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イワシ泳がせで大物を狙う 食い活発!南伊豆のハタ五目

隔週刊つり情報編集部

四季折おりの釣りが楽しめる南伊豆は根魚の魚影が濃いことでも知られ、沿岸の岩礁帯ではマハタを始めイヤゴハタ、オオモンハタ、ホウキハタ、アカハタなど、美味なハタ類を中心とした様ざまな根魚が顔を出してファンを喜ばせている。

そんな根魚たちを狙っている船宿の1軒が南伊豆手石港の敬昇丸。

この時期は生きイワシを泳がせるハタ五目乗合で出船し、2月中旬の取材日は最大5kgのマハタを筆頭にイヤゴハタやカンコ(ウッカリカサゴ)、アヤメカサゴ、ヒラメ、ムツ、6kg級のワラサなどを交えてにぎやかな五目釣りが楽しめた。

5月までのロングランで狙えるので、根魚ファンならずとも一度は釣行して挑戦してほしい。

釣行の写真

釣り場は神子元島周りや白浜~石廊崎沖にかけての水深40~120m前後。当日は石廊崎沖を中心に狙った

餌の写真

ヒラメと違ってエサのイワシは大きいほどいい

「ここんとこうちも(同港の)愛丸も連日型見てるから今日もイケると思うよ!」

開口一番、期待高まる釣況を語ってくれたのは南伊豆手石港の敬昇丸、肥田能研船長。

この時期の敬昇丸のメイン釣り物となっているマハタ釣りのリサーチに出かけたのは2月中旬の日曜日。

集合時間の6時。

当日の釣り人は6名。

敬昇丸では定員を6~8名としているのでこの日は竿を持たずカメラのみで乗船。

準備が整い、6時20分ごろに出船となる。

釣行の写真

何度も底ダチを取り直しながら、底から5mくらい上まで集中して誘い続ける

大型に備えた道具立て

南伊豆エリアのハタ狙いのフィールドは神子元島周り~石廊崎沖にかけての水深40~120m。

青野川を出ると南西方向に進路が取られたので、本日のステージは石廊崎沖となるようだ。

船長に当地のハタ狙いのタックル、仕掛けについて伺うと、ハリスは12号を使ってほしいねとのこと。

ヒット直後のマハタのトルクは驚くほど強烈。

5kgオーバーがヒットすれば10号のハリスでも切られることもあるし。

10kg級の大物も潜んでいるからだ。

ハリは強度のあるヒラマサ系や飲まれにくいムツバリ系などが用いられるが、船長のおすすめは丸セイゴ20号だ。

ヒラメ仕掛けのように孫バリを付けるのは各人の好みでよいが、ハタはあの大口で一気にエサを飲み込むタイプの魚。

ハタ類のみに照準を合わせるなら孫バリは不要とのこと。

オモリは80号を使用する。

道糸はPE4号。

かなり険しい岩礁帯を攻めるので根掛かりは付き物。

それ以上細い道糸だと12号のハリス強度に負けてしまい高切れしてしまうとのことだ。

リールは手巻き、電動お好みだが、水深100m以上の場所を狙うことも多いので電動リールのほうが手返しは楽だ。

ドラグ調整は強く引っ張って引き出される程度にしておく。

竿はワラサに対応できるもの。

ハタの強烈なトルクに対応するには全長2m前後のグラス素材系で腰のある青物用がおすすめだ。

竿入れ時間の7時に釣り場に到着。

イケスから各自バケツに1匹ずつのイワシをすくい入れ、「では始めてみましょう。水深は100mから浅くなっていきます。底を狙うとカサゴ類が先に食っちゃうから底から3~5mタナを切ってください」と船長のアナウンスで釣りスタート。

