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年末年始に福を呼ぶ湾フグオールスターズ

隔週刊つり情報編集部

「ふぐ」を「ふく=福」と呼び縁起をかつぐ地方もあるように、フグは新年の祝い膳を飾るにふさわしい魚。

今冬の東京湾では、本牧沖など神奈川県側では例年どおりヒガンフグ主体に狙っている船が多いが、千葉県側の大貫沖ではコモンフグ、ショウサイフグ、ヒガンフグが交じりで釣れるうえ、運がよければトラフグがヒットする面白い模様になっている。

取材した三浦半島鴨居大室港の一郎丸では、日によりどのフグが多いかは変わるものの、トップ30~40尾前後で良日は70尾以上という好模様。

同船のフグ乗合はカットウ仕掛けが基本だが、当日は食わせ仕掛けを組み合わせる人も多かった。

自分なりの攻略法で湾フグオールスターズを楽しもう。

釣行の写真

▲1kg級のトラフグも登場

釣行の写真

▲自作のチラシバリ仕掛けでヒガンフグをキャッチ

釣行の写真

▲ベテランは時合に手返しよく釣って数をのばす

(左)2番手は右ミヨシで28尾(右)コモンは15~20cm級主体

(左)ここに掛かれば合わせのタイミングはバッチリ(右)ショウサイは30cm前後の良型が目立った

日本近海にフグの仲間は50種以上いるといわれているが、そのうち東京湾の遊漁船でフグ釣りの対象となるのはショウサイフグ、ヒガンフグ、コモンフグ、トラフグの4種。

ショウサイフグなどは周年狙えるが、東京湾のフグ船では季節によりメインに狙う種を変える船が多い。

主な釣期はトラフグが春~初夏、ショウサイフグが初夏~秋、ヒガンフグが秋~冬。

コモンフグはショウサイやヒガン狙いのゲスト的な扱いだが、近年魚影が増えており食味もよいため人気がある。

東京湾のフグ船の出船港は前ページのマップのとおり。

今冬も東京湾奥出船では、例年どおり川崎~本牧沖など神奈川県側ではヒガンフグ主体に狙っている。

一方、今回取材した三浦半島鴨居大室港の一郎丸では、目下は千葉県側の大貫沖を中心に狙い、ショウサイフグ、ヒガンフグ、コモンフグが交じりで釣れるうえ、トラフグがヒットすることもある面白い模様になっている。

釣行の写真

▲冬の湾フグはヒガンフグが主役

カットウ仕掛け&タックル

湾フグの道具立ては、5kgオーバーの大型も上がるトラフグ狙いの時期を除いて、基本的にはショウサイもヒガンフグも同じでいい。

竿は湾フグ専用竿であれば理想的だが、なければカワハギ竿やシロギス竿などでも代用できる。

リールは小型両軸でギア比の高いタイプを選びたい。

フグはハリ掛かりしたあと海面に向かって泳ぐことがあり、糸フケが出るとバレてしまうことが多い。

そこで、掛けたら一気に巻き上げるためにギア比の高いリールがおすすめとなる。

道糸はPE1号前後を巻いておく。

2号以上の道糸は潮を受けて釣りづらかったりオマツリの原因ともなるので太くても1号にとどめたい。

仕掛けは、オモリ10号を基準にしたオーソドックスなカットウ仕掛けに、保険的な食わせバリを1~2本、カットウ仕掛けの上に付けておいてもいい。

基本的にフグが食ってくるのは底付近だが、根周りや斜面のポイントでは食わせバリに食ってくることもある。

また取材日に使っている人が多かった仕掛けが、エサバリを3本ほど出したチラシバリ仕掛け。

ショウサイフグに比べエサに執拗にアタックしてくるヒガンフグがメインになる冬場は、チラシバリ仕掛けを使うことでエサバリに掛かる率が高まるそうだ。

そのほか、根掛かりが多いヒガンフグの釣り場では、仕掛けの全損を防ぐためにハリスの先にハリス止め付きサルカンを結び、1~2センチ程度のハリスを結んだカットウバリを接続する仕様が安心。

この場合、カットウバリに結ぶハリスは3~4号とリーダーより細くしておく。

エサは主にアルゼンチンアカエビ。

エサ代は乗船料に含まれていない船宿がほとんどで、受付時や船中にて購入する。

一日一人当たりのエサの消費量は20~30匹といったところ。

カットウ仕掛けのエサの付け方はカラー77ページを参照。

なおチラシバリの場合は、食わせ仕掛けのエサ付けと同じ要領で、小さく切ったエビを縫い刺しでエサバリに付ければいい。

アタリを待つときはゼロテン誘いを兼ねて一定のペースで軽くシャクる

釣り方の手順は、オモリを底に着けて竿先が曲がるか曲がらないかくらいのゼロテンションで待ち、アタリがあれば即合わせ。

アタリがなくても3~5秒ごとに20~50cmほど軽くシャクリ、竿先をジワーッと下げてゆっくり落とし込み再着底させる。

基本はこの繰り返しだが、根が荒いポイントでは底で待つ時間を短くして根掛かりを防止しよう。

アタリは底に仕掛けを着けているときに出ることが多いが、仕掛けを下ろしている最中にアタリが出た場合は、そのまま着底するまで下げてから合わせるか、アタリが出た位置で止め、一呼吸置いて合わせる。

アタリの感触を言葉にするのは難しいが、手元にツンという感触で伝わるアタリが出るのは活性が高い証拠。

通常は竿先がわずかにおじぎしたり、モヤモヤとした感触がそれとなく伝わる程度。

食いが渋ければ、なんの感触も伝わらないままエサだけ取られていることもある。

いずれにせよ、何かしらの変化を感じたら合わせる。

掛けバリに引っ掛けようとする気持ちが強いとシャクリが強く大きくなりがちだが、それではエサに寄ってきたフグを散らしてしまう。

ハリスの長さと同じくらい(15cm程度)掛けバリの位置が持ち上がればハリ掛かりするので、小さく竿先を跳ね上げる程度に軽く合わせれば十分。

うまくハリ掛かりすると竿先がズシッと押さえ込まれるので、道糸を緩めないように巻き上げる。

取り込みは小型は竿で、30cm級はリーダーをつかんで抜き上げる。

40cm級の特大サイズは声をあげてタモ取りしてもらおう。

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隔週刊つり情報(2023年1月15号)※無断複製・転載禁止)※無断複製・転載禁止

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