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大貫沖でアタリ活発!秋の湾フグは数釣りの好期(吉久/東京湾奥・浦安)

隔週刊つり情報編集部

東京湾のフグ釣り、いわゆる「湾フグ」は季節ごとにショウサイフグやトラフグ、ヒガンフグなどを狙って周年乗合船が出ていて、秋のメインはショウサイフグ。
 
今年は8月下旬から大貫沖で大きな群れが集まって入れ食いになる〝ヨリフグ〟と呼ばれる現象が起こり、9月下旬になっても続いている。
 
目下はショウサイフグとコモンフグが半々の割合で、15~20cm級主体にトップ50尾前後、好日には100尾を超える釣れっぷり。
 
東京湾のフグ釣りはカットウ仕掛けを使った釣りが主流ではあるが、この時期は底上1m、時に2~3m上でも食ってくることもあるため、タナを広く探れる胴つき仕掛けが有利になる。

そこで本編では食わせ(胴つき)仕掛けの湾フグ釣りを紹介したい。

(詳細は巻頭特集38ページ参照)

船の写真

当日の釣り場は大貫沖の水深10m前後

秋は東京湾のフグ、いわゆる「湾フグ」釣りの好期で、一年を通じて最も数が出る季節にあたる。

広範囲に散っていた群れがまとまる季節であるとともに、まだまだ水温が高くフグそのものの活性が高いので、アタリが多く、数釣りを楽しめる。
 
大貫沖の根周りにフグが寄り集まって数釣りが楽しめる「ヨリフグ」といわれる現象が起こるのも秋。

今年は例年よりも早く8月下旬から気配があり、15~20cm前後のショウサイフグとコモンフグ交じりで、いい日はトップ100尾以上の釣果が上がることもあり、9月下旬現在も盛り上がっている。
 
湾フグ釣りといえばカットウ仕掛けと胴つき仕掛けの食わせ釣りの2種類あるが、東京湾ではこの時期、フグの群れが固まり、反応が高く出ることが多く、タナを広く探りやすい胴つき仕掛けが有利。