マハタは岩礁帯の岩陰などに潜んでいるようなイメージがあるが、それは周囲を警戒しているときなどの場合の話。

普段は海底から数m上を泳ぎ、エサを見つけると底から10mくらい上まで追いかけて捕食するとのこと。

なので当日も何度か6~7m上まで狙ってみてとのアナウンスもあった。

水深90mまでカケ上がったところで左舷の平沢さん、桐山さん、臼井さんにトリプルヒット。

しかしこの引きは本命じゃないなと船長。

見えてきたのは赤っぽい魚影。

1kgサイズのカンコ(ウッカリカサゴ)が浮上してきた。

3月以降はこのカンコが多く交じるようになる。

2kgオーバーサイズも珍しくないのでうれしいゲストだ。

釣行の写真

定番ゲストのカンコは2kg級の良型も珍しくない

本命の登場

やや深くなって水深127mからの流しでは、左舷大ドモの平沢さんの竿が大きく引き込まれる。

本命か!?と皆の視線が集まるが、途中何度も走る抵抗にサメですよと平沢さん。

澄んだ海中から見えてきた魚影はサメにしてはやけにシルバーっぽい。

「ワラサだ!」

無事タモに収まったのはブリと呼んでもよさそうな6kgサイズだった。

水深118mからの流しでは久びさのアタリで左舷ミヨシの臼井さんがマトウダイを釣り上げる。

すると平沢さんと右舷胴の間の高橋さんの竿にいいアタリ。

本命ではなくてもサイズのよさがうかがえる引きだ。

無事キャッチされたのはヒラメ。

ともに2.5kgのグッドサイズだ。

間を置かずに右舷大ドモの土屋さん、臼井さん、平沢さんにトリプルヒットで35 ~40cmサイズのムツが浮上し、右舷ミヨシの秋山さんにはアヤメカサゴがヒット。

ほかにもキツネダイなども顔を出し、船上が一気に色めき立つ。

「おっ! 本命がきたな!!」と操舵室の窓から顔を出す船長。

根に潜ろうとするハタの強烈な抵抗にガンガンとたたかれる高橋さんの竿。

軟らかい竿なら根に潜られてジエンドだ。

青物ロッドのバットパワーにものをいわせて魚を底から引き離し、途中にくる強い抵抗をためていなす。

最後はボコンッといった感じで灰褐色の魚体が浮上した。

「やったー!」

「おめでとう!」

取り込まれたマハタは貫禄ある3.5kg。

「あと1本出てほしいな」と船長。

水深98mからの流し。

すると高橋さんの竿がズドンッと入ったのが見えた。

「これも本命だぞ!!」

先ほどよりも格段に強い引き。

歓声とともに浮上したマハタはジャスト5kg。

これ以上のない満足サイズだ。

「おぉっ、こっちもきたか!」

左舷胴の間の桐山さんの竿にいいアタリ。

「入りは強かったけど、あとはそんなでもないな……」

期待外れかと思われたが、上がってきたのはイヤゴハタ。

1.2kgと小ぶりだったが、ヒット直後のトルクの強さはやはりハタ類ならでは。

最後の流しで平沢さんが2kgサイズのカンコを釣り上げたところでこの日の釣りを終えた。

当日の釣果は5kgのマハタを筆頭にイヤゴハタ、ヒラメ、カンコ、ムツなど多彩に上がり、南伊豆のハタ釣りに魅了された取材となった。

ハタ狙いはエサの生きイワシの入荷状況にもよるが、例年5月初旬ごろまで楽しめる。

一発大物を狙いつつ、ゲスト多彩な南伊豆のハタ釣りを楽しんでみよう!

釣行の写真

6kg級のワラサ

釣行の写真

1kgオーバーのイヤゴハタ

釣行の写真

2.5㎏級のヒラメも登場

知っ得! マハタ釣りの勘どころ

海底は起伏の激しい岩礁帯。ひと流しで20m以上も水深が変わることも珍しくない。

なので、たとえ底を5m切ったとしても、あっという間に仕掛けが底に着き根掛かりしてしまうこともある。

この日、本命のヒットこそ得られなかったものの、アタリを一番多く出していた平沢さんはおよそ1分のインターバルで再着底、5m巻き上げのタナの取り直しを繰り返していた。

マハタに限らず根魚類は落ちてくるエサに敏感に反応し、逃げていくエサを猛然と追いかけ捕食する。

こまめなタナの取り直しは根掛かり防止と魚に対するアピールの相乗効果を生むのだ。

兆個の写真

当日は手を休めずタナを探る作戦が功を奏した

Tackle Guide

当日2尾のマハタを釣り上げた高橋さんのオモリにはホログラムシートが貼られていた。

こうした光を反射するアイテムはアピール効果が高いのかもしれない。

仕掛けの写真

当日マハタを独占した高橋さんの仕掛けがコレ。写真左がホログラムシートを貼ったオモリ

船宿information

南伊豆手石 敬昇丸

090・7026・1991

▼備考=予約乗合、6時集合。ほかモロコ、一つテンヤのアカハタ&カサゴ釣りへも

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隔週刊つり情報(2023年3月15号)※無断複製・転載禁止

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