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エサ釣り、スロジギどちらでも狙えるイシナギはモンスター急もチャンスあり!

隔週刊つり情報編集部

イシナギといえば外房や相模湾でのターゲットというイメージがあるが、実は茨城県日立沖でもジワリとその人気が上昇中だ。

「昔から魚礁周りにいたんですよ。10kg未満が多いですが、中には20kgオーバーもいます」とは日立久慈漁港・明進丸の関裕二船長。

釣り方は胴つき仕掛けのエサ釣りかスロージギング。

本命のイシナギはいい日で船中数尾、日によっては顔を見ないこともあるが、数かずのゲストが楽しませてくれる。

クロソイ、カサゴなどの根魚からヒラメ、ワラサまで何が食ってくるか分からない五目的な魅力もある。

取材日は小型のみだったが、船長をして「20kgはあった」という大物のアタリも。

明進丸では盛夏までこの釣りをメインに出船する。

意外な場所で意外な大物をぜひ!

釣行の写真

(上)ポイントは日立沖水深40~80mの魚礁周り(下)ゲストで一番多いのはクロソイ。みな良型ぞろいだ

電動スロジギのススメ

明進丸のイシナギ五目は最近ではスロージギングのお客さんのほうが多いという。

300g前後のジグを使用するが、船上では比較的年配の方が多いのに驚く。

そんな方たちがすすめるのが電動スロージギングだ。

狙う水深は40~80mほどとそれほど深くはないが、回収や空巻きでかなり身体の負担が減るそう。

ダイワなら300番、シマノなら1000番クラスの電動リールにPE3号、リーダー10号程度を組み合わせて気軽に楽しむことが可能だ。

釣行の写真

▲イワシエサで大型のクロソイが食ってきた

海水温が20度超えたら本格スタート!

日立久慈漁港出船のイシナギ五目は初夏から夏場にかけての隠れメニュー的な存在だったが、ここ数年で人気が上昇、今や新名物とも言えるほどの釣り物にまで成長した。

「本格的に始めて数年たったけど、まだまだ分からないことが多いよ」とは、明進丸の関裕二船長。

イシナギ釣りといえば、100kgクラスまでも視野に入れた超大物釣りだが、ここではクロソイやカサゴなども含めたもうちょっと気軽な、五目釣り的な釣りを楽しむことができるのが魅力だ。

釣れるイシナギは5kg前後が多いが、毎シーズン20kgオーバーはキャッチされている。

それらをはるかに超えるモンスター級もいるが、ヒットしても根に潜られてバラすことがほとんどだという。

「水温が20度を超えると産卵のために深場から水深40~80mほどの魚礁に入ってきます。ちょうど梅雨時くらいから食いがよくなります」

5月下旬の取材日の水温は18~19度台で推移。

このエリアとしてはすでに高水温傾向にあるが底潮はまだ低いのか、もう少し上昇すると活発にエサを追うようになるという。

船長は「分からないことが多い」というが、船長とお客さんで試行錯誤しながら作り上げていっている感覚だそう。

その一つがスローピッチジャークジギング(以下スロジギ)だ。

始めたころはエサ釣りオンリーだったのが、スロジギでの実績が上がるにつれ比率は逆転。

今やスロジギのお客さんのほうが多いのだという。

「ジグは200~300gと重いけど、海底付近でゆっくり上下させていれば食うので年配の人も多いよ」というように取材日も60代以上のスロジギファンの姿も目立った。

エサ釣り、スロジギともに本命はあくまでイシナギだが、クロソイ、マゾイ、カサゴ、ヒラメ、青物などゲストが豊富。

イシナギはスイッチが入ると船中数十尾ということもあるそうだが、資源保護のため2kg以下の小型はリリースしてほしいと船長は協力を求めている。

釣行の写真

(左)丸まると太ったワラサは脂の乗りもいいそうだ(右)ワラサも連日ヒットしている

①エサ釣りタックル エサ釣りは強度重視で!ハリスは20号以上を!

エサ釣りタックルに必要なのはまず頑丈であること。

ポイントは魚礁周りがメインで、イシナギがヒットすると根に潜ろうとする。

根に入ってしまうとまず引き出すことは不可能になるので、これを阻止するためには強引に根から離す必要がある。

そこでガチで20kgオーバーを狙いたいなら、相模湾のキハダタックルを流用するのがおすすめだ。

全長1.8m前後のキハダ用、泳がせ大物用に電動の場合はダイワなら800番、シマノなら6000番の大型電動リールを、手巻きの場合はレバードラグ式の大物用両軸リールを組み合わせる。

