8月1日の相模湾コマセ釣り解禁に先駆け、例年6月ごろからスタートするのが生きイワシをエサにスピニングタックルのフカセ釣りで狙うカツオ、キハダ船。
昨年は開幕当初から大型キハダに沸いたが、今年はカツオ主体のスタートとなっている。
三浦半島葉山あぶずり港の秀吉丸から出船した取材日も、早々にカツオのいい反応を発見。
1.5~2.5kg級主体に船中全員が顔を見ることができた。
その後はキハダ狙いに転じ、2打数1安打。
16・1kgとサイズ的にはやや物足りなかったが、翌日には20kg級も上がっている。
今後は魚の回遊次第となるが、海況の安定する7月はベストシーズンなのは間違いない。
釣り方は難しくなく、レンタルタックルも完備されているので興味のある方はぜひチャレンジしていただきたい。
釣果の決め手はイワシ!
フカセ釣りで使うエサはカタクチイワシがメイン。
小さくて弱りやすいので、いかに元気に泳がせるかが釣果の決め手となる。
海水循環させたイケスからまめに取り出すようにして、エサ付けのときも海水で手を濡らすなど配慮したい。
▲今年は今のところカツオの群れが濃厚
出典:
生きイワシを使った一本釣り、フカセ釣りは、ひと昔前はテレビで観る豪快なカツオ漁を体感できる、夏を感じさせる釣りだった。
ただ、生きエサの確保など難しい面もあり、ごく限られた一部の乗合船や仕立船で楽しむ、どちらかといえば特殊な釣りだった。
それが近年はフカセ釣りで大型のキハダが獲れるようになってきて、コマセ釣りが始まる前のプレシーズン的に注目を集めるようになっている。
もちろんこの釣りは魚がいなければ始まらず、昨年のようにカツオは少ないものの20kg以上のキハダがバンバン上がったり、一昨年のようにキハダはいないものの3~4kg級の良型カツオが入れ食いになったりと、年により、日により釣れ具合は変わってくる。
今年は6月に入って各船スタート、シケで出船できない日も多かったが、船さえ出られれば1.5~2.5kg級のカツオが大漁という幕開けだった。
6月17日に三浦半島葉山あぶずり港の秀吉丸で取材した日もカツオの好反応を発見、20分ほどの入れ食いが3流しほど続いて全員カツオをゲット、いい人は2桁以上を釣っていた。
▲カツオに交じって釣れるキメジは3kg前後が多い
出典:
タックルGUIDE
タックル&仕掛けは いたってシンプル
では、フカセ釣りに必要なタックルと仕掛けを紹介していこう。
竿はマグロやヒラマサに対応するスピニング仕様のジギングロッドなど。
リールは各メーカーとも8000~14000番程度の大型のスピニングを使用する。
巻いておく道糸はPE4~6号300m以上。
カツオ・キメジであれば4号でも問題ないようだが、キハダまで視野に入れるなら6号でもいい。
慣れた人はキハダ用とカツオ用の2タックルを持ち込んでいる人も多い。
初めてならレンタルタックルを利用するのも手。
秀吉丸では事前予約すれば3000円で借りられる。
リーダーというかハリスは16号を標準に14~18号。
これも釣れる魚のサイズに応じて20号くらいまで使う人もいるし、カツオ狙いで食い渋ったときは14号と細くしたりもする。
長さは1.5~3m。
1mちょっともあれば十分なようだが、頻繁にハリを結び替えるので1.5mくらいはあったほうがいい。
PEとハリスはFGノットなどで直結しておく。
ハリはヒラマサ13~15号を標準にキハダ用の16~18号を使う人もいる。
ちなみに常連さんに聞いた話だが、コマセ釣りでは黒のハリがいいが、フカセ釣りでは金か銀がいいとか。
なお、カツオを何本か釣っているとチモトが傷つくので、まめにチェックして傷んでいたら結び替えよう。
ちなみに結び方は、当日の乗船者に聞いたらほとんどの人が南方延はえなわ縄結びだった。
仕掛けGUIDE
元気なエサを泳がせることが一番
釣り方の前に、エサ付けについて再チェック。
