久里浜の街中、夫婦橋(めおとばし)を渡ればそこはカワハギワールド。
漫画『あしたのジョー』の泪橋(なみだばし)よろしくカワハギマニアにとってこの橋は、世間と釣りバカ界の境界になっている。
カワハギ釣り10回目ながらアサリをむいたことがないと照英が言うと、田渕雅生師匠は殻付きアサリとナイフを出して手本を示し、むいてみなさいと促す。
照英がアサリを上手にむけるようになると、まるで謎の部族の元服の儀式のように、周りは黙ってうなずくのであった。
世の中の時計が出勤や仕事始めを示すころ、久比里・巳之助丸はコンクリート護岸と鉄の橋をギリギリすり抜けて、異界・鴨居沖へ出る。
プーーーーッ。
通勤電車もテレワークも別の惑星の出来事であることを知らせるブザーが鳴り、カワハギ時間が始まった。
と、照英がいきなりカワハギを釣り上げる。
パッと明るくなる船上、と書きたいところだが、和やかな雰囲気は一転、ピリッとした静寂に包まれる。
照英をのぞく11人の釣りバカスイッチが入った瞬間だった。
Show-A プロフィール
6歳のとき祖父から薫陶を受け近所の川や釣り堀で釣りに親しむ。
中学~大学は陸上選手として活躍、芸能界に入ると仕事を通して国内外の釣りに接するようになり「照英・玲子の最強!釣りバカ対決 !!」ではほぼ全ての船釣りを経験し、釣りバカ道を邁進。
2021年よりダイワ専属アングラー。
年末にかけてはテレビ、動画収録で全国を駆け巡った。
久比里ってどこ?
久里浜駅のほど近く、平作川の川岸にある船着き場が「久比里」。
ここから約1km川を下り、鴨居沖や久里浜前、剣崎沖や千葉県側などでカワハギを狙う。
通勤、通学の人が久里浜駅へ急ぐなか釣りの準備。この風景は久比里ならでは。
出典:
出船までの釣り談義も久比里名物。
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すごい雰囲気ですよ・・・今、おれはまだ平等人間です。
「皆さんがグッと集中して競っているのを冷静というか、フラットな視点で見ていられる」
そう言いつつ船上を見回す照英。
ほどなく田渕師匠と萱沼昌樹さんが数をのばし始める。
まるで競技会のような雰囲気は、各自のオケが茶と緑色で賑やかになると和らいでいく。
同時に潮も止まり、食いが落ち、アタリは減っていく。
気がつけば、照英は周りから大きく離されていた。
恐るべし、カワハギマニア。
アタリを待つとエサが取られる。
やっときたアタリに合わせても、バレる。
「照英さん、相手も命がけですよ。あーはっは!」
田渕師匠がメガネをキラリと輝かせて、笑う。
アサリをむくのにあんなに苦労して、付けるのにも苦労して、あっと言う間に取られて、バラして・・・大のオトナが海に出て前屈みで手元を見て・・・。
「いやあ、大海原でチマチマとやるところが、贅沢だよ」
腐らないのが照英である。
田渕師匠は底からオモリを離した「ちょい宙」で、竿先を断続的に揺らして誘い、オートマチックで掛けている。
その師匠は、オモリを底に着けて狙う照英が上バリのエサをよく取られるのを見て、ちょい宙をすすめる。
こんな大きなハコフグの仲間も。
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(左)「手感度感動!」極鋭カワハギレッドチューンAGS VSの感度に思わず韻を踏む照英。(右)アサリをむくのも、付けるのも苦労して、カワハギにエサやり。
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名人級の田渕師匠もこのとおり。「照英さん、相手も命がけですよ」
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うおっ、今すごい手感きた!低周波きた!
オモリを30cm離して竿を揺すっていると、カツカツ、ガガガッとアタリが手に伝わり、掛かる。
「手感度、感動!」
ここからあれよあれよと連釣、ツ抜け、10枚を数えた。
「思い残すことはない。あとは、尺だ」
実はこの日、照英は尺、つまり30cmのカワハギを釣り上げることを目標にしていた。
が、沖揚がり前の大型ポイントで大型を掛けたのは女性陣と萱沼さん。
照英は小型を2枚追加して、海に帰した。
「やっぱり・・・釣れないのが面白いと口では言いながら、釣りたいんですよね」
西日に照らされる平作川の護岸を眺めながら、ちょっと悔しそうにつぶやく照英。
ある意味殺伐とした空気感。
平等人間だったけど、いつしかアツくなっていた自分。
究めたいけど、色んな釣りを広く知りたい葛藤もある。
「結局カワハギ、大好きですよ」
夫婦橋を渡り東京へ帰る照英は、朝よりもさらに釣りバカ度が増していた。
あしたは、どっちだ。
終盤は久里浜前~野比方面で大型狙い。
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思い残すことはない。あとは尺だ!10枚を釣ってあとは尺、または大型を待つが・・・。
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釣れないのが面白いと言いながら釣りたいんですよね。
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(左)DKOで4度全国チャンピオンになっている萱沼昌樹さんは28枚。(右)浅田さんはマイペースでカワハギと遊びます。
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(左上)佐藤さんはダブルもあったけどワッペンの写真です。(左下)じゅりカメこと成瀬樹里さん。(右)大石さんもユルハギ派。
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椿さんも良型多し。この日は女性に良型が多かった?
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沖揚がり直前、おいしいところを甲山晶さんに持っていかれる。
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照英の熱血!タックルインプレ
ROD:極鋭カワハギレッドチューン AGS VS
「軽くて張りはあるけど竿先がしなやか。自分はまだうまく合わせられないけど、竿が掛けてくれる感じがします。掛けてもらった、から、掛けにいけるようになるか、楽しみです」
REEL:アドミラ 100XH
「小さくて巻きが滑らかなリールで、カワハギ釣りのように長く持ち続けるときは、その軽さとコンパクトさが際立ちますね」
(左)田渕師匠から「ちょい宙」と合わせのタイミングを伝授されペースアップした照英。強烈な手感にシビれまくるのであった。(右)ハリス付きハリを購入、 幹糸を自作するのもおすすめ!
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