今年の相模湾はキハダの魚影が濃いようで、好不調を繰り返しつつも、多くの船でキハダが上がっている。
8月下旬、三浦半島葉山あぶずり港・秀吉丸での取材日は小田原~真鶴沖の海域で船団に合流。
コマセ釣りは30~35m、エビングは20~60mの指示ダナでスタート。
群れを追って投入と移動を繰り返し、8時過ぎ、コマセ釣りの筆者(椎名)がアタリをとらえファイトタイム15分で23kgを釣り上げた。
その後も群れを追い、ソナーと魚探に濃厚な反応が出る流しが続く。
そして11時半過ぎにエビングにヒットし、およそ20分のファイトで26・4kgのキハダが取り込まれた。
一部サメにかじられてしまったが、無傷であれば30kgオーバーはありそうな太った魚体であった。
まだまだ食いそうな気配だったが、朝から吹いていた北東風が強まり12時半に沖揚がり。
9月に入り新群れが続々と来遊しているとの情報もあり、今年はキハダの当たり年になると予想する。
本誌発売の中旬以降は例年群れが落ち着き、流し釣りでキハダの荒食いが始まる時期。
50~80kg級の大型を視野に入れた万全の準備で挑んでいただきたい。
(詳細は45ページ参照)
当日は小田原~初島沖の海域に3つの船団が展開された
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魚が走ったらドラグを効かせて走らせる
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しっかり合わせて口角にハリ掛かりさせればキャッチ率アップ!
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キハダはギャフと大ダモを使って取り込む
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相模湾キハダ・カツオ仕掛け例
今や相模湾の一大イベントともいえるコマセ釣りのキハダ・カツオが開幕して1カ月。
今年はキハダが好調だ。
例年どおりエビング優勢でスタートし、お盆を過ぎたころからコマセでのヒットも徐々に増え、荒食いを見せた8月20日にはコマセで7ヒット5キャッチ、エビングで5ヒット2キャッチの好成績をたたき出した船宿もあった。
いよいよコマセ釣りの好期到来とばかりに8月21日、三浦半島葉山あぶずり港の秀吉丸へ向かった。
港の駐車場はすでに満車状態。
さぞかしお客さんが多いかと思いきや、大半が生きイワシエサのフカセマグロ船のようで、コマセカツオ・キハダ船はカツオが低調なためか、乗船者はコマセ釣り2名、エビング5名と休日としてはちょっとさびしい。
それにしても、やはりまだエビング優勢のようで、あぶずり港のほかのコマセ船も半数近くの人がエビング狙いのようだ。
漁協販売所で氷4杯を購入(1杯300円)し、小川敦船長担当の10号船に乗り込む。
キハダが釣れたときは船の保管ボックスに収納するが、氷は各自持ち寄りなる。
カツオ、キハダ釣りで氷は多いに越したことはない。
足りなくて魚が傷んでしまうことのないよう多めに用意しておこう。
キハダ仕掛けは遊動テンビン、ハリス24号7.5m、ハリはジャイアンとキハダマグロ16号を使用
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オキアミエサの付け方は様ざまだが、当日は抱き合わせでヒット
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早朝からコマセに好反応!
空いていた右舷胴の間にタックルをセット。
6時、準備が整ったところで出船となる。
「ナブラを見てカツオかキハダかアナウンスしますので、仕掛けはまだ付けないでください」「ドラグは、キハダは片手、カツオは両手で引っ張って道糸が出る程度に調節してください」とのアナウンス。
釣り場までの航行中に解凍したコマセブロックの中から付けエサ用に形のよいオキアミを拾い集めてタッパーに入れ、残りのコマセとともにクーラーの中へ収納。
人間と同じで、魚だって食べ物はフレッシュなほうを好むであろうし、またオキアミもフレッシュな状態なものでなければ、エサとしてきれいにハリに付けることができない。
西南西へ航行することおよそ1時間、小田原沖と真鶴沖の中間あたりに形成された船団が見えてきた。
「キハダの反応があるみたいなので、キハダの準備をしてください」とのアナウンスに、遊動テンビンとハリス24号7.5mの仕掛けをセット。
手前の船団をスルーし、本船はさらに西側に形成された船団に合流した。
旋回を始めるとさっそくソナーにキハダの反応が出現。
船長は群れの進行方向を見定めて船を回し、「いいよっ!タナはコマセ30~35m、エビング20~60mね」
指示ダナプラス6mの41mまで仕掛けを下ろし、そこからコマセの帯を作るイメージで2mごとにコマセを振りながら35mの指示ダナまで上げてアタリを待つ。
アタリを待つとき私は必ず竿を手に持つ。
置き竿にしてビシ(コマセカゴ)やエサが船の揺れで不自然に動くとキハダが警戒するのでは? という考えからだ。