エサにするイワシは12cmほどのカタクチイワシがメインで、船に設置されたイケスに入れてある。
中には少し大きめのサバやマイワシが交じっていることも。
秀吉丸での取材時はカツオがメインだったためカタクチイワシが多かったが、キハダ中心に釣れるようであればもっと大きめのマイワシを使うこともあるという。
いずれにしろ、船のイケスの中から数匹のイワシをバケツに取り分け自分の席へ(船により自分ですくう、もしくは仲乗りさんが配ってくれる)。
一度に大量のイワシを持ってくると弱りが早くなるので注意。
エサ付けは、できるだけバケツの中で海水で自分の手を濡らして行うようにする。
イワシがピチピチ跳ねて付けづらいこともあるが、ギュッと握り締めると小さなカタクチイワシはすぐに弱ってしまう。
フカセ釣りはこのエサ付けが一番の勘所で、いかに元気にイワシを泳がせられるかで釣果も変わってくる。
付け方は、基本的にはカタクチイワシはエラ掛け、マイワシは鼻掛けもしくは背掛けにする。
エサ付けGUIDE
闇雲に糸を出さないことが大切
釣り場に着いて反応を見つけると、船長が投入の合図を出す。
素早くハリにイワシを付けたらリールのベイルを起こし、船下もしくは軽く前方へ振り込んで投入する。
船にもよるが、フカセ釣りの場合は基本的に道糸が払い出す右舷が釣り座になるものの、場合によっては左舷での釣りとなることもある。
その場合はすぐに道糸が船下へ入り込んでしまうので、なるべく遠くへ投げ込むようにする。
投入できたら、あとはイワシに任せて泳がせる、もしくは道糸を手で引き出してイワシを泳がせていく。
元気に泳ぐイワシを見つけた魚がガボッと食い付くと、それまでユルユルと出ていた道糸がサーッと走り出す。
これが魚が食った合図。
一呼吸置いてからリールのベイルを戻し、しっかり竿を立てて合わせを入れハリ掛かりさせる。
相手がカツオ(周りの人もバンバンアタっている)なら、周りとオマツリしないよう遊ばせずに一気に巻き上げる。
海面に魚がきたら、竿の弾力を利用して一気に跳ね込んで船内へ。
現在釣れている1.5~2.5kg前後のカツオなら、リーダーをつかんだりタモ取りするよりも断然手返しは早い。
一方、船内アタリが少ない中でギューッと道糸が勢いよく走り出したらキハダの可能性が高い。
ある程度走らせて、道糸が出る勢いが弱まったところで合わせを入れる。
ヤリトリは、ドラグを効かせながらポンピングしつつ少しずつ巻き上げていく。
道糸が左右に走るようなら、周りの人に協力してもらい、ミヨシやトモ方向へ移動、ヤリトリしやすい体勢をキープ。
フィニッシュは、船長や仲乗りさんがタモやギャフで取り込んでくれる。
先にも述べたように、フカセ釣り最大のコツは元気にイワシを泳がせること。
もし周りは釣れているのに自分だけアタリがないときは、ちゃんとエサを付けられているか、道糸を出し過ぎていないかチェック。
カツオの場合はおおよそ20~30m、キハダの場合は50~60mも道糸を出したら回収、エサを付け直して再投入する。
道糸を送り出しすぎたまま待っていても、イワシが弱ってかえってアタリは減るからだ。
また、風や潮の流れによっては道糸が左右に流されたりする。
周りの人と道糸がクロスしそうになったら速やかに回収、再投入したほうがいい。
今号発売時は果たしてカツオ主体の展開になっているのか、はたまた大型キハダの回遊に沸くのか。
いずれにしろ7月はフカセ釣りの大チャンス、豪快、爽快な青物とのバトルを楽しんでいただきたい。
フカセGUIDE
INFORMATION
三浦半島・葉山あぶずり港 秀吉丸
046・875・0859
▼備考=予約乗合、出船6時。
別船は沖の五目、ヒラメ五目、マルイカなどへ
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隔週刊つり情報(2023年7月15号)※無断複製・転載禁止