関東のフグ釣りで穴場的存在のエリアが相模湾。
当地のフグ専門船のパイオニアである池田丸では、腰越~茅ケ崎沖の水深15~20m付近を狙い、ショウサイフグを主体にトップで20~30尾。
そのうえ目下は高確率でトラフグが交じっており、いい日は26~35cm級のトラフグを一人で10尾前後釣ることがあるという。
道具立てはオモリ10号のカットウ仕掛けの上に2本バリの食わせ仕掛けを付けるスタイルが主流で、いわゆる湾フグ用のタックルで楽しめる。
当地は水温が上がるにつれて釣り場にフグが集まってくる傾向があるというから3月も大いに期待できそうだ。
噂の相模湾トラフグ調査さらなる釣果上昇の兆しも
湾フグ釣りというと、東京湾のフグ釣りのイメージが強いが、何年か前から相模湾でもフグ釣りが盛んに行われるようになった。
腰越港の池田丸は、そんな相模湾のフグ釣りのパイオニア的存在だ。
ここ最近ショウサイフグを狙っていると結構な割合でトラフグが交じるとのこと。
直近の釣果を見てもトラフグを一人で10尾前後釣ったという日もチラホラ……船中でトラフグの型を見ない日はないという状況だ。
もちろんショウサイフグは安定して釣れ続いているから、人気なのも当たり前。
そんな相模湾の様子を調査すべく、2月12日の早朝、相模湾腰越港まで車を走らせた。
2隻出しの大盛況
4時半過ぎに到着したが、まだ漁港駐車場が開門されていないので、いったん近くのコインパーキングに駐車。
5時に船宿で受付を済ませてから、車を漁港駐車場に移動させた。
当日は30名ほどの予約が入っており大型船で2隻出しの大盛況。
僕は7号船の右舷ミヨシに釣り座を構えた。
各釣り座には冷凍のアルゼンチンアカエビが配られていた。
海水で解凍して皮をむいて準備する。
僕はチラシ仕掛けで釣る予定だったので、ハサミで適当な大きさに切り、エビ用の締め溶液に漬けた。
ほとんどの人がカットウ仕掛けの上に食わせ仕掛けを付けていたが、「最近はほとんど底で食ってきます。場所によっては、食わせ仕掛けにくることもありますが」という話を聞いて、シンプルにカットウ仕掛けオンリーとした。
6時過ぎに出船して向かったのは、腰越沖の水深15m。
このあたりは砂泥地でほとんど根掛かりもなく、トラフグ交じりの良型ポイントのようだ。
前日はウネリがひどくて釣りづらかったためかトップは10尾だったが、そんな中でもトラフグを5尾も釣った人がいる。
スタート早々、まだ薄暗い中でお隣さんが20cmオーバーのショウサイフグを釣り上げた。
「オッ、この調子でパタパタッと続くか」と期待してカメラを手にウロウロしたがエサもかじられない。
昨日のウネリの影響で底荒れ気味なのだろうか?
7時過ぎになって船は茅ケ崎沖へと移動。
水深は20mほどで、根掛かりに注意してくださいと船長からアナウンスがある。
すぐに僕の竿にモヤッとしたアタリ。
スッと合わせるとズシッ……ああ、快感!
上がってきたのは23cmほどのショウサイフグ。
そこから船中バタバタとヒットし、写真撮影も忙しくなってきた。
20cm弱の小型が中心だが、結構な数が抜き上げられた。
僕も続けて2尾をゲット。
ほかの人を見ると食わせ仕掛けに掛かっているケースが多かったので、ここで僕もカットウ仕掛けの上に食わせ仕掛けをセットした。
▲(左)難しいから熱くなる(右)小さなアタリを見逃さないことが肝心
出典:
▲(左)ショウサイフグの平均サイズは20~25cm前後(右)当日はチラシ仕掛けを使う人が多かった
出典:
▲(左)もちろん釣ったフグは 船宿で安全にさばいてくれる。ショウサイフグとトラフグ2種の食べ比べを楽しんでみては?(右)この日はショウサイを10尾前後の人が多かった
出典:
知っ得!船宿の食堂
船宿が食堂を併設していると釣り師には便利だ。
実際にそんな船宿はいくつかあり、池田丸の場合は漁師料理の店として知られ、船宿の2階には観光客も含めて多くの人が訪れている。
別店もあるようだが、釣行日は日曜ということもあって昼過ぎの船宿には入店待ちの人が何人もいた。
平日釣行の折にでも2階に寄ってみたいものだ。
Tackle Guide
チラシバリのカットウ仕掛けがおすすめ。
フグがエサに触れたときに歯がハリに当たってアタリが出やすい。
チラシバリに食ってくることもある。
同様の理由で船宿仕掛けもチラシバリとなっている。
良型がバタバタとヒット
しばらくして左舷大ドモで35cm弱のトラフグが釣れてビックリ。
同じタイミングで左舷胴の間氏、左舷ミヨシ氏も30cm弱のトラフグをゲットした。
ただ根掛かりが頻発するのが悩みの種。
船長は「1mくらい仕掛けを上げてもいいです」とアナウンスする。
僕はどうしても底狙いにこだわりたかったので数回は根掛かりした。
ただ、引っ張らずにたるませ気味にしてユラユラすると仕掛けは外れる。
強く引っ張るのは厳禁だ。 船長は転々と移動して流したが、10時ごろにエボシ岩と江ノ島の間を流したときは圧巻だった。
良型ばかりがバタバタ……30cm超えも交じり、良型の一荷なんてのもあって撮影には最高の時間帯だった。
正直言って竿を出せないわが身が辛い。
そうそう、この流しでは30cm弱のカワハギも釣れていた。
昼前には再度腰越沖へと移動し良型のショウサイフグとトラフグを狙っていく。
ここで、僕も良型を含めて数尾をゲット。
やはり良型を掛けたときの手応えはいいね。
途中の突っ込みも最高だ。
沖で風が吹いてきたということで13時の納竿予定が少し早まったが、僕は13尾で終了。
ツ抜けすればいいかなと思っていたから十分満足。
すべてカットウ仕掛けで釣り上げた。
竿頭は16尾、平均釣果は一人10尾弱といったところだろうか。
トラフグは船中3尾で、このところの釣果からすると少なかった。
別船は一人0~16尾で、トラフグを2尾ゲットした人もいたようだ。
その後、トラフグの釣果はトップ5尾ほどと安定してきており、この相模湾フグ祭りはまだまだ期待できそうだ。
さて、この相模湾のトラフグだが「ほほう」という背景がある。
放流事業が功を奏してすでに自然繁殖のサイクルができ上がっているようだが、神奈川県はその天然トラフグを「かながわブランド」として認定している。
神奈川県が一定基準の品質をクリアしている野菜、肉、魚などをブランディングする企画で、長井漁港では延縄漁で釣ったトラフグを「相模湾とらふぐ(天然・釣物)」として出荷しているんだとか。
改めて池田丸の親方に聞くと、「ここ1年くらいトラフグがやたらと増えてきた。ショウサイフグ狙いの釣り船だから、まだまだこの先トラフグの状況がどうなるかは見えない」とのこと。
ただ、延縄漁で安定釣果が得られているようなので、トラフグも交じり続けるだろうと思われる。
これからが楽しみだ。
▲今春は例年になくトラフグが高確率で交じっている
出典:
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隔週刊つり情報(2023年3月15号)※無断複製・転載禁止