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ビッグな根魚が待っている!南伊豆好シーズンへ!(愛丸/南伊豆手石港愛丸)

隔週刊つり情報編集部

3月13日、南伊豆手石港の愛丸からハタ狙いに出た。

マハタは日本各地の岩礁帯に広く分布するので、決して珍しい魚ではない。

しかし、資源量の減少によって希少性は高まり、関東エリアで専門乗合が出ているのは、外房や南伊豆など一部に限られている。

専門乗合とはいえ、簡単に釣れる魚ではないのは百も承知で、今回も2月13日、3月10日に続いて3回目の挑戦となる。

釣り方はヒラメと同じ生きイワシの泳がせ釣りスタイル。

愛丸がハタ釣りを始めたのは20年ほど前だが、きっかけとなったのは30年ほど前にブームとなったヒラメ釣り。

岩礁帯を主に攻める南伊豆のヒラメ釣りでは、ハタがよく交じるのが特徴だった。

本命のヒラメはいつしか廃すたれてしまったが、ターゲットをハタに変えて今に至るというわけ。

前2回の挑戦は石廊崎沖を攻め、残念ながら不発に終わってしまった。

というと、沈黙の時間が延々過ぎていたように思われるだろうが、実際の状況はかなり忙しい。

カンコ(ウッカリカサゴ)とアヤメカサゴが入れ食いなのだ。

生きイワシエサだけあって、食いはいいしサイズもいい。

シーズン初期の秋はこんなに釣れなかったというから、産卵期を迎えて食いが立っているのだろう。

ハタより先にカサゴたちがエサに飛びついてくるような印象を受けた。

というわけで、たとえ本命が不発でも、クーラーはオレンジ色の魚でいっぱいになるのが今の状況だ。

釣行の写真

(左上)急に水深が変わるときは、その都度船長がタナをアナウンスしてくれる。(左下・右)エサのイワシは、船オモテのイケスから網ですくってバケツに 移し、自席に運ぶ。

釣行の写真

釣り場は神子元島周り、石廊崎沖、須崎沖などの水深60~90m前後。

カサゴ類は安定の食い

三度目の正直となるこの日は6時20分、7名を乗せ佐野譲太郎船長の操船で河岸払いとなる(4月以降は5時集合に変更)。

空は曇天で北寄りの風がそよそよ。

このエリアではベタナギといっていい。

河口から海に出た船は真っすぐ沖へ向かう。

今日は神子元島方面を攻めるようだ。

7時、神子元島北東沖で釣り開始となる。

水深60mから85mへ落ち込む斜面だ。

単純にだらだらと変化するのではなく、海底はまさにガリガリ。

起伏が非常に激しく、糸フケを取ってタナを取り、再びリールをフリーにすると、着底まで10mくらい糸が出るほど。

イメージとしては、新宿高層ビル群の上で釣りをしているような感じ。

当然、根掛かりは付き物で、オモリや仕掛けは最低でも5組は用意すること。

底物釣りでは普通、潮が流れていることが好条件とされるが、これほど起伏が激しいと、潮が速ければあっという間にポイントを通過してしまううえ、根掛かりの危険も高まる。

したがって、まったく動かないのも困るが、潮の流れは遅いほうが条件的にはいい。

潮が緩めば・・・

残念ながら、この日も前2回と同様、潮の動きはやや速い。

オレンジ軍団(カサゴ類)の活性はいつもより控えめながら、それでもいい場所に入ると最大2kg級のカンコと良型のアヤメカサゴがバタバタと取り込まれている。

道具や仕掛けはヒラメ釣りに近いが、ハタの場合はヒラメと違ってエサを一気に飲み込むので、アタリがあったら即合わせが基本。

その意味ではヒラメ釣りより簡単かもしれない。

しかし、ハタも良型になると突進力が半端なく、素早く底から離さないと根に潜られてしまうから、ドラグは強めの設定が望ましい。

当日、ガツガツのアタリに合わせを入れるも掛からず、巻き上げてみたらイワシにヒラメらしき歯型が付いていたが、こればかりは仕方がない。

同じハタでも、ホウキハタはガリガリの根の中、マハタは根の周辺の比較的平たんなポイントで食ってくるケースが多いという。

また、ハタは完全なベタ底ではなく、海底からやや上のレンジを遊泳しているため、ハタ以外は眼中にないのであれば、4~5mと高めのタナ取りが効果的らしい。

もっとも、それだとアタリが極端に少なくなるから、タナ2~3mでカサゴとの両狙い作戦が一般的。

流すラインを変えながら3時間ほど粘るが、とらえたアタリはオレンジのみ。

ここで心機一転、船長は移動を決断し、須崎沖へと向かう。

水深はやや浅くなり、40~60mほどがメイン。

再開約30分後の10時45分、左胴の間のお隣さんにシャープなアタリがきた。

途中でもグイグイと引き込むところを見ると、カサゴ類ではなさそう。

ご本人は「サメだと思いますよ」とのことだが、やがて海面下に茶色がかったグレーの紡錘形。

マハタだ。

サイズは2kg弱と南伊豆ではやや小ぶりだが、3回の挑戦でようやく顔を見られたのだから、釣った人以上にホッとした。

やはり、朝のポイントよりも岸寄りだった分、潮の動きが鈍く、じっくり狙うことができたのがよかったのかもしれない。

さあこれからと船内に気合が入るが、本命のアタリはこの1尾のみで、あとは相変わらずオレンジ軍団に終始。

終了間際、私に2kg弱のヒラメが食ったものの、13時過ぎに沖揚がりとなった。

ハタのシーズン自体は周年だが、夏場はエサのイワシの管理が難しくなるため、7~9月の夏場はモロコ狙いに切り換わる。

今後も条件次第となるものの、いい日並みと潮具合に恵まれれば、チャンスは大いにある。

釣行の写真

カサゴ類が入れ食いになる流しも。

釣行の写真

親バリと孫バリにアヤメカサゴのダブル。

釣行の写真

(左)ハタより先にカンコがエサに飛び付いてくる!?(右)カンコは1kg前後がアベレージ。

釣行の写真

ハタより先にカンコがエサに飛び付いてくる!?お土産はたっぷり。

釣行の写真

小ぶりのホウキハタが上がった。

釣行の写真

でっかいカンコは引き味満点。

釣行の写真

カンコとアヤメカサゴでお土産はたっぷり。

知っ得!意外に美味なキツネダイ

このキツネダイはオレンジ軍団の一員ながらカサゴほどは多くない。

タイと名が付くものの、分類上は見てのとおりベラ科の魚。

派手な体色からあまりおいしそうには見えないが、実はかなりの美味。

身は白身で甘みがあり、刺身でもいいし、火を通しても硬くならないから煮つけ、塩焼き、フライなどにしてもうまい。

釣行の写真

一度食べるとクセになるはず。

Tackle Guide

仕掛けはヒラメ用を一回りゴツくしたような感じ。

ハリスは10号を標準に、大物狙いなら12号が安心。

根掛かりに備え、予備は多めに用意する。

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【隔週刊つり情報(2022年4月15日号)※無断複製・転載禁止】

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