各地で乗っ込み本番の様相を呈しているコマセダイだが、ここ内房勝山港出船で狙う富浦沖もいよいよ本番の気配が漂い始めた。
取材した4月中旬のポイント水深は65m前後で、タナは海面から45m。
釣果は最大3kg含みトップ4枚だったが、前日には7.5kgの大ダイも上がっている。
このところは13~15mの長ハリスで食っているというが、乗っ込みが本格化すればタイも上ずり短いハリスでもバンバン食ってくるというから楽しみだ。
大ダイがヒットしたらドラグを効かせてゆっくり巻き上げよう
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内房勝山港は四季折おりに多種多彩なターゲットが狙える遊漁の一大拠点だ。
数ある釣魚の中でも、この時期外せないのが乗っ込みのコマセマダイ。
今シーズンの模様はいかに?と4月14日に向かったのは勝山港の新盛丸。
イカ船とマダイ船をメインに2隻体制で出船している船宿だ。
このサイズを釣ればもうコマセダイに病みつき
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悪い日に来た !?
当日は兄の艫居正悟船長が舵を握り、弟の克芳船長が仲乗り役の兄弟船で、8人の釣り人を乗せて出船した。
釣り場の富浦沖へは航程30分ほどで到着。
通称横瀬と呼ばれるポイントの水深65m、タナは海面から45mで釣り開始となった。
航行中、克芳船長からハリスの長さについて「俺がやるなら13~15m」と聞いていたので、まずは全長13m、2本バリのテーパー仕掛けでスタートする。
前日はこの場所だけで朝一に10枚くらい上がったらしいが、この日のモーニングサービスは不発。
反応はけっこう出ていて、船長からも「反応入ってきてるよ!」と檄が飛ぶが、竿先は沈黙。
タイが浮いてこないのか?と思い、2Bのガン玉を先バリ40cm上に打ってみたりもしたが状況は変わらず、付けエサもほとんど取られない。
船長は細かく流し変えながら3時間近く粘ったが、一向に好転しないのを見て移動を告げる。
北に向け少々走った場所は、内房マダイの名ポイント象背根だ。
これまでがこれまでだっただけに「悪い日に来ちゃったかな~」とマイナス思考が頭を占め始めていたが、一投目からそんな気分が吹き飛ぶ、左舷のミヨシとトモでダブルヒットだ!
間にいる私にはなぜアタらない?の気持ちはさておき、カメラを持って駆け付ける。
お2人ともマダイ竿を気持ちよく曲げてのヤリトリで、ミヨシの小田さんが1.5kg級、トモの星さんが1kg級を無事に取り込んだ。
間を置かずに右舷トモの手島さんにもアタって「小さいよ~」と600gが抜き上げられる。
手島さんに仕掛けの長さを聞くと15m。
ちなみに小田さん13m、星さん15mというから、私の仕掛けもそうは外していないはず。
「次は自分!」と自席に戻り気合を入れ直した。
知っ得!高速代の節約術
勝山港へは東京西部や神奈川方面からの場合、アクアライン~館山道「鋸南富山」IC 経由で向かう方がほとんどかと思う。
確かにそれが最短ではあるが、アクアラインを「木更津金田」IC で降りてR127を使う下道ルートだと片道1550円(深夜は1090円)節約できる。
IC を降りてしばらくは信号機も多いが、それを過ぎれば快適に走れ、所要時間も高速利用時と比べ20 分ほどしか変わらない。
帰路もこのルートを使えば往復3100円の節約。
なんでも値上げのこのご時世に、この差は大きいですよね。
Tackle Guide
ハリスの話になると強度や太さばかりが注目されるが、ことマダイ釣りにおいては「しなやかさ」も重要だ。
よく太いと食わない!とか言われるが、見える見えないの視認性よりもハリスが太い(張りが強すぎる)とエサの動きが不自然になる、がその理由だと思っている。
うれしい1枚をゲット
5分のインターバルで仕掛けを入れ替えること数回、竿を頭上高く持ち上げてからゆっくりと下げていき、竿先を海面下に没する位置までの誘い下げ。
その後、再度ゆっくり誘い上げていくと竿先がストン!と入った。
が、これはスッポ抜ける。
船長に一部始終を見られていて格好悪いのなんの。
名誉挽回の機会をうかがうこと1時間少々、置き竿にしていた竿がスコーンと気持ちよく引き込まれた。
一呼吸置いて竿を手に取りヤリトリ開始。
時折見せる鋭い引きはタイに間違いなさそうだが、ドラグから糸が出ていくことはなく、比較的スン
ナリと上がってきたのは800gの本命。
しっかりとカンヌキにハリ掛かりしていた。
小型ではあるが、ハリスを15mにしてガン玉を打つ位置をサルカン上部へ替えるなど、自分なりに工夫を凝らしたうれしい一枚だった。
中盤以降も順調で、バリバリとはいかないものの、どこかでギュン!間を置いてどこかでギュン!とコマセマダイ釣りとしては緊張感が保たれる楽しい釣れ方が続く。
そして残り時間も少なくなった後半戦になると、それまでアタリの少なかった右舷が好調となる。
手島さんの1kg半クラスのタイに続き右舷ミヨシでワラサが取り込まれると、それまで音なしだった右舷トモ2番の山本さんのショートロッドが大きく曲がった。
コマセマダイの経験が浅いという山本さんに対し「もっと竿を立てたほうがいいですよ」「ドラグ設定はできてるから、後は時間をかけてゆっくり巻いてくれば取れるから」と克芳船長から連続してアドバイスが飛ぶ。
そのおかげか意外なほどスンナリと上がってきたが、海中に見える白い影はけっこうデカイ!
無事タモ取りされたのは下船後検量で3kgジャストの良型マダイだった。
そしてラストを飾ったのは、やはりこれまで蚊帳の外だった右舷ミヨシ2番の桜井さん。
「この流しで揚がります」のコール直後に竿を曲げ2.5kgのキレイなマダイを仕留めた。
この日は8人中6人がタイの顔を見た。
残念だったお2方もうまい具合?にワラサを釣っており、全員が満足笑顔での帰港となった。
竿頭は手島さんで、1.5kg、2kgとサイズアップを重ねて都合4枚はお見事。
釣れ上がったタイは、乗っ込みを思わせる黒ずんだものもいればキレイな魚体もいた。
前日には7kgオーバーも釣れており、そろそろ乗っ込み本番か?と今後の模様について克芳船長に聞くと、「それが分かれば苦労はしないですよ~(笑)でもまあ正直まだ本調子ではないですね。今日なんかも反応の割に食いが渋く、長いハリスが有効だったみたいだし。本調子になればタイも上ずってきて、短めのハリスでもバンバン食うようになるんですけど」とのこと。
船宿information
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隔週刊つり情報(2023年5月15号)※無断複製・転載禁止