初夏は主なヒラメ釣り場が禁漁期となる時期だが、反対にこれから盛期となるのが相模湾エリア。
目下はイワシの群れが湾内に来遊しており、まさに今、釣り時を迎えている。
取材した湘南片瀬港・萬司郎丸ではマイワシをエサにしたライトヒラメ五目として出船し、江ノ島沖の水深20~30m前後を狙い、1kg前後を中心に時折2kg級も交じえていい日はトップで3~4枚釣れている。
同船の標準オモリは50号だが、状況で30~40号も可能。
だれでも気軽にチャレンジできるライトタックルでヒラメ釣りのだいご味を堪能するなら今がチャンスだ。
ヒラメの釣り場は各地にあるが、外房~茨城方面が禁漁期となる初夏にベストシーズンを迎えるエリアが相模湾。
当地は湾内にカタクチイワシなどのベイトの群れが入ってくる初夏が盛期で、今年もいい日には1kg前後を主体に2kgオーバーを交えてトップで3~4枚釣れている。
現在、本誌船宿データベースでヒラメを釣り物にしている乗合船は、三浦半島佐島の鶴丸、葉山芝崎の五エム丸、葉山あぶずりの秀吉丸、相模湾腰越の多希志丸、池田丸、湘南片瀬の萬司郎丸、平塚の庄三郎丸など。
出船スタイルは、 事前に生きイワシエサが用意されている場合と、出船してから各自がサビキ仕掛けでイワシを釣ってオケで生かし、それをエサに使う2タイプに分かれる。
今回取材した萬司郎丸は前者で、エサはマイワシを使用。
今シーズンは3月中旬からライトヒラメ五目乗合をスタートさせており例年7月まで楽しめる。
【タックル&仕掛け】オモリ30~50号ライトで気軽に楽しむヒラメ釣り
相模湾のヒラメはエンジン流しで糸を立てて流すため、オモリ30~50号程度のライトなタックルで楽しめる手軽さも魅力。
萬司郎丸では標準オモリは50号だが、状況で30~40号もOKだ。
竿は全長2.2~2.4m前後のライトヒラメ専用竿、もしくは全長2m前後のライトゲームロッドなど。
ナギなら軽快に仕掛けを操作できる短い竿、シケ気味の日はウネリをかわしやすいやや長めの竿が好適だ。
リールはPE1.5~2号の道糸を巻いた小型両軸のほか超小型電動を使う人もいる。
釣り場の水深は20mから深くても50mくらいまでなのでどちらでも大丈夫。
ちなみに取材日に同船した湊さん親子は、依梨愛ちゃん(9歳)と鳳将くん(5歳)がヒラメ釣りのデビュー戦。
湊さんは引きが強い良型ヒラメが食ったときに備えて、電動リールタックルを持参。
いざとなれば力が弱い子供でも巻き上げを電動リールにまかせて両手で竿を持ってヤリトリできる。
この作戦が功を奏し、子供たちは二人とも見事にヒラメを釣り上げた。
仕掛けは、船宿推奨仕掛けを例にすると幹糸6号、ハリス4~5号でハリは親孫式が基準。
しかし、短めの竿で長い幹糸を付けていると、取り込みのとき竿を立てても魚を海面まで浮かせられなくなってしまう。
なので短めの竿を使う場合は、図のように幹糸の代わりにハリス6号のリーダーを1~1.5m程度結び、仕掛けの親子サルカンに接続する。
これで竿先の手前まで仕掛けを巻き取れるため、短い竿でもヒラメを海面へ浮かせやすくなる。
またハリス6号がスタンダードな他地区よりハリスがワンランク細いのは、できるだけイワシに負担をかけずに元気よく泳がせるため。
ハリス4~5号でも、当地のヒラメは1~2級主体なので強度は十分。
たとえ4kgオーバーの良型が食っても、あらかじめリールのドラグを適切に調節(道糸を片手でつかんで強く引いたときズルッと出る程度)して、無理をせずにヤリトリすればハリスが切れることはほとんどない。
また、イワシエサの付け方が苦手な人や、移動などで仕掛けを上げるたびにイワシが弱って戻ってくる場合は、孫バリなしの1本バリ仕掛けを使うのも一手。
