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クーラーを鮮やかににぎわす南伊豆のイサキ&カサゴ好況(大黒屋/南伊豆下田須崎港)

船釣りマガジン 編集部

夏真っ盛りの7月31日、南伊豆下田須崎港の大黒屋へ。

狙いはイサキとカサゴのリレー釣り。

イサキといえば夏を代表する季節感の強い魚だが、ここ南伊豆エリアでは周年のターゲットとして確立されている。
 
しかも、潮通しがよく、温かい海を好むイサキの習性と南伊豆の環境がマッチしているため、魚影はすこぶる濃い。
 
外房~南房、三浦半島ではハリス1.5号が標準のところ、南伊豆では3号の太ハリスでもかまわず食ってくるほどだから、手返しさえよければ50尾、60尾はわけなく釣れる。
 
いくら旬のおいしい魚でも、一般家庭でこの釣果は持て余すに違いない。

したがって、一日専門に狙うより、リレースタイルに組み込むのは非常に賢い選択なのだ。

釣り人の写真

腕を磨くにも最良。楽しみながら手返しを早めてみよう

釣り人の写真

ダブル、トリプルで釣れる

船の写真

大型船で釣り座は広びろ

釣り人の写真

当地のイサキ釣りはコマセ、付けエサともにオキアミ

釣行の写真

イサキの多点掛けは手応え十分

釣行の写真

イサキのタナは海面から30~35m前後

イサキは良型主体

5時集合。

4人のお客さんと船に乗り込み、準備が整った5時20分、土屋裕司船長の操船でポイントに向かう。

快晴で西寄りの風が吹き、海上はやや波立っている。
 
最初の釣り場は須崎沖で、水深は40~50m。

6時の投入開始時間を待って、船長から開始の合図が出た。タナは35m。
 
しかし、潮が予想以上に速かったようで、船長はすぐに仕掛けを上げさせた。

これでは仕掛けが狙ったポイントに入らないと判断したのだろう。
 
タナに到達するかどうかというタイミングだったが、それでも右舷ミヨシの青年は28cm級の良型を2尾上げてみせる。
 
今日も食いはよさそうだ。

仕切り直し後は速潮のため、1流し1投の効率の悪い釣りになったが、それでも仕掛けを下ろすたびに竿先にはカクカクとアタリがある。
 
とくに右舷ミヨシは手返しがいいこともあり、30分後には10尾以上をオケに泳がせている。
 
サイズは26~30cm級が主体と申し分ない。

大型とはいえないが、そもそも40cmを超えるようなイサキは居着きの個体なので、数が出るポイントにはほとんどいないのだ。
 
近年、南伊豆のイサキは昔に比べると小さくなったとの声も聞こえるが、この釣れっぷりを見る限り心配はなさそうだ。
 
ただし、アタリそのものは極めて活発だが、意外と食いは浅いのか、海面でのポロリが目立つ。

また、フグやウマヅラも多いのか、チモトをスパッと切られるというトラブルも多々あった。
 
そして、この時期特有の災いがサメ。

ハリ掛かりしたイサキを仕掛けごと横取りされるケースもある。
 
この日は見ている限り1回だけだったが、ポイントによっては頻発することもある。
 
このため、仕掛けの予備は十分に用意しておくようにしたい。
 
活発だったアタリも1時間もすると徐々に遠くなってきた。

そこで7時20分、船は神子元島へ向けて移動する。
 
到着したのは島の東側。

タナ30mで再開すると、ペースはいささか落ちたものの、コンスタントにアタリが続く。

ただ、残念なことにイサキのサイズは朝のポイントより一回り小さいものが多い。
 
船長によれば、この移動は東進する速潮を回避するための苦肉の策だそうで、1級ポイントというわけではなさそうだ。
 
島陰だけあって潮はいく分落ち着き、釣りやすくはなった。

それでも1流し2投くらいか。

釣り人の写真

カサゴ仕掛けはテンビン式の2本バリ、エサはサバの切り身

釣り人の写真

アヤメカサゴは30cm前後が目立った

釣り人の写真

チカメキントキも上がった

釣り人の写真

カサゴとイサキでお土産はたっぷり

大型カンコ登場

9時20分、「時間になったのでカサゴに切り換えます」の合図で第2ラウンド突入。
 
ポイントは少し沖目に移動した水深80~85m。

普通のカサゴよりは深く、オニカサゴよりは浅い。

果たしてどんなカサゴが釣れるのか。
 
周年のマダイ、イサキが看板の大黒屋だが、実はカサゴ狙いでの出船も多い。

水深20m前後の浅場ではカサゴのほか、近年魚影が濃くなっているアカハタがメインとなる。
 
こちらもアタリ活発で楽しいが、本日の80~85mダチではアヤメカサゴとカンコ(ウッカリカサゴ)が中心になるという。
 
テンビン式の2本バリにサバの切り身エサで釣り始めると、すぐにアタリが出始め、25cm級のアヤメカサゴがバタバタと釣れ上がる。
 
10時前、右舷ミヨシにアタリがあり、かなり重そうに巻き上げている。

これは期待できそう。
 
取り込みに入ると、海面下にはオレンジ色の塊。

オニカサゴかと思ったら、キントキの一荷。

1尾は40cm級の見事な大型だ。
 
しばらくアヤメのオンパレードが続くが、船長としてはサイズが不満だという。
 
10時半、左舷トモでひと際重おもしいアタリ。

これはどう見てもアヤメではない。
 
上がってきたのは1.7kgのカンコ。

大黒屋では3kg級の実績があるので特大とはいえないものの、立派なサイズには違いない。
 
どうやらいい場所に入ったようで、数分後、同じ人が今度は1.6kgのカンコを追加。
 
その後はしばらくアヤメが続いたが、終了間際に再び左舷トモ、右舷ミヨシでカンコが連発し、12時半に沖揚がりを迎えた。
 
釣果は23~32cmのイサキが一人15~30尾。

0.2~1.7kgのカサゴ類が一人2~13尾と速潮とウネリに悩まされた割にはまずまずの釣果を得ることができた。
 
イサキは今後も安定気配が続くし、カサゴも同様。

ぜひクーラーを鮮やかににぎわすリレー釣りに挑戦していただきたい。

知っ得!取り込みのアイデアグッズ

左舷トモのお客さんが見慣れないアイテムを持ち込んでいた。

園芸用の鉢を2つ、木の板に固定したもので、自作とのこと。

イサキのように多点掛けが普通の釣りでは、取り込んだ後、魚が暴れ回って仕掛けをグチャグチャにすることがよくある。

これを防止するため、取り込んだ魚をとりあえず鉢に1尾ずつ放り込んで仕掛けから隔離し、ゆっくり外しにかかるのだそうだ。

道具の写真

鉢の形は半面がフラットな壁掛けタイプ

Tackle Guide

イサキ仕掛けはハリス3号3本バリが標準。

全長は6mから始め、食いが立ってきたら手返しのいい4.5mに替えるといい。

ただし、本文にもあるように、サメやフグの猛攻に備え、予備は多めに用意しておきたい。

南伊豆のイサキ&カサゴ仕掛け例

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