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[出会いを求めてフラリと釣行。カマちゃんの船宿探訪(第31回)]決意新たにした若手船長がもてなす日立の海~茨城県日立会瀬港・弁天丸の阿部竜也船長~

隔週刊つり情報編集部

茨城県日立沖に広がる太平洋は四季折々、様ざまな魚が釣れ上がるとても豊かな海。

当地にすっかり定着した一つテンヤは、いつも五目釣りの様相で、マダイ以外にもハナダイ、オキメバル、メバル、ヒラメ、アイナメ、ショウサイフグ、カサゴ、マゾイ、ホウボウ、イナダ、ワラサのほか、ここ数年はマハタもよく顔を出す。

そんな多彩な魚種に恵まれた日立会瀬港には、茨城や栃木はもちろん東京や埼玉、あるいは東北と、近隣のみならず遠方からもたくさんの釣り人が足を運ぶ。

プロフィール

カマちゃん・釜井 昌二(かまいしょうじ)

お汁粉はこし餡派。アトリエぷらりおさかなイラストレーター。

A.T.LAB フィールドアドバイザー。

約5年前にUターンして家業を継承

日立会瀬港の弁天丸は阿部正美船長、おかみの友子さん、息子の竜也船長の3人家族で営む船宿。

メバル釣りで知られた正美船長は一線を退き、一年のほとんどを竜也船長の操船で出船している。

周年の一つテンヤマダイを看板としつつ、沖に群れが来遊すればヤリイカやタチウオ、正月前にはマダコと、旬や釣り人からのリクエストに応じて出船する。

阿部竜也船長は昭和62年生まれの34歳。

日立市に生まれ育ち、高校を卒業すると上京。

そののち、5年ほど前に帰ってきた。

Uターンのきっかけは、日立久慈漁港の大貫丸、大貫翔平船長との出会いだった。

友人の結婚式に出席した際に知り合って話が弾み、実家が釣り船であることを翔平船長に話すと、「絶対に家業を継いで船長になったほうがいいよ!」と背中を押されたという。

色んな意味で人生の節目を迎えていた竜也船長は家業を継ぐ道を選択。

父、正美船長を師として修業を積み、弁天丸の若船長としてデビューしたのだった。

その後に船を購入して新装し、令和2年10月14日に新船を就航。

清掃が行き届いたピッカピカの船で釣り人をもてなしている。

総トン数11トンの新船は釣り座が広く、安定感があり、釣り心地は抜群。

船中のそこかしこにロッドホルダーがあって、数組のタックルを持ち込んでも邪魔にならないのがうれしい。

また、最大でも片舷8人までとしているから、混雑気味の日でも左右の釣り座間隔が十分取られることもありがたい。

釣行の写真

▲ポイントが近いから薄暗い夜明け前から実釣開始

釣行の写真

▲食べごろサイズのマダイがそろった

釣行の写真

(左)ハナダイの魚影 もすこぶる濃い(右)風や潮の具合を見てパラシュートアンカーを入れて流すことが多い

小型主体も アタリは活発

取材日も一つテンヤマダイでの出船。

4人の釣り人とともに日立沖の釣りを楽しんできた。

この日は航程15分ほどの真沖から開始、水深27~43mのポイントを狙った。

先週までは良型交じりで模様がよかったもののここ数日は今一つの釣況と聞いていたけれど、日の出前から小型のマダイ、レアなカンダイ、でっぷりとしたカサゴが口を使ってまずまずのスタート。

また、一つテンヤのほかタイラバ、タイジグ、スロージギングを同じ釣り座で楽しめる。

要は周りに迷惑をかけなければオッケーだ。

取材時に推奨されたテンヤの号数は6~8号だったが、冬場はもう少し深いポイントを攻めることもあるから10~12号といった重めのテンヤも持参するといい。

併せてジグやタイラバも様ざまな重さを用意しておくといいだろう。

日が昇ってからも投入のたびにアタリがあり、とりわけ終盤は入れ食い。

マダイは小型中心だったがホウボウやハナダイも交じって、私も十分な晩酌の肴をゲットした。

土浦からいらした高梨さん兄弟は、お兄さんがメタルジグ、弟さんがテンヤメインで楽しみ、二人で
20枚ほどのマダイをキープ。

「色んな釣り方で楽しめるばかりでなく、外道が豊富で、とにかくアタリが多くて楽しかった」とそろって満足そうに竿を仕舞った。

それでも厳しい一日だったと少し肩を落とした竜也船長だったが、取材の数日後には1~2kg級交じりで好日が続いている。

「若い方や女性にも、もっと沖釣りを楽しんでもらいたいですね。レンタルは無料でお貸ししますし、リーダーの結束もお手伝いしますので、気軽に遊びに来てください」と話す。

穏やかで、一所懸命で、親切ていねいな竜也船長。また一人、いい船長に出会えた! そんな船宿探訪だった。

釣行の写真

▲テンヤでアタリを出しまくった高梨さん弟。数釣りを堪能したので次回はサイズアップに期待

釣行の写真

(左)「元もと釣りは好きなんですよ」と話す竜也船長もサクッと本命(右)終盤は小型ながらマダイが入れ食いになるシーンも

釣行の写真

(上)大型の青物も多いから油断は禁物(下)タックルがシンプルで親しみやすいのも一つテンヤのいいところ

船宿information

茨城県日立会瀬港

弁天丸

090・2549・9043

URL: https://bentenmaru.net/

● 予約乗合、仕立も可。第3月曜日定休。

● 釣り座は予約順で決定。

船宿アクセス

●車/常磐自動車道日立中央インターを出て、そのまま日立有料道路を進み、T字路交差点を左折、国道6号方面へ。桐木田交差点を右折して、国道6号を直進。

マクドナルドの看板がある城南町交差点を左折して道なりに約1.5km進んだ先が会瀬漁港。

船着き場前の空いているスペース(港内駐車の際はスタッフの指示に従うこと)と港前の道路の路肩スペースに駐車可。

弁天丸の設備とサービス

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