道糸はいずれの場合もPE8号以上を使用する。

ただし、そこまではちょっと、もう少し手軽に楽しみたいという人はワンランク、ライトなものでもいいそう。

「10kgくらいまでならダイワなら500番、シマノなら3000番でもいいですよ。道糸はPE4号以上を使ってください」

これに竿は全長1.8~2m程度の遠征五目用、ワラサ用、中深海用を組み合わせる。

イシナギは一度バラしてしまうとそれ以後アタリが遠のくことが多いので、結節部分をしっかりチェックし、スナップサルカンなども大物用の頑丈なものを使用する。

掛けたらバラさないことを念頭に準備しよう。

狙う水深は40~80mと思いのほか浅い場所が多く、オモリは80号を使用する。

仕掛けは胴つき1本バリ仕掛けが基本になる。

イメージとしてはヒラメ仕掛けをウンとゴツくした感じだ。

ハリスは20~30号全長80~90cm。

ハリは泳がせ大物用、環付きムツなどの25~30号を使用する。

②スロジギタックル 電動スタイルもおすすめ

スロジギに使用する竿は、全長1.8m前後、対応ルアー重量が200~300g程度のスロジギ専用ロッドをセレクトする。

リールは、PE3号が300m以上巻けるソルト用両軸リールを組み合わせる。

体力に自信がない、という人には電動リールの使用もおすすめだ。

こちらもPE3号が300m以上巻けるものならOK。

リーダーは、この日はPE2号に30ポンドほどの細めのものを組んで使用する人も多かったが、大型が出ているようなときなら80ポンドくらいあったほうが安心だ。

ジグは200g前後から重くて300gくらいまで。

ショート系とセミロング系を使い分ける。

取材日はセミロング系はワラサやヒラメ、ショート系には根魚の反応がよかった模様。

フックはフロント&リアにセットする。

本命にはイカエサゲストにはイワシ?

エサ釣りはスルメイカが一人5匹支給される。

このほか冷凍のマイワシが購入できる。

エサのセレクトは自由で、ヤリイカやサンマを持参する人も。

「スルメイカはエサ持ちもよくてイシナギにはいいですよ。イワシはソイなどゲストのアタリが多いですね」とは常連の大野さん。

その言葉どおり、大野さんは大型のクロソイを3尾とマゾイをイワシエサで食わせていた。

こちらの選択はその日の状況や自分の好みでいいだろう。

エサ付けは、スルメイカの場合はエンペラ側の先端中央部の硬いところにチョン掛け、または縫い刺しにする。

イワシエサの場合は背掛け、または下アゴ中央部からハリを入れ、頭部中央へハリ先を出しておく。

これからの季節は気温も上がりエサが傷みやすくなるので、クーラーボックの中にしまっておき、必要な分だけを取り出して使用する。

ポイントは魚礁周り根の上を渡っていく

ポイントは航程40~50分の日立~高萩沖。

いずれも魚礁周りがポイントとなり、魚礁の上をピンポイントで狙う場合、数ある魚礁の上を順番に通過していく場合などがある。

魚礁は正方形のブロック、テトラ状のものがあるそうで、根掛かりに気をつけながら根の上を渡っていくイメージだ。

オモリが着底したら2m上げて待つのが基本。

少し待ったら着底させて再び2m上げる、の繰り返し。

これをまめに行うことで誘いにもなり、根掛かりを回避することもできる。

食いがいいときは4~5m上げても食ってくるそう。

船が魚礁の上を通過するときには、船長から「4~5mの高さの魚礁があります。根掛かりに気をつけて」などとアナウンスがある。

この場合は、着底後に4~5m上げたほうがよい。

起伏がある場所なので根掛かりのリスクも高まるが、イシナギが潜んでいる可能性も高いので集中してアタリを待とう。

イシナギのアタリはサイズにもよるが様ざま。

前アタリのように前兆があるものから、いきなりギューンといく場合まで。

前アタリがあった場合は、しっかり食い込んでから大きく合わせを入れる。

いきなり食った場合はそのまま根に潜られないように一度大きく合わせを入れてから巻き上げに入る。

「ドラグが緩いと取れないよ」と船長は度たびアナウンスする。

イシナギ釣りはドラグをガチ締めして挑むのが大前提だ。

とくに最初にヒットした直後は強引に巻き上げてまずは根から離す。

ここでモタモタすると根に潜られてしまうためだ。

海底から5m以上離せば根に潜られるのは回避できる。

あとは海面まで暴れまくるイシナギ特有の引きを堪能しよう。

アタリだと思ったけれど、根掛かりの可能性もある。

もし根掛かりだった場合は、一度リールのクラッチを切ってテンションを抜いてから引っ張ると、意外と簡単に外れることもある。

COLMUN デッドスロー巻きも効く

スルメイカやイワシを使用するエサ釣りでは、まめにタナを取り直すことで誘いにつながるが、置き竿ままではなかなかアタリが出ない。

そこでタナの取り直しと電動でのデッドスロー(微速)巻き上げを組み合わせてみたら、一発で良型クロソイが飛びついてきた。

電動の速度を1~2程度にして海底から10mほどまで巻き上げたら着底させ、再度デッドスロー巻き上げ。

これを繰り返すだけ。

アタリがない人はお試しを!

スロジギは文字どおりスローで本命を

スロジギの場合はジグが着底後1m上げてからスタート。

竿をあおるように持ち上げて、フワーッと落とし込んでいく。

このフォールのアクションが魚を誘惑する。

同じ場所で何度か繰り返したら1m上げてまた誘い、さらに1m上げて、と海底から3mほど探ってから再度着底させる。

「早く誘うと青物が多くなります。イシナギをヒットさせたいならゆっくりめのほうがいいみたいですね」とは、一昨年に26kgを上げてすっかりハマってしまったという貝塚さん。

この日も小型ながらこの誘いで本命をヒットさせた。

誘いのスピードでヒットしてくる魚も変わってくる。

だれかに青物がヒットして、同じく青物を狙いたければ早めにするなど、自分で調整して楽しみたい。

◇明進丸ではアカムツが始まる8月末まではこの釣りをメインに出船するという。

「何か新しい釣りはないかな?」なんて人は、ひと味違う根魚五目釣りに挑戦してみよう。

船宿information

茨城日立久慈漁港 明進丸

090・2276・8806

備考=予約乗合、4時半集合。

ほかオキメバルへも出船

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隔週刊つり情報(2023年7月1号)※無断複製・転載禁止

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