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手ぶらでアジ&タチウオ釣り!釣り場は目の前アジタチリレー(高取丸/三浦半島走水港)

隔週刊つり情報編集部

「タチウオとアジならどう?」
 
近場で仲間たちと釣り船を仕立てたいと言うイトコに聞いてみると、「タチウオ、いいねえ!アジもいい!」とテンション急上昇。

「タチウオは難しい時期だから、釣れないかもしれないよ。でも、アジなら釣れる」
 
タチウオってドラゴンでしょ?すごいなあと感心するイトコ。

釣りをしない人にとってタチウオは冒険心をくすぐる大物らしい。
 
なんでも釣りの後に都内に戻ってパーティーを開くとか。

なら、アジ、それも走水周辺のアジなら型も味もおあつらえ向き。

帰りに魚を買ったほうがいいかなあ・・・とメールで心配してくるイトコに、安心しなさいと返信する。

タチウオは釣れるのか!

「ほぼ全員初めてなら、シロギスとかのほうがよかったんじゃないですかねえ・・・」
 
10人分のアジ&タチウオ用のレンタルタックル一式をオヤジさんと2人で船にセットし、必要な人にライジャケを着せ、道具の使い方、釣り方を説明して、ごく自然に、高取秀和船長が言った。
 
たしかに当日は大潮で釣りにくく、しかもタチウオは5月を過ぎても上向かず、専門乗合も減っていた。
 
出船は7時15分。

港を出ると冷たい北風が吹き付け、波はやや高め。

港前からタチウオの反応を探し、水深70mで釣り開始。

船の写真

7時15分に出船、港を出てすぐタチウオ釣り開始

船の上で道具を扱う様子から、メンバー10人中、経験者3人、完全な初心者4人、なんとなくできている人は3人と見た。
 
大潮で潮が速いこともあり、船長は魚探の反応と操船で手が離せない。

当然ながら私の役回りはサポート。
 
とはいえ、着底が分かれば、あとは船長の言う「6~8mまで誘って」もらえばいい。

サバエサの付け方にしても、船長が教えたのをほとんど理解している。
 
もちろんタチウオの誘い方は難しい。

でも、ただ置いておくだけでも、ゆっくり巻くだけでも、ラッキーパンチでガツンと、そんなときこそ決まって大型が食ってくるのがタチウオだ。
 
でも、最近はオデコも出ているからタチウオは無理かな。

周りでも上がってないし・・・。

と思いきや、きましたよ1本目が。
 
釣り上げたのは船釣り初めての女性。

ネクタイほどの小さなタチウオだが盛り上がる。
 
どうやって釣ったのか聞いたけど、よく分からなかった。

でもいいや、釣れたんだから。

なんて思っていると、アタリの後にハリス切れ発生。

するとその直後、1本目を釣り上げた女性が大きなタチウオを掛ける。
 
ナニコレー!デケェー!などなど、阿鼻叫喚の船上に取り込まれたのは指幅5本サイズ。

ドラゴン一歩前といった大きさだが、10人にとってはインパクト十分だ。

釣り人の写真

激シブの中、タチウオに好かれた女性。実は大型も彼女が釣った(触れないため2人で撮影)

「潮が緩んできたから早めにアジに行きませんか。タチウオはちょっと望み薄だし・・・」
 
大型タチウオの盛り上がりもいつしか落ち着き、見れば皆さん置き竿。
 
操舵室の魚探にはタチらしき反応が出ているけど、だれにもアタらない。

うん、こりゃ無理してタチウオで粘るより、アジに行ったほうがいい。
 
船長は人数分のテンビンをアンドンビシ仕様に交換、アジポイントのリサーチ開始。

船を止めて釣り、アジが続かず移動。

これを数回繰り返し、メンバーの間にも不安の色が見え始めた10時半、猿島沖の40mダチで高取丸はヤル気のあるアジの群れをとらえた。

釣り人の写真

猿島沖では良型が入れ食いに

釣り人の写真

この形、間違いなくおいしいアジ

約束のアジ入れ食い?