取材した東京湾奥浦安の吉久でも胴つき仕掛けをすすめている。
 
そこで今回は、胴つき仕掛けの食わせ釣りにスポットを当てて紹介したい。

レーダーの写真

フグの活性が高いと魚探の反応が高く出る

タックルは湾フグ用・仕掛けは胴つき3~4本バリ・全長は長めが有利

竿はカットウ仕掛け用と同じく、繊細な穂先と張りのある胴を持つ湾フグ専用竿のほか、先調子のシロギス竿などが使われる。

胴つき仕掛けの全長は長いので、竿の全長は1.8m前後が扱いやすい。

リールは小型の両軸で道糸はPE1号以下、潮切れなどを考慮すればPE0.8号が推奨される。
 
仕掛けは胴つき3~4本バリ。

使用オモリは20号。

船長に聞いたところ高活性時は底上1m、ときに2~3m上でも食ってくるという。

そのため全長が長い胴つき仕掛けを使えばタナを広く探ることができるというわけだ。

ちなみに吉久の船宿仕掛けは全長145cmの4本バリ。
 
いつでも活性が高いわけではなく、ときには活性が低いときもある。

こんなときはフグは底付近にいて一番下のハリに食ってくることが多い。

そのためオモリのすぐ上にハリがくるように一番下のハリとオモリの間を詰めたり、オモリの上に枝バリを1本追加すると、そのハリによく食ってくるとのこと。
 
ハリは丸カイズ12号が標準。

小型のフグが中心なので小さいハリを使う。

また、釣っていくうちにハリ先が甘くなると掛かりが悪くなるので、交換用のハリも準備しておこう。

釣り人の写真

秋はカワハギなどのゲストも多く、エサをたくさん消費する

湾フグの胴つき仕掛け例

エサは解凍してから6等分に小さくカットして縫い刺しで付ける

出船前にすることはエサの準備。

使用するのはアルゼンチンアカエビで頭と尾羽根を切って殻を全部むき、身は小型のフグがエサを食べやすいように小さくカット。

エビの大きさにもよるが目安として、身は6等分してハリに付けやすい状態にしておく。

エサの付け方は縫い刺しにする。

エサを食べたときにハリが口の中に入りやすくするためハリ先は出さずにエサの中に隠しておく。
 
なお、秋はカワハギやカサゴなどもよく交じるのでアタリが多く、エサの消費量も増えていく。

釣りの途中でエサがなくなってしまったら船上で追加購入、もしくはあらかじめたくさん持参しておき、同じように処理をする。

入れ食い時にエサが足りなくなると釣果に影響するので、ある程度余裕を持って準備しておきたい。

エサの準備

エサの写真

①アルゼンチンアカエビを解凍する②頭を取り、殻をむく③身をハサミでカットする④6等分に切り分ける

エサの付け方

エサの写真

①切った身の端にハリ先を通す②身をチモトのほうへ移動させる③180度反転させる④ハリ先を押し込み完成

針の写真

吉久の船宿仕掛けは胴つき4本バリ。替えバリもあり、船上で購入できる

胴つき仕掛けのフグの釣り方イメージ

ゼロテンションでアタリを待ち聞き上げて合わせる

釣り方に関しては、難しいことはない。

まずはオモリが着底したら糸フケを取り、道糸を張らずたるませずのゼロテンションでアタリを待つ。

このとき竿を下げすぎると竿先が見えにくくアタリも見逃しやすい。

竿先は水平かやや上に構えるようにしたい。
 
ポイントは根周りなので、オモリを底に着けたままアタリを待ち続けると根掛かりすることがある。

そのためまめな底ダチの取り直しが必要で、誘いを兼ねて3~5秒に一度は50cm幅でシャクるようにしたい。
 
仕掛けを再着底させたらゼロテンションで3~5秒待つ。

この待ち時間が食わせの間で、このときにアタリが出ることが多い。
 
アタリは穂先がモタレたり、コツコツという感触が伝わってくる。

アタリを察知したら聞き上げて、フグの重みを感じたら竿を立てて合わせを入れる。

引っ掛けようとするような大きく鋭い合わせはフグを散らしてしまうことにもつながるのでNG。
 
相手はエサ取り上手なフグだけに知らないうちにエサを取られていることもある。

アタリがあってもなくても、しばらくしたら一度仕掛けを回収してエサをチェックしよう。

高活性時は素早く道糸を張って待ち底活性時はタタキやタルマセで誘う

続いてフグの活性に合わせた釣り方について。
 
フグの活性が高いときは、仕掛けを下ろすだけでバリバリ釣れる。

フグは底から浮いていて仕掛けが着底する前からエサに寄ってくる。

着底したら素早く糸フケを取ることが大切。

もたついて仕掛けがたるんだままではあっという間にエサを取られてしまうので気をつけたい。
 
フグが浮いているならオモリを底から離せばいいのでは?思われるかもしれないが、底を切って仕掛けを張った状態より、オモリを底へ着けてゼロテンで待ったほうがアタリは出やすいという。 

逆にフグの活性が低く、アタリが少なくエサも取られないことがある。

こんなときは底付近にフグがいるため、前述した低活性時の仕掛けを使い、積極的に誘いを入れる。

釣り方をたとえるなら、タルマセやタタキで誘うカワハギ釣りと一緒だ。
 
仕掛けが着底したら糸フケを取り、オモリを底に着けたままタタキを入れる。

この動きによってフグに興味を抱かせ、執着させるというのが狙いだ。

タタキを行う時間は、1回あたり3~5秒。

タタキのあとは、ゼロテンションに戻して3~5秒食わせの間を入れる。
 
これでもアタリがなければタルマセも効果的なので試してみよう。

オモリを底に着けた状態で竿先を下げていき、道糸と仕掛けを3~5秒たるませたらゼロテンションに戻して3~5秒食わせの間を入れる。
 
いずれの誘いもアタリがなければ繰り返し、アタリがあれば聞き上げて、フグの重みを感じたら合わせを入れてハリ掛かりさせる。

低活性時の釣り方イメージ

針の写真

フグにかまれないようプライヤーなどでハリを外そう

秋は数釣りのチャンス・大貫沖の湾フグ堅調!

