底ダチの取り直しも兼ねるので根掛かりも軽減できる。
アタリの出方は大半がいきなりガツガツガツと大きく竿を絞り込んでくる。
生きエサと違い死にエサの場合は飲み込みが早いので、一呼吸置いたくらいのタイミングで竿全体を引き上げるように合わせを入れればよい。
魚が掛かったら魚礁に潜られないよう最初の5mくらいまでは強気で底から離すこと。
ポンピングはヒラメを驚かせ暴れさせてしまうだけ、底から離れたあとは一定の速度で巻き上げてくればヒラメはおとなしく上がってくる。
大型イシガレイも
準備の合間に前日の釣況を若船長の文紀さんに伺うと、「スロジギ10名でトップ6枚でしたが、初めての人も数人いたので船中30枚くらいでした」とのこと。
当地ではスロージギングでのヒラメ狙いも人気が高く、当日も2名がスロジギでのチャレンジだった。
5時前に出船となり、水平線に昇る朝日を望みながら北上。
この海域には100基以上もの魚礁が設置されており、当日は航程30分ほどの広野沖辺りの各魚礁をリサーチするとのことだ。
「ハイッ、いいですよ。魚礁なので根掛かりに気を付けて」水深は40m。
仕掛けが着底するや否や、早々にヒラメからのシグナルをとらえたのはスロジギでチャレンジしていた左舷大ドモの星さん。
目測2.5kgがタモ取りされる。
10分ほどすると私の隣席の丸山さんの竿がズドンッと海中に突き刺さる。
「魚礁に潜られっから、5mくらいは強気で巻いて底を離すんだよ!」と船長から檄が飛ぶ。
若船長のタモ取りで無事キャッチされたのは5kgの大判サイズ。
右舷でも歓声が上がった。
釣り上げたのは二田さんの奥様、多佳子さん。
「重い~!でもうれしい!!」と5kg超サイズを見せつけてくれた。
旦那さんも追撃。
スロジギタックルにチェンジして、すぐさまヒット。
強い引きで右へ左へと走り回るも、ベテランのヤリトリには敵わず5kgのワラサが御用となった。
右舷大ドモの佐藤さんは定番ゲストのソイをキャッチ。
ソイ類の魚影も濃く、当日も1人3~5尾上がった。
時折メバルも掛かるが、サビキ仕掛けで狙えば短時間で20~30尾は釣れるのでヒラメ釣りの合間に狙っても面白い。
最近では珍しい大型のイシガレイも上がったが、大羽イワシに食い付いてくるとは驚きだ。
▲スロージギングで上がった3.5kg
出典:
Tackle Guide
3~4kg級がアベレージサイズなのでハリスは8~10号を推奨。
ハリもイセアマ15号、トリプルフックも5号と一般的なヒラメ仕掛けよりワンランク太め、大きめのスペックがベストバランスだ。
4~5kg級が連発
右舷ミヨシの黒田さんの弟さんの竿にもヒット。
オマツリにヒヤッとしたが、若船長のアシストで無事キャッチ。
「4kgくらいかなぁ」と控えめな目測だったが、実測してみると5.5kgを振り切った。
右舷トモ2番の木村さんはここまでソイのアタリに騙され続けていたが、今度は本命っぽい引き。
その引きを見て船長も操舵室から出てきて大タモを構える。
見えてきた魚影はこれまたデカい!
無事キャッチされたヒラメは堂々の6kgだ。
さて、出し抜きを目論んで生きアジを調達してきたつり情報コンビは?いまだ型見ず。
船長からも、「おいっ!早く釣れよ!」と冷やかしを浴びせられる。
ガツガツ!やっときたアタリにバレるなよと、このときばかりは祈るような気持だった。
ようやくキャッチできた1枚目は2kg弱サイズ。
何はともあれオデコを免れて一安心。
片眼が開けば明かりが見えるもので、次の流しでは先ほどよりも強い手応えで2枚目となる3.5kgをキャッチ。
ズドンッ!またもやお隣丸山さんの竿が海中に突っ込む。
朝方ヒットした5kg級の引きとは比べ物にならないくらい強く、竿を握っているのが精一杯の様相。
引きからしておそらくイシナギだろう。
しかし残念、魚礁に入られてしまったようで10号のハリスがブレイク。
そして最後の流し。
「今度こそ本物だぞ!」と声を上げたのは黒田さん。
「有終の美を飾れよ!」と船長からも檄が飛ぶ。
「ふぅ、ヤバかったー」3kgサイズだが、無事タモに入ったと同時に黒田さんの表情も一気に緩んだ。
11時の沖揚がりで釣果は2kg弱~6kg級(ほとんどが4~5kg)を0~4枚、スロジギ2名は4枚ずつ。
驚愕したのは仲乗りを務めながら舳先でスロジギタックルを操っていた若船長。
7kgを頭に13枚ものヒラメを釣り上げていた。
四倉沖のヒラメ釣りは年内一杯楽しめる。
数のみならずヒットすれば3~4kgは当たり前。
夢の10kgオーバーを狙って四倉に釣行してみてはいかがですか。
(左)5kgあると重くて持ち上がらない!(中央)本誌レポーターの黒田さんにも3kg級(右)スロージギングでは5kgのワラサもヒットした
出典:
船宿information
福島県四倉港 弘明丸
090・8253・0236
備考=基本的にエサ、仕掛け、タックルは各自持参(予約時に確認)。
テンヤマダイ、タイラバも受付。
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隔週刊つり情報(2023年8月15号)※無断複製・転載禁止