1流し1投で移動を繰り返す、いわゆる追っかけ釣りの展開となっているが、その度に、「左側にいるよ!」「入ってきたよ!」「15~60mまで反応でいっぱいだよ!」「食わないかなぁ」と、船長の実況アナウンスが流れ、ドキドキがやむことがない流しが繰り返される。
しばらくすると船団内でキハダのヒットを知らせる回転灯を点ける船がチラホラ見え始めた。
いずれもコマセ釣りの竿にアタっているようだ。
8時過ぎ、手にしていた竿にゴンッと衝撃が伝わり、続いてリールから道糸が引き出される。
10mほど出たところで止まったので合わせを入れたが竿に乗らない。
食い上げていたようで、電動巻き上げを入れながら追い合わせを入れるとグンッと竿に乗り、再び勢いよく道糸が引き出される。
70~80m出たところで止まったので、ここでマグロリングを投入。
リングがキハダに当たると再び30~40mほど疾走するが、リングがハマってキハダが弱ってきたのか、ジワジワと浮いてくるようになった。
巻き上げは一気に電動ウインチで。
リングのハマリが甘かったようで海面でひと暴れされたが、船長、常連さんらの連携プレイで無事取り込んでいただけた。
ファイトタイム15分。
今シーズンの私の初物は23kgだった。
うれしいのは当たり前だが、キハダの場合はそれ以上に船長や同乗者の方がたに感謝の気持ちが強く湧いてくるのは私だけではないだろう。
秀吉丸の出船時刻は6時
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コマセカゴはLサイズ、秀吉丸は標準オモリ100号
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エビングの釣り座はミヨシ突き出し4名分が定位置だが、船長に許可を得ればほかの釣り座でも可能
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エビングのチャンス到来!
「魚探がとんでもないことになってるよ」と船長。
見れば海面下20~60mの範囲に途切れることのないキハダの反応。
「この反応がオキアミの味を覚えたらとんでもないことになるよ」
今シーズンのキハダの魚影がいかに濃いかが伺える。
「食ったーっ!うわっ、外れたっ」
左舷で電動エビングでチャレンジしていた常連さんにヒットしたようだが残念、ハリが外れてしまった。
キハダが再び口を使いだしたのか、回転灯を点ける船がチラホラ見えるが、前半とは逆転し後半はエビングにヒットが連発しているようだ。
そして左舷トモの岩崎さんのエビングロッドが弧を描く。
「腰が・・・」と途中でお仲間と選手交代しながら、およそ20分のファイトで船内に取り込まれたキハダは26・4kg。
丸まると肥えた魚体は湾内でたっぷりエサを食べたキハダの証。
一部サメにかじられてしまったが、無傷であればゆうに30kgを超えるサイズだ。
次はだれの竿に!?と盛り上がったが、北東風がますます強くなってしまい、安全を考慮して12時半に早揚がりとなった。
釣果はコマセで23kgとエビングで26・4kgの計2本。
今のところカツオよりもキハダの魚影が圧倒的に濃いといえる状況だが、船長によれば取材日の2日前にカツオとキハダの巨大ナブラが湾内に入っており、さらに取材日の2日後にも新たな大ナブラが確認されたという。
魚がコマセに慣れるまでもうしばらくかかりそうだが、船長が言う、とんでもないことになる日が本誌発売の9月中旬以降にくることを期待したい。
体力要らずの電動エビング
通常、エビングはスピニングタイプのルアータックルを用いるが、ここ数年でファンが増えているのが電動リールタックルを使ういわゆる電動エビング。
専用ロッドもあるが、青物用ロッドと中型電動リールの組み合わせ、それにエビング用の仕掛けをセットするだけでチャレンジできる。
またエビング用のストレートテンビンやメタルジグがなくても、青物対応の片テンビンに60~100号オモリ、そしてハリス長3~4.5mのキハダ仕掛けでもOK。
それにエビング用ソフトルアーを1~2個付ければいいのだ。
釣り方は指示ダナの下限まで下ろしたら、スルメイカの電動シャクリ釣りのように、電動巻きをしながらウインッ、ウインッと竿をシャクリ続けるだけ。
シャクリ上げた竿がガツンと止められるようなアタリがきたら、強く合わせを入れてしっかりとフッキングさせる。
スピニングタックルよりもシャクリ動作が楽で、巻き上げも電動だからまさに体力要らずだ。
秀吉丸では、状況にもよるが船長の許可を得てコマセ釣りの釣り座で電動エビングで狙うことも可能
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カツオ用のタックルがちょうどいい
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電動エビングタックル例
エビングで上がった26.4kg
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エビングはスタンディングファイトの体力勝負!
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隔週刊つり情報(2022年10月1日号)※無断複製・転載禁止