9月14日、数釣りで盛り上がっている湾フグの模様を紹介するため東京湾奥浦安の吉久へ向かった。
 
当日は乗船者10名で定刻7時に出船。

ポイントの大貫沖には8時過ぎに到着。

「水深は10mです。どうぞ!」のアナウンスで釣り開始。
 
当日はカットウ釣りにこだわる方を除いて、ほとんどの方が胴つき3~4本バリの仕掛けでオモリ20号を使用。

エサのアルゼンチンアカエビの身を6等分にカットしてハリに付け、投入する。
 
開始早々に左ミヨシの方が15cmのショウサイフグを、右ミヨシの方が18cmのコモンフグを釣り上げる。
 
船長によるとこの時期に釣れるフグは15~20cm級の小型が多く、ショウサイフグとコモンフグの割合はおよそ半々とのこと。
 
幸先のいいスタートを切り、このあと船中入れ食いになるのかと思いきや、すぐに移動となる。
 
再開するとすぐにだれかしらにアタリがきて船中ポツポツ釣れるが、次第にアタリが遠くなり移動を繰り返す。
 
数日前まではフグの群れが固まり好調に釣れていたのだが、当日は群れが散ってしまい、群れを探して点在する根を転々とする展開になる。
 
頻繁に移動してフグの反応を探す船長からは、「皆さんに釣らせてあげたい」という気持ちが伝わってくる。

いい群れに当たれば多点掛けや入れ食い状態となり、一気に数がのびるようだが、果たしてチャンスは訪れるのだろうか。

釣り人の写真

食わせ仕掛けの湾フグ釣りを楽しむなら早めの釣行を

入れ食いで笑顔に

11時を過ぎたころ、それは突然やってきた。
 
船長に呼ばれて操舵室へ行くと、魚探には浮いたフグの反応が映っている。

濃い群れを見つけたようで船中のあちこちで15~20cm級が取り込まれ、オケがフグで埋まっていく。
 
時には半数の方が同時にヒットする一幕もあり、船内は盛り上がり、皆さん入れ食いを楽しんでいる。
 
当日は湾フグ初挑戦のビギナーの方もいて、これまでアタリも少なく苦戦していたが、「やっと釣れました。仕掛けを入れるとすぐ釣れるのでめちゃめちゃ面白いです。帰ってから食べるのも楽しみで空揚げにしようと思っています」と満面の笑みで話す。
 
このタイミングでほとんどの方がツ抜けを達成。

だれもが入れ食いタイムがもっと続いてほしいと願いながら釣りをしていたに違いない。

しかし楽しい時間はあっという間に過ぎてしまい、再び拾い釣りの展開となる。
 
アタリが遠い中、ポツポツとフグを釣り上げていたのは左ミヨシの遠藤さん。
 
遠藤さんは仕掛けをたるませて釣っている。

釣り方は着底したら糸フケを取り、道糸を張らずたるませずのゼロテン状態で3~5秒ほど待ち、アタリがなければ竿を下げて3~5秒ほどたるませてフグを誘っている。

イメージ的にはカワハギ釣りのタルマセ釣りだ。 
 
午後になっても状況は変わらないまま14時の沖揚がり。

釣果は13~24cmのフグが4~14尾。

カワハギ、カサゴが交じった。
 
吉久ではその後フグの模様が復調し、16日にはトップで57尾、17日は46尾、18日は107尾と爆釣している。

小型のフグの群れが釣り場に集まっているうちはまだまだ数釣りが楽しめるとのことなので、早めの釣行をおすすめしたい。

釣行の写真

ゼロテンションでアタリを待つのが基本

釣り人の写真

初挑戦でツ抜けしてニッコリ

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