例年6月といえば浅場でマルイカが釣れ盛る時期。
しかし今年は、早春から釣れ続いている外房小湊沖を除いて、内房、三浦半島、相模湾、伊豆半島など主なマルイカ釣り場で気配すらない状況。
今年の浅場は望み薄か・・・とあきらめていたファンもいたことだろう。
ところが6月中旬、突如として三浦半島の葉山沖でマルイカが釣れ始め、三浦半島~相模湾方面でマルイカ船が続々とスタート。
いったい何が起きているのか確かめるべく6月18日、葉山あぶずり港の愛正丸へ車を走らせた。
当日は14名で満船の盛況ぶり。
マルイカ船を担当する米山信一郎船長に近況を伺った。
「最初に釣れ始めたのは(葉山沖)名島周りの水深15メートル前後ですが、昨日は鎌倉沖の水深15~20m前後でも模様がありました」
今のところ胴長10~15cm級の小型主体で、アタリが多いわりに抱きが浅いのか掛けるのが難しく、上級者が50杯前後を上げている船もあるが、慣れていない人は数杯釣るのがやっととのこと。
ちなみに米山船長は最近までライトイカ船を担当し、城ケ島~亀城根周りなどでムギ・スルメイカを狙っていたがマルイカの顔は見なかったと言う。
また例年はマルイカが浅場で釣れ始めるころ佐島の定置網にどっさり入網するそうだが、今年はたまに捕れる程度で量も少ないようだ。
では、どうして突然マルイカが浅場に出現したのだろう。
最近、港前の浅場でシラス漁が好調なんですよ。
その群れを追ってどこかに潜んでいたマルイカが浅場に乗り込んできたのかもしれませんね」と話してくれた。
着乗り勝負!?
6時半に港を離れ、15分ほど走って鎌倉沖に到着。
しばらく周囲をリサーチして投入合図が出る。
水深は16m。
直結仕掛けで着底と同時にタタキを入れ、ピタッと止めてゼロテンでアタリを見ていた右トモの木内さんと左トモの伊藤さんが巻き上げる。
先に上がった木内さんは、一番上のケイムラのハダカスッテに抱きついた胴長10cm級のかわいいマルイカ、続いて伊藤さんが胴長15センチ級を取り込む。
反応は出ているものの、後が続かず潮回り。すると再び木内さんが着乗りで2杯目を上げ、続けて3杯目を追加。
いずれも乗ったのは一番上のツノ、活性が高いイカは宙層に浮いているようだ。
その後は水深15~18m付近を探り、流し変えるたびに船内のどこかしらでマルイカが上がる展開が1時間ほど続く。
このころには平塚や茅ケ崎方面のマルイカ船も合流し10隻ほどの船団になっていた。
次第に反応を探して潮回りする時間が長くなり、船長は移動を告げる。
20分ほど走って到着したのは名島周りの水深16m付近。
周囲にはアンカリングして釣りを楽しむ手こぎボートが浮かんでいるため、引き波を立てないようにゆっくり船を進めてリサーチ。
しかし反応が見られず再び移動となる。
15分ほど走って長井沖の定置網周り、水深45m付近に到着。
ここは例年実績が高いポイントとのことで、しばらくリサーチして投入合図が出る。
すると木内さんが着乗りで巻き上げ胴長15cm級のマルイカを釣る。
いい群れに当たったのか、木内さんはタタキ、止め、巻き落としを繰り返し、2投、3投とハイペースの手返しで釣り上げていく。
しかし、どうしたものか釣れるのは木内さんだけで後が続かない。
「これは新群れでスレていないはずだし、底から3~7mまで大きな反応が出てるから、もっとみんなに釣れるはずなんだけど・・・。やっぱり例年と様子が違いますね」と船長も困惑している。
その後は佐島~秋谷沖を探ったものの反応が見られず、11時過ぎに再び鎌倉沖へ移動となった。
水深18mで再開。
ゼロテンでアタリを見ていた木内さんと伊藤さんが早々に巻き上げ、胴長15cm級を取り込む。
その後は流し変えるたびに船内各所で着乗りがあり、ここまでマルイカが釣れていなかった人の大半が本命の顔を見る。
合図で即投入がイカ釣りの鉄則。
出典:
(左)15mダチで1杯目。(右)微妙なアタリをとらえて掛けたときが楽しい。
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マルイカスッテは3.5~4cmなど、標準オモリ40号。
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(左)船内最初の1杯は 胴長10cm級。(右)着乗りでゲット!
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30分以上の大流し
12時半過ぎ、名島沖で好反応を見つけた僚船から連絡があり本船も急行。
到着すると、昼過ぎから風が強くなったため手こぎボートは戻ったらしく、本船と同じ港の長三朗丸などが名島の脇で流している所に合流。
水深20m。
移動後の1投目で再び木内さんが着乗りをとらえ胴長15cm級を取り込む。
続いて右胴の間の二人が同級を取り込み、ついに入れ乗りタイムの到来!と思ったのだが、アタリはあれど抱きが弱いのか思うように掛けられない人が目立つ。
そんな中、1杯、また1杯と乗せている右胴の間氏はタタキを入れ、ピタッと止めてゼロテンで待ち、巻き落としを繰り返す。
そしてアタリが遠のくといったん仕掛けを上げ、オモリを遠めに投げて再投入。
船下のスレた群れを避け、船の周りにいる群れの中に仕掛けを入れるイメージで釣っているようだ。
魚探とソナーに濃厚な反応が出ており、およそ30分以上の大流しとなったが、難易度の高い状況に対応して数をのばした人がいる一方、慣れていない人は思うように乗せられなかったようだ。
13時半に沖揚がり。
釣果は0~10杯。
トップは木内さん、2番は8杯で右胴の間氏、3番は5杯で伊藤さんだった。
今日は反応を探して回る時間が長くなり、潮具合も今ひとつで乗りがよくなかったと船長は残念そうであったが、長井沖で新しい群れを見られたのは収穫で、今後は釣り場が広がる可能性があると期待を寄せていた。
迎える7月は船長の読みが的中し、釣り場が拡大していることを期待したい。
当日は小魚の反応周りで、イカの反応が見つかることが多かった。
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後半は名島周りで入れ乗りになる一幕も。
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前半苦戦も沖揚がり間近に3連チャン。
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マルイカ初心者は直ブラがおすすめ。
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(左)当日は反応が底から4~5mに浮くことが多く一番上のツノによく乗った。(右)マルイカの刺身は最高。
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ジョーカー・ネオンスペシャル40は相模湾で実績が高いとか。
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知っ得!ゼロテン竿の替え穂先制作 油性マジック塗装で時間短縮
当日同船した伊藤さんの竿はトップ(穂先)を自作したゼロテンロッド。
替え穂先を何本も自作しているのだが、1本作るのに2~3時間と聞いて驚いた。
時短の秘策は、ガイドはチューブと接着材で取り付け、油性マジックで塗装をすませること。
通常の塗装は乾燥に時間がかかり数日かかるそうだが、マジックならすぐに乾く。
極細穂先はいわば消耗品なので、伊藤さんはこれで十分とのことであった。
伊藤さんは常時5~6本の替え穂先を持参。
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Tackle Guide
マルイカが小型主体でアタリが微細なため直結仕掛けが有利だが、船長は取り込みに慣れていない人にはミックス仕掛けを推奨。
上半分を直結、下半分を直ブラにすると、多少取り込みでもたついても直ブラに乗ったマルイカは外れにくいため、取りこぼしが減るとのこと。
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