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大洗のカットウフグは大型が狙えるトップシーズン

隔週刊つり情報編集部

初夏はショウサイフグの好シーズン。

茨城県海域でものこの時期を狙って乗合船を出す船宿が多く、今回取材した大洗港の大栄丸もその一軒。

釣り場は大竹沖の水深28m前後。

数は日によりムラはあるが、型のよさが魅力。

取材日も最大45cmを筆頭に30cm級を連発。

7月はさらに群れが固まるというから、大型フグの引きを味わう絶好のチャンスだ。

今回の取材は茨城県大洗のショウサイフグ。

このエリアはフグの禁漁期間がないので周年狙えるが、5月~晩秋まで乗合船を出す船宿が多い。

なかでも6~8月は産卵のために群れが集まり良型フグが数釣れるので、トップシーズンとも言えるだろう。

このサイズは初めて見た

6月10日にお邪魔したのは大洗港の大栄丸。

今の時期はショウサイフグとタコ釣りを看板としている船宿だ。

今シーズンの茨城のフグは出遅れ感もあったが6月に入ると30尾超えの日も出るなど釣果がよくなってきた。

ただシケやウネリの影響を極端に受ける魚だけに、前日に降った大雨が気にかかるところ。

当日は4時45分に8人グループを含めて14名で出船となった。

船は南下してポイントの大竹沖には50分ほどの航程で到着、潮回りの後に開始の合図が出された。

船長によると水深は28mで、荒い根はないので遠投も可能なエリアだという。

開始直後に右舷トモの大西さんがヒットさせる。

取り込みを撮影しようと構えていると、その隣の石川さんもヒットさせた。

ギュギューンと強烈に引き込んだかと思えばフワフワと軽くなるのはフグの特性で、軽くなったからといって巻き上げる手を緩めてしまうとバラシにつながるから一定速度で巻き続けるのが鉄則だ。

お二人が釣り上げたショウサイフグはどちらも25cmの中サイズ。

それをカメラに収めていると、「お嬢さんがデッカイのを釣ったぞぉ~」と船長が知らせてくれた。

左舷の胴の間に回り込むと渡辺仁美さんが45cmもある特大サイズのショウサイフグを釣り上げていた。

これは私が今まで見たショウサイフグの中でも恐らく最大級ではないだろうか。

船釣りが初めてでキョトンとする彼女にフグを持ってもらって写真を撮らせていただく。

その後、船内の様子を伺いながらミヨシ側に移動していると、「左トモでトラフグが上がった」と知らせが入る。

行ってみると、小島さんがプーッと真ん丸に膨れた40cmのトラフグを手にしていた。

以前は釣れれば大金星、まさに宝くじとまで言われたトラフグだが、近年は常磐エリアでもかなりの確率で釣れるようになった。

これも温暖化の影響かもしれないが、トラフグが釣れるのは釣り人としてはうれしい現象だ。

釣行の写真

(左)数はトップで20~30尾(右)初心者でも十分楽しめる

釣行の写真

▲茨城県海域でもトラフグはよく交じる

知っ得!集魚アイテムの効果

集魚アイテムは光や音を発するもの。

目立つ形状や魚の興味を引く動きをするものなど様ざまなタイプがあり、時には抜群の効果を発揮することもあることからフグ釣りの際にも装着する人は増えてきたが、デメリットもある。

それはオマツリを誘発したり、繊細なアタリを取れなかったり、目立ちすぎて逆に警戒心を抱かせたりすること。

初めはスタンダードな仕掛けから始めて、状況によりどのタイプのアイテムが有効か試すのがいいだろう。

Tackle Guide

タックルは専用のカットウフグ竿のほかにカワハギ竿や先調子のゲームロッドなども流用できるが、穂先がしなやかで胴のしっかりした全長1.5~1.8mの竿が持ち疲れしない。

なお、根がきつい場所では1本バリがおすすめだ。

ここが辛抱のしどころ

出だしは絶好調。

この調子でガンガン釣れ盛るかと思いきや、その後はポツリポツリとした渋い状態が続く。

どうにか1尾を釣った釣友の塙君は「エサも全然食われないし、1尾だけ持って帰ってもなぁ」と白旗を上げる寸前だ。

状況が一変したのは7時半のこと。

8人グループのリーダーである山口さんが連チャンで掛けたのを皮切りにバタバタとフグが釣れ始め、船内入れ食い状態に突入。

サイズも20cm以下は交じらないので釣り応えも十分だ。

忙しく写真撮影に走り回り、こちらも本日が船釣りデビューという福山未菜子さんにも笑顔でフグを持った写真を撮らせていただく。

自席に戻ると1尾しかいなかったはずの塙君のオケの中に5尾のフグが泳いでいる。

「どこから盗んだの?」と聞くと、「今、釣ったんだよ」とフグのような膨れっ面。

1時間ほどこのような状況が続いたので写真撮りも順調に進み、ひと段落着いた8時半から私も釣りに参加。

仕掛けが着底したらゼロテンションをキープして、5秒に1回くらいのタイミングで空合わせを繰り返していく。

すぐにアタリがくるかと思ったが、すでに時合が過ぎてしまったらしく先ほどまでの好調さとは雲泥の差。

そこで集魚アイテムを付けたり、時には底から2mの高いタナを探ったりもしたが、むなしい空合わせを繰り返すばかり。

しかしここが我慢のしどころだ。

集中力を切らせて釣りが雑になるとアタリに対して一瞬合わせのタイミングが遅れて掛け損なったりする。

心の中で「気を抜くな。気を抜くな」と言い聞かせているとコツンと穂先にアタリ。

間髪を入れずに手首を返して合わせるとガツンと明確な手応えが伝わってきた。

取り込んだのは25cmのレギュラーサイズ。

続けて30cmも掛けたが、このサイズになると引き味も抜群だ。

11時を過ぎたころから再びフグの活性が戻ってきてバタバタと釣れ始める。

とくにトモ側が好調に数をのばしていた模様だ。

そして12時に沖揚がり。

私の釣果は7尾だったが、船内ではトップ24尾。

平均12~13尾といった感じだった。

大洗のショウサイフグはこれからさらに群れが集まるので勝負に出かけてみてはいかがだろう。

釣行の写真

(左)25~30cm前後が標準(右)このサイズなら10尾もあれば食べ応えもバッチリ

船宿information

茨城県大洗港 大栄丸

029・267・4771

▼備考=集合4時半。

希望でマダコへも。

無料駐車可

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隔週刊つり情報(2023年7月15号)※無断複製・転載禁止

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