ゲストを招いて、時には教え合い、時にはともに悩み、楽しく真剣に釣りをする宮澤幸則さんの連載「令和も釣りは楽しく真剣に! 2」。
今回のターゲットは新島沖のキンメ。
意外にも本格深海のキンメは初挑戦という宮澤さん。
この日は助っ人として深海釣りが得意な石塚広行さんに声をかけ、南伊豆下田須崎港の宝栄丸より出船した。
PROFILE
みやざわ ゆきのり
1966年大阪生まれ、三重大学水産学部卒。
釣り全般を愛好するが、陸っぱりのエギング、船のカワハギ、マルイカのエキスパートとして雑誌、新聞、テレビ、Webで最先端の情報を発信する。
グローブライド・ダイワ社員。
今回のゲスト 石塚さん
石塚広行(いしづかひろゆき)
ダイワフィールドテスター。
ハゼからキハダ、本格深海のキンメやベニアコウまでこなすベテランアングラー。
▲石塚さんは、着底後、しっかり糸フケを巻き取り、再着底させてドラグを緩め、オモリが底から離れないように道糸を送り出しながらアタリを待つ
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▲最初に上がったキンメは 1.8kgのグッドサイズ
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土屋佑二郎船長によると、これから夏に向けての新島沖のキンメは大型の期待が高まる時期で、2~3kg級が上がる日も珍しくないという。
当日の乗船者は4名、二人は船長の指示で左ミヨシに並んで入る。
午前3時過ぎに港を離れ、航程1時間ほどで釣り場に到着。
しばし魚探リサーチを行い、開始時刻の4時20分になったところで、「やってみましょう。430m、カケ上がりです」のかけ声でミヨシの石塚さんから1投目が開始される。
続いて2番目の宮澤さんも無事投入を完了。
数分後、リールのカウンターが410mを示したところで着底。
仕掛けの長さを合わせると、ほぼ水深と同じ程度しかラインが出ていない。
いつもは激流のように速いことが多い潮があまり流れていないようだ。
オモリを底に着けた状態で仕掛けが浮かないよう、道糸を送り込んでいくのが新島沖の基本的な釣り方。
▲石塚さんはアタリが遠い流しも集中して釣り続け、7投目で会心の1枚を手にした
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仕掛け投入
(上)キンメ釣りの最初の難関、仕掛けの投入。右手で掛け枠、左手でオモリを持ってスタンバイ(下)船長の合図でオモリを海面に放ち……
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(上)掛け枠を落とさないようにしっかりつかんで仕掛けを送り込む(下)仕掛けがすべて海中に入り、竿にテンションがかかってからリールのクラッチを切る
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宮澤さんと石塚さんのキンメ仕掛け
(上・中央)仕掛けは胴つき20本バリ。食い渋りを打破する一手で、ソフトタイプの擬似餌「快適ソフトベイト」を使用。石塚さんによると、キンメ釣りではレッドケイムラやグリーンケイムラの実績が高いとか(下)仕掛けをたぐるときのケガを防止する滑り止め付きの手袋と、大きめのハサミがあると便利
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15分ほど流して800mほどラインが出たところでトモ側から順に巻き上げの指示があり、1投目は船中アタリなく終わる。
2~4投目は水深470~490m付近を流すもアタリが遠い。
魚探にはキンメらしき反応が出ているのだが食い渋っているようだ。
5投目は水深500m。
ここでトモの方がキンメを取り込む。
待望の本命、それも1.8kgの良型とあって船上がにわかに活気づく。
期待の6投目は水深570m。
この流しは船中アタリなく830mまでラインが出たところで巻き上げの指示が出る。
「あれ?赤い魚が付いてる!」宮澤さんが声を上げて抜き上げた朱色の魚は1kg弱のアコウダイ。
アタリは見逃したものの、キンメと肩を並べる深海の人気魚を上げて宮澤さんの笑顔が弾ける。
7投目は水深630m。
着底後、ドラグをほぼフリーにして道糸を送り込んでいく石塚さんがアタリをとらえる。
そのまま道糸を850mまで送り出したところで巻き上げ開始。
仕掛けをたぐり上げていくと1つだけ赤っぽい魚影が見えてきた。
「デカイ! 宮澤さんタモお願い!」口切れ寸前で無事キャッチした本命はこれぞ新島キンメと呼ぶにふさわしい後検量2・59kgのメガサイズ。
ベテランの面目躍如である。
最後の8投目も水深630m付近を流したが後が続かず沖揚がりとなった。
船長は、潮具合が今一つで食いが悪かったと残念そうだったが、7~8月は海が穏やかな日が増える深海釣りの好シーズン。
当地のキンメ船は、貸し道具と仕掛け付きのフルレンタルプランが用意されているので、ぜひ皆さんにもチャレンジしていただきたい。
タックルデータ
当日、宮澤さんが使用した竿は本格深海対応のマッドバイパー深海MH-195&シーボーグ1200MJ、石塚さんはディープゾーンGS 300-205&シーボーグ1200Jを使用。
1200 番のラインキャパシティはPE10号800mだが「テンションを強めにかけて巻けばpe10号が1000m入ります」と宮澤さん
船宿INFORMATION
南伊豆下田須崎港 宝栄丸
0558・22・1047
備考=予約乗合、出船時間は電話確認。
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隔週刊つり情報(2022年7月15号)※無断複製・転載禁止