タナは底から2~3m。

まずは経験者とおぼしき男性3名が手早く底ダチを取り、コマセをまいて、アタリがなければ仕掛けを入れ替える。

この当たり前の手返しが、徐々にアジを寄せていく。
 
釣れるのは黄色みがかった20cm前後のアジ。

最初は慣れた男性のみに釣れていたのが、次第に全員に行き渡るようになる。
 
同時にタナも、底から1m上げてコマセ、また1m上げてコマセ、アタリがなければもう少し上げて、はい、食った!と、上ずってくる。
 
こうなると少々アバウトなタナ取りでもアジが食ってくるようになり、型も25cmほどのゴロンと太った魚体が中心となって、ついにはダブルで釣れてくる。
 
やっぱりアジはこうでなくちゃね。

釣行の写真

釣りに慣れている人は一気に加速?

釣り人の写真

男性陣は放っておいても上達します

そんな中でも、釣れる、釣れないを左右していたのが底ダチを取ったときの「糸フケ」。

ドーンとビシを着底させ、1mほど道糸がフケたまま釣り始めるとタナが低くなり、アタリが遠く、カサゴなどが釣れる。
 
ここで最も効果的だったアドバイスが、カコミ記事にした「ブレーキ」という言葉だ。

これでだいぶ糸フケが減って、タナが決まり、それこそ全員、食べきれるのか不安になるほどの釣れっぷりになった。
 
というわけで、ラスト1時間半ほどは釣りたい人はアジを釣り続け、満足した人は談笑したりして、沖揚がりの14時を迎えたのだった。
 
さて。

帰港後、都内に戻ってのパーティーではタチウオの炙り、アジの刺身、アジフライ、なめろうなどなど、フルコースを楽しんだそう。
 
で、聞いたら、イトコ本人の誕生日パーティーだったとか。

そうか、それなら来年はマダイ、それもデカいのが釣れるタイラバでやろうな!

釣り人の写真

アジはオモリ130号の、いわゆるビシアジ。オモリが重い分、慣れなくても、潮が速くても、しっかりアジを寄せてくれる

釣り人の写真

コツが分かると連発でした

釣り人の写真

子供のころに経験しているとすぐに勘が戻ります

釣り人の写真

魚をつかむときは迷わずタオル

釣り人の写真

課題は船酔いとの戦い?

釣り人の写真

マサバも回り始めている。漁場でいえば松輪サバと同じ

知っ得!何はともあれ雨具とタオル

「一番大切なもの」と言われて初めて船釣りに参加する人が思うのは、雨具とタオルである。

集合地点の港が暑くても、船が港を出ると風が強くてどんどん寒くなる。これは船釣り特有の事象で、経験者でないと理解しきれない事かもしれない。

もし雨予報が出ていて雨具を忘れてしまった場合、幹事さんは他のメンバーから予備を借りたり、必要であればコンビニで新たに購入するように。

そして、必需品であるタオルも同様に大事。手を拭くだけではなく、魚を捕まえる際にも役立つので、最低でも2枚は持ってきてもらうか、あるいは幹事さんが用意すると良いだろう。

釣り人の写真

携帯に便利な薄手のダウンの上にビニールカッパでも大丈夫

知っ得!初めての人のでも分かる「ブレーキ=サミング」

初めてリールに触る人に「スプールを指で押さえてサミングしてね」と言っても分からない。

当日もどう説明したものか悩んでいると、船長が「ブレーキかけながら下ろしてね」と言うと、皆さんほぼ反射的にサミングの動作になって、タナボケが減ってアジが食いだした。
 
同じく「クラッチを切って」も分かりにくいので「レバーを手前に倒して」と言ってみたところ迷う人が減った。
 
当たり前だけど、日常で使っている言葉に置き換えるのが近道、というお話でした。

リールの写真

「ブレーキ」と言われると分かります

当日のアジ&タチウオ仕掛け

シマノ(SHIMANO) ロッド 船竿 19 ライトゲーム SS タイプ64 MH195 左 ヒラメ マダイ イサキ アジ イナダ アマダイ タチウオ マルイカ 鯛ラバ

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隔週刊つり情報(2022年7月1日号)※無断複製・転載禁止

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