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祝!湾奥のマダコ開幕 今年も夏祭りの開催に期待

隔週刊つり情報編集部

東京湾奥のマダコ釣りが6月1日にスタート。

気になる今年の開幕模様を探ろうと、浦安の岩田屋より出船した。

初日のため川崎~羽田沖のほか姉ケ崎沖など各ポイントを回りつつの釣りながら、一人1~14杯と船中全員型を見られたのは何より。

サイズは最大2kgが上がったものの、平均すれば初期らしい300~400g前後の小型が多かった。

この日の結果だけで手応え十分とは言い切れないものの、今年も確実に湾奥にタコは湧いていることは確認できた。

7月になればポイントも広がるので、盛大な夏祭りが開始されることを期待したい。

6月から開幕となった東京湾奥のマダコ乗合、近年は餌木タコブームもあって人気の釣り物だ。

さっそく初日に浦安の岩田屋へとお邪魔した。

出船は7時、余裕をもって6時前に到着すると、すでに5名ほどの先客が船宿でくつろいでいる。

みな、マダコの開幕を待ちわびていたようだ。

このところ関東地方は雨や曇天が続き、そろそろ梅雨入りかと天気予報が伝えていたが、この日は空は爽やかに晴れ、南の微風でこれ以上ないほどのタコ釣り日和だった。

知っ得!タコは脂マシマシがお好き?

タコ餌木に豚バラ肉や脂身を巻き付ける人が多い。

乳白色が好みなのか、グニャリとソフトな手触りが好みなのか、それとも単に脂が好きなだけなのか、本当のところはタコに聞いてみないと分からないが、どうもこの日は豚バラ肉を巻いた人の釣果がよかったように感じた。

試してみる価値はあるかと思う。

タコの好きな小づきは!?

乗合船の舵を握るのは、岩田屋4代目の岩田一人船長。

駐車場への車誘導から、年配客のクーラーを運ぶのを手伝ったり、朝から忙しく動き回っている。

「今日は初日ですから、全員が型を見られるようにしたいですね」と話す。

定刻になり、船はゆっくりと旧江戸川を下って海へと出た。

初期の湾奥マダコポイントは川崎沖を中心とする西側と、木更津から北部に渡る東側に大別される。

船長が最初に選んだのは西側ポイントだった。

羽田空港を眺めつつ50分ほど南下すると投入の合図が出た。

水深は8~10m、風上に向けて船を立て、潮に乗せてゆっくりと流していく。

各自が思い思いの餌木を付けて投入し、竿先をシェイクしながら餌木を小づく。

餌木の色は多彩だ。

赤、オレンジ、黄色、白、ピンク、緑の派手な原色の餌木や金ラメ、赤金の光沢の強い餌木も見られる。

餌木を2個付けにしている人が多い。

2個付ける理由は、より目立たせるという効果もあるが、それよりもバラシ防止対策としてのほうが大きいと思う。

1個付けだと、どうしても巻き上げ途中にタコが抜けることが多くなる。

タコ釣りで大切なのは、とにかく餌木を動かすこと。

餌木が動かないとタコは乗らない。

かといって餌木が底から離れピョンピョンと跳ねるほどの大きな動きは逆効果だ。

それぞれが好みの小づき方で餌木を動かしている。

竿先をシェイクして餌木に振動を与える人、オモリをわずかに浮かせては落として海底をトントンとたたく人、シェイクと底たたきをミックスさせる人、果たしてタコに好まれるのはどんな小づきだろうか?

釣行の写真

(左)手釣りも便乗OKで、最大2kgゲット(右)近年のブームを受けてほとんどの人が竿釣り

Tackle Guide

餌木タコ用のロッドは各メーカーから専用竿が発売されているので、新たに竿を購入する人は専用竿を選べば間違いない。

専用竿以外なら胴がしっかりしていて竿先がソフトなものを選びたい。

筆者はテンヤタチウオの竿を使っている。

岩田屋では道糸はPE3号以上を推奨している。

水深が浅く根掛かりの多い釣りなので、道糸は太いほうが高切れなどのトラブルは減るだろう。

手釣りの人に良型

海底は小石があったり岩盤だったり、根掛かりしやすい場所が多い。

餌木の動きは重要だが、ズルズルと引きずってしまうとそれだけ根掛かりのリスクが高まる。

小刻みに動かしつつ、船の流れに合わせて根を越えて移動するようなアクションが理想だ。

開始してすぐ、胴の間で竿が曲がった。

ヒョイと抜き上げられたのは400gほどのマダコだった。

その後も連続して竿が曲がる。

上がってくるタコは300~600gが多く、湧きダコと呼ばれる昨年に生まれたマダコが多かった。

シーズン初期のせいか小型も目立つが、300gに満たない小型タコはリリースしてほしいと船長からアナウンスがあった。

下げ潮がほどよく効いているようで、堤防に沿って船はゆっくりと流れる。

いい人は連チャンでタコを乗せる。

ほとんどの人は餌木を使った竿釣りだったが、両ミヨシのベテランは手釣りをやっている。

自前の渋糸を操り、持参した冷凍イシガニをテンヤに縛り付け、糸を指でつまんで小づいている。

昔ながらのスタイルだ。

その手釣りのベテランに良型がきたようで、タモを出してくれという声が聞こえた。

海面にユラリと浮き上がったのは良型2kgのマダコだ。

ほぼ全員がマダコの型を見たところで干潮の潮止まり。

それまで好調に乗っていたが、潮が止まるとパッタリと乗らなくなった。

船長は西側ポイントをあちこち探ったが、朝方ほどの乗りは見られない。

型も小ぶりが目立つようになってきた。

「東側に移動します、荷物が飛ばないように注意してください」と告げられ、船は千葉県側へと向かう。

東京湾を横断し、新たな気分で釣りを再開する。

こちらも上げ潮はそれほど効いていなかったが、ポツリポツリと型が出る。

こちらのポイントは根掛かりが少なく釣りやすい。

キャストして広く探る人のほうが乗りがいいようだ。

午後になって、「もう一度西ポイントに行ってみます」と午前中に攻めていなかったポイントへ向かった。

この日は初日ということもあり、広くポイントを探って様子を確かめる狙いもあったそうだが、東京湾をサイドチェンジしながら多くのポイントを攻められるのは湾奥出船ならではのメリットだろう。

やがて沖揚がりの時間となり、この日の釣果は1~14杯。

全員が型を見て、開幕初日としては上々だった。

後半は潮の動きが悪く乗り渋りの時間帯も多かったので、もう少し潮が流れてくれればさらに数はのびそうだった。

まだ手付かずのポイントも多く、今後の釣果にも注目したいところ。

6月中は湾奥ポイントを中心に攻めるが、7月になると横浜沖が解禁となり、さらに釣り場が増える。

タコも徐々に育ってくるので、キロ級のズッシリとした感触も味わえるだろう。

船宿information

東京湾奥浦安 岩田屋

047・351・2862

備考=予約乗合、7時出船。

ほかライトアジ、 シロギス、各種リレー釣りにも出船。

貸し道具、女性、子供割引あり。

各種仕立、屋形船も受付。

駐車場無料。

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隔週刊つり情報(2023年7月1号)※無断複製・転載禁止

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