人気のカワハギは新年も各地で好調をキープ。
1月3日に向かった三浦半島久比里の山下丸では、高水温の影響かこの時期としては比較的浅場の竹岡沖20mダチを中心に狙ってトップ20枚とまずまず。
竿頭となったカワハギ界気鋭の若手・荒井良乃介さんはゼロテンションで長めに止めてアタリを出させる作戦で数をのばしたが、その一方キャストで広範囲を探る人もあり、皆さんあの手この手でカワハギとの攻防を楽しんだ。
これからは水温の低下にともない水深30~40m台に舞台を移し、深場に良型のカワハギたちが固まるため難しくも面白い時期。真冬の寒さを忘れる熱い釣りを楽しみましょう!
三浦半島久比里の山下丸には出船2時間以上前だというのに続々とカワハギファンが集結していた。
新年2日と3日はカワハギ船のみの出船だそうで、取材に訪れた3日は3隻の船に60人ほどのファンが乗船。
寒さは厳しくなってきたがこの熱気はすごい。
今冬のカワハギは比較的好調で年末はトップ25枚前後で推移。
初日はトップ23枚で35cmの特大サイズも上がったそうだ。
「水温が少しずつ下がっていて、食いも多少上下しているけどまずまずですね」と坂本司郎船長は言う。
水温は13~14度台をいったりきたりしているものの、主戦場の竹岡沖は水深20mほどの浅場をメインに狙っているそう。
この日は名手の荒井浩さん、良乃介さんの親子のほか、女性3人、子ども1人合わせて22人で出船して竹岡沖を目指す。
水深20m前後でスタート。
開始からエサも取られないような状況が20分ほど続く。
ようやく船中1枚目が右トモで顔を出すと、右舷で続けて2枚。
このまま食い出すかと思ったらまたしばらく沈黙が続く。
「エサを全然取られない」
「小さいアタリがあってもそこから食い込まない」
そんな声があちこちから聞こえてきた。
前日よりも若干水温が下がっていてカワハギの活性が低いようだ。
その後もたまにポツポツといった食いが続くが、食っても途中でバラすなど食いが浅いようだ。
ただし、上がってくるカワハギは20cm超えがほとんどで30cmに迫る良型もいる。
▲30cmに迫る良型が数枚上がった
出典:
▲当日の最大は31.5cm。このサイズの引きはしびれます
出典:
いかにしてアタリを出し 吸い込ませるかが問題
そんな中で荒井さん親子の父、浩さんが一人気を吐く。
「集寄の釣りが効いているかもしれません」と9時半の時点で5枚。
集寄を完全に底にはわせるようにして、ゆっくりと起こしてくるときに出るアタリを拾っているのだという。
良乃介さんは「ほぼエサを取られない」と、いかにしてエサを食ってもらうか模索中だ。
浩さんが5枚の時点で良乃介さんは1枚。
「息子には中学生のころに抜かされちゃったよ。今日も多分やられちゃう」と浩さん。
このとき、ほかには船中で3枚が1人、2枚が4人、1枚が5人で、半数の人が顔を見られていないという厳しい状況。
「最初にアタリがあってから、どうやって食わせるかという勝負になっています。シビアですが面白いです」と良乃介さん。
船は小移動をしながら流し込んでいく。
一時、30m台を狙ってみたが、小型の姿が目立ち再び20m台の浅場へ。
10時を過ぎると多くの人が顔を見て、カワハギ初挑戦の三浦裕翔君(小学3年生)もゲット。
良乃介さんが5枚釣ったところでこの日の傾向と対策を教えてもらった。
荒井良乃介流 厳冬期の傾向と対策
【仕掛け】=ハリス1.7号と細めのものを8~10cmと長めに、ハリはスピード7号メインと小さめに。
一番上のハリの上に1~1.5号のシンカーを装着する。
【この日の傾向】
①仕掛けが移動すると追ってこない。
②吸い込みが極端に悪い。
【対策】
①オモリトントンにすると仕掛けが動いていってしまい魚が追ってこないので、ゼロテンで5秒以上止める。
②手感度で感じるような大きなアタリはほとんどないので、穂先に出る違和感を感じたら、竿先を気持ち緩める感じ=シンカーが下がることによってできるたるみを使ってエサとハリを口の中に吸い込ませる。
ここで出たアタリで合わせを入れる。
以上がこの日におすすめしてくれた釣り方だ。
「これは厳寒期の釣り方ですね。今日はそこまで水温は低くありませんが、冬場はこういった釣り方で拾っていくといいですよ。水温が低くて活性の悪い日でも、上げ潮で沖から暖かい海水が入ってくるといきなり活性が上がることもあります」
ただし実際にやってみると難しい。
たまに小さいアタリを感じ取るものの、そこからハリ掛かりに持っていけないのだ。
言葉で聞いて理解できても、仕掛けがどれくらいの角度になったら食いやすいのか、どれくらいのスピードで動かしたらいいのかなどが難しく、やはり経験と技術の差がものを言うようだ。
こりゃ悶絶しますわ。
このようにアタリが小さいときは、穂先が軟らかくアタリが大きく出る竿のほうが有利だろう。
さて、船上では11時過ぎからミヨシ側が騒がしくなっていく。
右舷では鎌田佳軸さんが当日最大の31.5cmに続いてダブルを決めると、左舷ではミヨシ2番の為田光昭さんがキャストで数をのばしていき15枚超え。
良乃介さんも序盤の不調を吹き飛ばすように10枚超えで浩さんを追い抜く。
良乃介さんはパターンをつかむと、そう多くはないチャンスを確実にものにし、ラストには20枚とさすがのトップ。
為田さんの19枚、鎌田さんの17枚と続いた。
坂本船長によると、1月に入っても浅場で釣れているし、これから水温が下がれば水深40m前後を狙うようになり、冬のカワハギ釣りはもうひと盛り上がりはありそうとのこと。
まだまだ熱い冬カワハギシーズンは続きますよ!
さて、この日持参したはずの偏光グラスが見当たらず船上では大変まぶしい思いをした。
車の中にもないし帰宅した自宅にもないので船宿に電話をしたら、「船の中に落ちていました」とのこと。
これは取りに行きがてら再挑戦しないとですね。
その顛末はまた機会があれば……。
大作戦・カワハギ釣りの大作戦
オモすごい人から宙釣りを学ぶ、からの~
今回は本誌根岸会長のYouTube動画「カワハギ オモすごい人」から「中高年アングラーにおすすめ」という、のんびりと宙でアタリを待つという作戦を遂行することに。
しかし当日、名手・荒井良乃介さんが同船すると知るや、あっさりと宙釣りプランを捨てて、荒井さんからこの日の必釣パターンを教えてもらう、という作戦に切り替えた。
そして11時からの3時間勝負で3枚を目標にするも、ワタシには教えていただいた「ゼロテンキープからアタリを出し、シンカーでたるみを作ってハリを吸い込ませる」という作戦を釣果に反映させるだけのウデがなく、残りわずかの時間でゼロ枚。
そして、加藤編集長からの「取材になった?」というメールに返事するため、オモリを2m上げていたら勝手にカワハギが掛かってきてしまう、つまり宙で釣れちゃったというトホホな結果に。
大作戦は微妙なものになってしまったが、本文に記した荒井さんのアドバイスはとてもためになりましたよ!
ぜひ、皆さんもお試しを!
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隔週刊つり情報(2023年2月1号)※無断複製・転載禁止