歳を重ねるごとに、少し遠い所へ泊まりがけでのんびりと釣りに出かけることが増えてきた。
限られた休日に、釣りだけでなく、旅も一緒に楽しんでしまおうというぜいたくな「釣り旅」が最近の釣行の半分以上を占めている。
普段は素泊まり民宿やゲストハウス、ビジホを探して釣行前日に宿泊。
その町に公衆温泉でもあれば、そこで汗を流してから缶ビール片手にのんびり過ごしているが、今回出かけた南伊豆須崎の爪木丸には、そんな釣りと旅をワンストップで楽しめる時間と空間が用意されていた。
釣りと宿泊をセットで楽しめる船宿
令和3年4月29日にリニューアルされた温泉宿「ブルー爪木」は、下田須崎港を拠点とする釣り船・爪木丸が併営する宿泊施設。
自然あふれる須崎の森の中にあり、モダンな外観と落ち着いた内装の建屋、そして笑顔が素敵な若おかみ田中リエさんが釣り人を優しく出迎えてくれる。
伊豆諸島の島じまの名が付いた各部屋はいずれもトイレ、シャワールーム付き。
1~2人用の洋室と数人~家族向けの和室があり、和室にはミニキッチンや冷蔵庫、電子レンジを備える。
宿の1階にはかけ流しの温泉があり、宿泊客のみならず、沖揚がり後の釣り人もひとっ風呂浴びることができる。
素泊まりはもちろん、夕食と朝の弁当付きの釣りパックがあって、いずれも一般客よりも割安で宿泊することができる。
夕食には先付、煮魚、天ぷら、刺身などが並び、どれもおいしかったが、とりわけ濃いめに煮付けられたキンメダイが白飯にベストマッチ、いつになく箸が進んでしまった。
一方、赤と青のストライプが鮮烈な釣り船の爪木丸は16tの大型船。
温厚で気さくな田中貞一船長が訪れる釣り人を楽しませてくれる。
各釣り座にはたくさん釣れても困らない大きなオケや走行中も流し続けられる循環ホース、船ベリ用のマグネット板など、満足いく設備が整えられている。
人数制限をしているから、長ハリスを使うマダイやワラサ狙いでも、隣の釣り人との間隔がしっかり保たれる。
混雑しがちな週末であっても、広びろとした釣り座で釣りが楽しめるのは心底ありがたい
マダイが釣れると笑顔が弾ける
出典:
取材日不調も翌日好調
私が爪木丸へ足を運んだのは6月の始め。
所用を済ませた昼過ぎに出発し、新東名の長泉沼津インターから伊豆縦貫自動車道を南下。
道の駅をのぞいたり、天城峠の緑を愛でたりしながらのんびりドライブ、夕方に須崎入りした。
買ってきた缶ビールをプシュッとやってから、一人でゆったりと温泉に浸かり、日ごろの疲れを放出しながら就寝。
深い眠りから朝4時に目覚めて港へ向かう。
この日は乗っ込みのマダイを狙って6人の釣り人とともに出船。
石廊崎、中木、入間の沖あたりを狙った。
良型イサキのごあいさつに始まり、1kg級のマダイが顔を見せ、青物らしき強烈なアタリがハリスをプツンと切っていく。
カメラ片手にその光景を眺め、なんて豊かな海なのだろうと思わずにはいられなかったが、次第にマダイの活性は下がり、その後は渋い展開に。
最大1.2kgのマダイが0~1枚、イサキ多数という釣果で納竿となってしまった。
普段なら取材を終えたその日のうちに帰路につくのだが、今回はそのままプライベートタイムへシフト。
食事付き釣りプランを予約して、もう1泊と翌日のイサキ乗合を楽しんできた。
翌朝はリエさんお手製のお弁当をいただきながら神子元島の沖へ。
4人の釣り人とイサキ釣りをたっぷり楽しんだ。
この日は朝から絶好調で、38cmのイサキを筆頭に大中サイズの多点掛けを連発。
大好物のタカベもゲットした。
中盤には良型のウメイロ、メジナが交じり、強烈な引きを堪能。
そして、なんと前日釣れなかったマダイまで釣れてしまった。
これには、「今日は他所のマダイ船も調子いいみたいなんですよ」と船長も苦笑い。
かくして持参したクーラーボックスを満杯にして意気揚々と帰港。船宿に戻り、ひとまず温泉で汗を流し、食堂で蕎麦をいただいたところでお会計。
すっかりお世話になりました!
帰りは東伊豆の海岸線をゆっくりドライブ。
よく眠り、温泉でスッキリしたおかげか、疲れ知らずで帰宅。
こりゃ、病みつきになりそうだ。
朝の時合を逃さずにマダイをゲット
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マダイ狙いでもイサキがよく交じる
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イサキを専門で狙うとこんな大型も
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イサキ釣りでは良型のウメイロが連発したシーンも
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船宿information
南伊豆下田須崎港 爪木丸
0558・23・3117
URL:http://www.tsumeki.com/home/
● 予約乗合。定休日なし。
● 釣り座は船長指示。
【船宿アクセス】
●車/国道135号柿崎交差点を須崎方面へ。道なりに1.5kgほど進み、爪木崎交差点を左折。坂を登っていくと右側に「爪木丸」の看板があり、そこを右折してすぐ。
●電車&バス/伊豆急行線伊豆急下田駅から東海バス「須崎行き」を利用し、爪木崎入口バス停下車。バス停がある坂を歩いて進むと右側に「爪木丸」の看板があり、そこを右折してすぐ。
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隔週刊つり情報(2022年7月15号)※無断複製・転載禁止