魚体に孫バリを打たないため負担が軽減でき、慣れていない人でもエサ付けが容易で手早く投入できるからイワシが元気に泳ぐ。
【釣り方】ヒラメ釣りはエサ付けが重要一定のペースで底ダチを取り直してタナをキープ
ヒラメを始めとした生きた小魚を泳がせる釣りでは、エサを傷つけたり弱らせないようにていねいに扱うことが大切。
イワシのウロコが落ちないようにエサ付けすればアタリが出る確率がグッと上がるとされている。
エサの付け方は下の写真のとおり様ざまだが、自分が付けやすい方法が一番。
写真は撮影のためにイワシを水の中から出しているが、通常はウロコが落ちにくい水の中でハリを打つ。
コツは一度イワシをつかんだら持ち替えないことだ。
釣り方のイメージは下図のとおり。
ヒラメは海底に潜んでエサを待ち伏せするとされ、まめに底ダチを取り直してエサのイワシを底から1mくらい上にキープすることが大事。
投入は、エサとオモリを離して海に放ち、スプールを軽くサミングしてイワシに負担をかけない程度の速さで下ろして着底させ、底からオモリを50cmくらい持ち上げてタナを取る。
この時期の相模湾のヒラメ船は、カタクチイワシなどのベイトの反応に当てて船を流すことが多いため、移動後最初の投入は、ベイトの群れに刺激されて活性が上がったヒラメが船下に潜んでいる可能性が高い。
なので図の手順①~②のように、仕掛けを底上2~3mくらいまで下ろして一度止め、ここからヒラメにエサを見せつけるイメージでゆっくり下ろして着底させるとヒット率が高まるとされている。
着底後にアタリがなければ、一定のペースでオモリを底に着けてタナをキープする。
ヒラメは砂地に点在するツブ根や岩礁帯のくぼみなど、海底に何かしらの変化がある所に着く傾向があるため、オモリが着底する感触で底質を探りながらヒラメがいるであろう場所をイメージしながら釣ることが大切。
オモリがサクッと落ち着くときは砂地、コツンと硬い感触なら根周りや岩礁帯だ。
例えば砂地の平場の中に硬い場所があればヒラメが潜んでいる可能性が高いので、しっかり竿を止めて竿先に集中しよう。
アタリを待つときの姿勢は、竿先を目の高さに合わせて構えると、船の上下動を余裕を持って竿の動きでかわして仕掛けを安定させられ、目と竿先の距離も近いので小さな変化を見逃さない。
手持ちで疲れると竿先が下がりがちだが、竿の下げ幅が少なく船が上に動いたとき対応できない。
ヒラメのアタリは様ざまあり、通常はゴゴン、ククッといった竿先の動きや手に伝わる明確なアタリを感じたらしばし待ち、強く引き込んだところで合わせる。
アタリがきた後、エサを食い込ませようとして仕掛けを送り込むとラインのテンションが緩みヒラメが違和感を覚えてエサを放すとされている。
アタリがきたら同じ体勢で待ち、引き込まないがグーッと竿先が重くなっていくときは徐々に竿先を下げていき、これ以上は竿を下げられない体勢になったらギューッと強めに竿を持ち上げて合わせる。
ハリ掛かりに持ち込んだら、できるだけヒラメを刺激しないように一定のペースで巻き上げる。
ヒラメの口の硬い部分にハリ先が当たるとハリが貫通していないことがあり、巻き上げ途中にラインのテンションが緩むと外れやすいためポンピングはすすめない。
海が穏やかな日が増える初夏はヒラメ入門にも適したシーズン。
ライトなタックルで手軽に楽しめるヒラメ釣り、ぜひ一度トライしていただきたい。
船宿information
相模湾湘南片瀬港 萬司郎丸
0466・27・8309
備考=7時半出船。ほかマダコ、マダイ、オニカサゴへも出船
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隔週刊つり情報(2023年5月15号)※無断複製・転載禁止