私が本誌でライターデビューした約15年前、五郎丸のタチウオ船担当カズ君こと福本一行船長もまた新米ホヤホヤだった。
「一緒に頑張っていこうね」と志をともにした彼も今や37歳。
いつもニコニコしていて、客あしらいもよく、すっかり立派な船長である。
プロフィール
カマちゃん 釜井 昌二(かまいしょうじ)
旬の新ワカメがうますぎた!
アトリエぷらりおさかなイラストレーター。
A.T.LABフィールドアドバイザー。
五郎丸のスタッフ
半日船からショート船へ
カズ君の姉、さっちゃんこと山口幸子さんは、山口隆幸船長と結婚して二男一女、三人の子宝に恵まれた。
数年前、母いさ子さんから店番や裏方を引き継ぎ、元気に五郎丸の陸番を務めあげている。
さっちゃんの夫、タカさんこと山口隆幸船長は、さっちゃんと結婚した後、脱サラして五郎丸スタッフの一員になった。
船長になりたてのタカさんは緊張感をみなぎらせて操船していたけれども、今ではすっかり頼れる船長。
秋~冬のカワハギ船、ほかの時期は主にアジ船を担当する。
そしてカズ君とさっちゃんの父である店主のキヨさんこと福本清行船長は現在アジ船を担当。
とにかく働き者の船長で、この時期は港の目の前で育ったワカメの収穫にも追われる。
アジ船の出船前に伝馬船でワカメ棚へ出向いて収穫。
帰港したら、これまたすぐにワカメ棚へと向かって収穫。
葉の部分をすぐに干せるようメカブを切り落としながら収穫してくる。
そうして運ばれたワカメの葉は、ほぼ一家総出で吊るして天日干しに。
先代の勘吉船長と奥様の博子さんもその手入れに精を出す。
このおいしいワカメは釣り人のお土産にも供されて、それを楽しみに訪れる人も少なくない。
カズ君、タカさん、キヨさん、どの船に乗ってもユルリと沖釣りを楽しませてくれる五郎丸だが、このたび出船スタイルが変更になった。
従来は午前タチウオ、午前午後アジと半日便で出船していた釣り物をショート船に変更したのだ。
ショート船は半日船より少し長く、一日船よりも少し短い実釣時間で、13時に沖揚がりする。
色んな思いがあって、家族会議で変更を決めたそうだ。
個人的な意見となるが、私はこのショート船の「ちょうどいい」感じが好き。
間的に半日船だと少し物足りないけど一日船だと長過ぎる、夕方の渋滞が始まる前に家路につける、帰宅後の後片付けや魚の処理に時間的な余裕が持てる、乗船料がリーズナブル、などが理由だ。
▲干しワカメの手入れに精を出す福本勘吉船長と博子さん
出典:
▲掛かり所が悪そうなら迷わずタモを使いたい
出典:
▲船中第1号はおいしそうな中アジ
出典:
▲ビシアジ釣りはベテランさんが多い
出典:
食べておいしいちょうどいいサイズ
五郎丸のショートアジ船にお邪魔したのは2月上旬のこと。
7時15分に出船し、8人の釣り人とお手伝いの座間純一さんとともに出船。
「お待ちどおさまでした。タナは下から2~3mです」とキヨさんからアナウンスがあって、横須賀沖の水深66mのポイントからスタートした。
ここでは刺身にもフライにも干物にもまさに「ちょうどいい」サイズの中アジが釣れた。
終盤に狙った水深60mの観音崎沖では大~中アジがポツポツ釣れて、大きなサバも交じった。
初挑戦の方も座間さんのアドバイスでツ抜けでき、トップのベテランさんは52尾で納竿。
ほとんどの方が30尾前後を釣り上げた。
帰港後、釣り人が帰った後も五郎丸に残って皆さんの働きっぷりを眺めていたら、過去に五郎丸で過ごした色んな思い出が蘇ってきた。
今18歳になった息子が6歳のとき、二人で本誌の表紙を飾ったことがあった。
その直後、たまたま五郎丸へ出かけた折、「ほほ~、表紙になるとは有名人!ボク、ここにサインしてくださいな」と勘吉さんがその表紙を差し出してきて、息子がヘタくそな平仮名で名前を書いたことがあった。
それが今なお船宿の一番奥に飾られていて、うれしくもあり、懐かしくもある思いで一杯になった。
カメラ片手じゃ釣りが物足りないから、次は「ちょうどいい」ショート船を満喫しに遊びに出かけるとしよう。
▲序盤~中盤はこんな中アジが多数釣れた
出典:
▲こんな幅広のアジがそろうからたまらない
出典:
船宿information
五郎丸
046・841・9256
URL: http://www.gorou.co.jp
【 船宿アクセス 】
●車/横浜横須賀道路「浦賀IC」を出て最初の信号を右折。
道なりに観音崎方面へ2.5km進んだ先にある「鴨居港」交差点を右折。
しばらく進んで、かもめ団地を抜けた先の左側に鴨居大室港がある。
港入口の前にある五郎丸の駐車スペースへスタッフの指示に従って駐車する。
●電車/京浜急行浦賀駅下車。
駅前から京急バスかもめ団地行きで終点下車。
所要時間は10分ほど。
バス停のすぐ先が鴨居大室港で、徒歩1分。
釣り船予約サイト「釣割」のスタッフがオススメする釣り船はこちら!
【三浦半島(神奈川県)・マアジ】人気ランキング
【三浦半島(神奈川県)・マアジ】価格ランキング
隔週刊つり情報(2022年3月15号)※無断複製・転載禁止