東京湾で人気の小物釣りシロギス。
冬場は身にほんのりと脂が乗ってより一層おいしくなる。
定番の天ぷらはもちろんフライや塩焼き、生で味わうなら昆布じめがおすすめだが、イチ推しはうま味が凝縮された干物。
シロギス釣りを看板に掲げている東京湾奥横浜本牧の長崎屋を取材した1月15日は中ノ瀬の水深18~19mを狙い、14~23cmのシロギスをトップ136尾。
当日は朝から活発な食いを見せ、同宿推奨の胴つき仕掛けで手返しよく数をのばして平均50尾の釣果を得て、全員大満足で一日を終えた。
例年なら水深30m前後のポイントへ移動した落ちのシロギス狙いの時期だが、今年は水温が下がらず安定しているため、もうしばらくは浅場で良型交じりの数釣りが楽しめそうだ。
▲当日最大の23cmのシロギス
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▲トモで2本竿を操るベテランの小林さんは136尾を釣り上げた
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沖釣りの入門魚として人気のシロギスは、簡単なだけではなく、奥深さもあり、ビギナーからベテランまで楽しめる人気魚。
この数年の東京湾では夏から冬にかけてロングランでシロギスが好調になる傾向が見られる。
1月中旬現在、シロギスの乗合船が出ているのは東京湾のみ。
目下は中ノ瀬の水深18~19mが主な釣り場になっている。
例年なら水温が11度台に下がり、水深30m前後の深場に移動する時期だが、水温が12度台で安定していて夏と同じく浅場で釣れている。
そんなシロギス釣りをより楽しむために今回は東京湾奥・横浜本牧の長崎屋で教わった胴つき仕掛けのシャクリ釣りを紹介したい。
▲当日の釣り場は中ノ瀬の水深18~19m
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絡みにくくて手返しもいい胴つき1本バリ仕掛け
タックルは竿は全長1.5~1.8m前後、オモリ負荷表示8~15号のシロギス専用。
シャクるのに適した胴に張りのあるMパワー以上がおすすめ。
リールは小型スピニングで、道糸にはPE0.8~1号を巻いておく。
胴つき仕掛けは、幹糸から直接枝スが出ている構造で、仕掛け絡みなどのトラブルが少なく、アタリがダイレクトに伝わりやすい。
潮が流れていれば仕掛けを止めていてもエサが底を引きずらずにシロギスの泳層を漂ってくれる、といった特徴がある。
横浜本牧周辺では昔から胴つき仕掛けは使われていたが、今では愛用する人が増え、テンビン仕掛けと並ぶシロギスの定番仕掛けとなっていて、扱いやすさから入門者にすすめる船長も多い。
ハリ数についてはシロギスが上バリに食ってくることが多ければ2本バリでもいいが、1本バリのほうがエサ付けが楽なので、手返しの面では断然有利だ。
長崎屋の船宿仕掛けは、幹糸1.5号80cm、枝ス1号40cm、ハリは東京湾でよく使われている競技用キス6~8号より大きな9号を使用。
「シャクって掛ける釣りなので、ハリは大きいほうがスッポ抜けにくいし、エサも付けやすいよ」と船長。
なお、オモリはオマツリ防止のため15号で統一している。
エサはアオイソメを5~6センチに切り、頭部は切らずに残しておく。
付け方はエサが海中で回転しないようチョン掛けにするのが長崎屋流。
頭部がある側は口の中に、切ったエサを使うときは切り口からハリを刺す。
エサは新鮮なほどシロギスの食いがよくなると思っていたのだが、弱っていて軟らかいほどシロギスが吸い込みやすいという。
エサがかじられて短くならないかぎりは付け替えなくてよく、むしろ釣れたエサのほうが食いがいいらしい。
アタリが判別できなくても釣れる胴つき仕掛けのシャクリ釣り
胴つき仕掛けのシャクリ釣りは10秒に1回くらいのペースで空シャクリを繰り返す釣り方。
オモリが着底して、次のシャクリに入るまでの間にユラユラと落下するエサをシロギスが吸い込んでいるので、アタリを取らなくても自動的にハリ掛かりしてしまう。
シャクったときにカウンター気味に出る衝撃は、一度味わうとヤミツキになる。
アンダーハンドでキャストして10秒に1回シャクリ上げる
長崎屋の胴つき仕掛けのシャクリ釣りは、根掛かりの多いポイントも狙う横浜方面で発展した釣り方で、シャクリのたびに仕掛けを移動させることで常に新しいポイントを探ることができる利点がある。
釣り方はアンダーハンドキャストして仕掛けが着底したら糸フケを取り、10秒待ったら頭上まで大きくシャクリ上げる。
続いて仕掛けが沈む早さに合わせて竿を下ろして再着底させ、再び10秒ほど止めて待ち、シャクる。
これを船下まで繰り返して探る。
この釣り方はオモリが着底して、次のシャクリに入るまでの間にユラユラと落下するエサをシロギスが吸い込んでいるので、待っているときにアタリを感じなくても一定の間隔で空合わせを入れて釣っていくのがコツ。
胴つきシャクリのアタリはシャクリに移った瞬間に突然ククッと竿先が押さえ込まれるから、そのまま頭上まで竿を立てて合わせる。
つまりシャクリがそのまま合わせにもなる。
10秒待つときはオモリを底へ着けたまま道糸を張らずたるませずのゼロテンションを保持して待つ。
このとき竿先を海面に向けたままだと船の揺れでオモリが動いてしまうことがあるので、竿は下げずに水平よりやや上に構えて竿先が目線にくるようにするのがコツ。
待っている間に竿先が小刻みに揺れたり、プルプルッと派手な感じでアタリがくることもあるので、そんなときは次のシャクリを待たずに合わせよう。
うまくハリ掛かりすれば竿先が気持ちよく曲がり込んでくれるから、あとはそのまま巻き上げてくるだけ。
オモリが海面から出たら巻き上げを止め、竿を立てればオモリが手元にくるので、それをつかんで船内に取り込む。
巻き上げ過ぎると竿先が折れることもあるので注意しよう。
今回、船長に教わった胴つきシャクリはアタリの判別に慣れていないビギナーにこそチャレンジしてほしい。
シャクリと同時にアタリがやってくる快感はたまりませんよ!
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隔週刊つり情報(2023年2月15号)※無断複製・転載禁止