関東のカワハギ釣り場の中でも激戦区とされる竹岡沖や、金谷沖のカワハギ釣りが盛り上がりを見せている。
取材した内房上総湊港の加平丸は、手バネのシャクリ釣りで狙うエビエサのマダイ釣りで知られた船宿だが、秋~冬のもう一つの人気メニューがカワハギである。
当日は竹岡~金谷沖の水深20m前後を狙い、16~27cmのカワハギがトップ16枚。
ワッペンと呼ばれる小型は交じらなかった。
冬へ向けて水温が下がり群れが固まると今度は小型主体の数釣りとなり、さらにアツいカワハギ釣りが楽しめるようになる。
釣り場は竹岡~金谷沖の水深20m前後
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食味はこれからますますアップする時期
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前回の連載「Bグル隊+GX」で東京湾のカワハギ&スミイカリレーを紹介したが、その中でゲドゥーレシピ担当の私はカワハギ釣りのゲスト、キュウセンとトラギス料理を作り、Bグル隊員としての任務を遂行できた。
しかし願わくば本命カワハギを釣り上げたかった。
刺身の肝あえが食べたかったのである。
そんな本音を吐いていると内山記者から、「東京湾のカワハギ取材に行ってきたら」とうれしい言葉。
さっそく10月30日、内房上総湊の加平丸へ釣行した。
ここはエビタイの伝統釣法・シャクリ釣りで周年出船する老舗船宿で、秋~冬にかけてはカワハギ乗合も出船している。
当日は私を含めて6名が乗船、私は左胴の間に入る。
アサリのむき身エサが配られ、準備が整ったところで定刻の7時に出船。
15分ほどで竹岡沖の水深20m前後のポイントに到着。
「それでは始めてください。どうぞ!」のアナウンスでスタート。
開始早々に左トモの方がタタキのあとにたるませる釣り方で20cm級のカワハギを上げた。
続いて右トモの方が誘い上げて同サイズを釣り上げると、右胴の間の方も続く。
さらに両舷のミヨシの方も20~25cm級を上げて、釣り始めから30分ほどで私を除いた全員が本命を手にした。
8時半になると竹岡沖にカワハギ船が続々と集まり、船長は混雑を避けるように、「金谷沖まで走ります」と移動を告げる。
竹岡沖では底付近でアタることが多かった
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宙釣りで5連発
9時に金谷沖の水深20m前後で再開。
カワハギ船は数隻いるだけで、広く流して狙えそうだ。
しばらくするとそこかしこでカワハギが顔を見せるようになる。
中でも左ミヨシの曽子さんと右胴の間の矢澤さん、両名のペースがいいようだ。
その釣り方を観察してみることにする。
曽子さんは宙釣りだ。
着底したら竿先を目の高さに合わせて構え、仕掛けを1.5mほど巻き上げる。
そこから竿先を10cmくらいの幅で上下に揺らしながら仕掛けをゆっくり落とし込んでいく。
「エサ取りを避けるために仕掛けを浮かせ、やる気のあるカワハギにエサを追わせて釣るイメージです」と教えてくれた。
これが見事にハマり20~27㎝のカワハギを5連釣。
実に気持ちのいい釣れっぷりだった。
矢澤さんは横の釣り。
仕掛けをキャストして着底したら糸フケを取り、竿先を上下させてオモリで海底をトントンたたきながら仕掛けを引き寄せてくる。
仕掛けが船下まできて道糸が立ったらその場で海底をトントンと1~2秒に一回小づいて誘う。
「エサのアサリを躍らせて誘ってやるイメージですね」と矢澤さん。
ポイントを広く探れることもあるが、この動きで船までカワハギを寄せてくるわけだ。
11時ごろになると、釣れてくるペースが落ちてきた。
「なんか、潮がたるんできちゃいましたねぇ……」と船長は何度も流し変えてくれる。
その都度カワハギは追釣されるのだが、船中で数枚といった程度だ。
宙で釣っていた曽子さんもアタリが遠くなり底狙いにシフトしている。
キャストして小づいて止めるを繰り返して誘い、数をのばしていた
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金谷沖では宙釣りで5連釣した人もいた
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タタキ&タルマセできた
昼過ぎ、上げ潮に変わるタイミングで私も竿を出す。
エサを付け仕掛けを投入。
着底させてゼロテンからタルマセ気味にするとエサ取りらしきアタリ。
巻き上げるとすべてエサが取られていて、そのうちハリが1本なくなっていた。
おそらくサバフグの仕業だろう。
想像以上にエサ取りの活性が高いので、タタキ&タルマセ釣りを試してみる。
仕掛けが着底したら10回ほどタタキを入れ、エサ取りを交わしつつカワハギを寄せ、スッとタルマセて違和感なく食わせるイメージだ。
聞き上げてみるとエサ取りのアタリ。
とはいえまだエサが2つ残っているはずなので、再度タタキ&タルマセで誘うと、カツカツと竿先がたたかれる。
ゆっくり聞き合わせるとカンカンという鋭い引きが伝わり、巻き上げると上のハリに25cm級のカワハギ、下のハリにトラギスが掛かっていた。
最初のエサ取りのアタリで仕掛けを回収しないでよかったとひと安心。
同じ誘い方で18cmを釣り上げる。
その後はしばらくエサ取りの猛攻にあい、26cmのカワハギを追釣したところで14時に沖揚がり。
釣果は16~27cmのカワハギがトップ16枚。
竿頭は曽子さんで、矢澤さんは11枚。
私は3枚を土産に持ち帰った。
「これから水温が下がって群れが固まり小型が交じると、数釣りが楽しめるようになります」と船長。
帰宅後、釣り上げたカワハギはどれもパンパンに膨れた肝を持っていて、肝あえが絶品だった。
秋から冬にかけてのカワハギは、釣り味だけでなく、食味の面でも釣り人を満足させてくれる。
アベレージは20㎝前後
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竹岡~金谷沖は根掛かりしにくいのでキャストして広く探れる
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知っ得!カワハギの活性に合わせたエサの使い分け
竿頭の曽子さんは硬さの違う2種類のエサを持参し、カワハギの活性に合わせて使い分けている。
硬めは活性が高いときやアタリが出にくいとき、軟らかめは吸い込みやすいので活性が低いときに使用する。
硬さの調節は塩で締める時間で決まり、硬めは2時間、軟らかめは30分とのこと。
右が水分が少ない硬め、左が水分が多い軟らかめのアサリのむき身エサ
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Tackle Guide
吸わせ系のハリは、文字どおり吸い込んでくれるので、活性の高いときはオートマチックにハリ掛かりしやすい傾向もあり、私のようなビギナーにもおすすめ。
また、今シーズンはサバフグが多くハリごと切られることが多いため、ハリス付きの替えバリをたくさん用意しておこう。
船宿information
内房上総湊港 加平丸
0439・67・1293
▼料金=カワハギ乗合一人8500 円(エサ、氷付き)
▼備考=予約乗合、7時出船。ほかマダイへも出船。無料駐車場あり。
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隔週刊つり情報(2022年12月1号)※無断複製・転載禁止