年末に向け人気が高まる釣り物の一つがアマダイ。
関東でこの釣りのメッカと言えるのは相模湾だが、今シーズンはことさらシロアマダイがよく釣れており注目を集めている。
取材した湘南片瀬港のゆうせい丸では朝9時ごろまでは浅場でシロアマダイに挑み、そのあとは深場へ移動してアカアマダイ狙いというスタイル。
取材日も江ノ島沖の水深60m付近を探った前半に44cmを筆頭に船中7尾のシロアマダイが上がった。
鎌倉沖の水深80m前後を狙った後半は30~44cmのアカアマダイをトップ4尾と紅白そろい踏みとなった。
船長によればシロアマダイは連日のように顔を見せており、今後もこのパターンで出船していくというから、紅白アマダイを夢見る方には初釣りの釣り物としてうってつけだろう。
![釣行の写真]()
アベレージは30~35cm級
出典:
アマダイ基本タックル&仕掛け
タックルは7:3調子のゲームロッドにPE2~3号を200m以上巻いた小型電動リールの組み合わせ。
仕掛けは片テンビン2本バリ。
ゆうせい丸ではオモリは60~80号を使用する。
使い分けは使用する道糸の号数で、PE2号以下なら60号、PE3号以上であれば80号となる。
![仕掛けの写真]()
船宿仕掛けはハリス4号、全長2mの2本バリ
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![ロッドの写真]()
軽量ゲームロッドが使いやすい
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アマダイ(標準和名アカアマダイ)釣りの魅力はまずなんと言ってもその引き味にある。
ドングリ眼の愛くるしい顔からは想像できないような鋭い引きを見せる。
40cmオーバーになると明らかに引きが変わり、50cmクラスになるとハリスを切られることもあるほど強烈だ。
食味も素晴らしい。
淡白ながら甘みの強いその身は、昆布じめや酒蒸し、松笠揚げ、煮ても焼いても何にしても絶品だ。
乗合、仕立ともに多くの宿がアマダイを看板に掲げるのが、メッカと言われる相模湾。
そして当地のアマダイ釣りのもう一つのお楽しみがシロアマダイ。
取材した湘南片瀬港・ゆうせい丸では朝9時ごろまでは浅場でシロアマダイ、そのあとは深場へ移動してアカアマダイと狙い分けている。
佐藤美弘船長によると、「シロアマダイが狙って釣れるようになったのは昨年からです。ポイントは水深50~60m前後の浅場で、砂地にツブ根がある場所です」
今シーズンは出船すればほぼ釣れるそうで、「サイズは35~40cm前後が主体。今年は25cm前後の小型もよく交じるようになりました」
もはや幻とはいえないほどだ。
![釣行の写真]()
いわゆるアマダイは標準和名アカアマダイ。 ピンクのボディにドングリ眼が愛くるしい
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タックル&仕掛けはアカもシロも同じ
タックルや仕掛けもおなじみのアマダイ用でOKだ。
竿は全長2m前後の7:3調子、オモリ負荷30~80号クラスのゲームロッド。
リールはPE2~3号の道糸を200m以上巻いた小型電動が一般的。
手持ちで誘うことも多いから、なるべく持ち重りしないほうがいい。
ダイワ200~300番、シマノ200~600番あたりがおすすめ。
ドラグは片手で強く引っ張ったときに滑り出すくらいが目安となる。
オモリは船宿の指定に合わせるが、ゆうせい丸では60~80号。
使い分けは使用する道糸の号数で、PE2号以下なら60号、PE3号以上であれば80号。
仕掛けはハリス3~4号、全長2mの2本バリがオーソドックス。
枝スの接続部は親子サルカンや回転ビーズを介し、巻き上げ時に生じる糸ヨレを防ぐ。
テンビンは腕長30cm前後のL字型が手前マツリしにくく、潮の抵抗を受けにくい細軸タイプがおすすめだ。
ハリはケン付きチヌの3~4号や、長軸のケン付き丸カイズ13~14号。
オキアミエサを姿勢よく保持し、小づきなどの誘いによるエサずれを防いでくれる。
そのほか、B~2Bのガン玉も用意しておくといい。
時間帯や釣り場によって潮が速く、海底に下ろした仕掛けが吹き上げられてしまうことがある。
そんなとき先バリから20~30cmくらい離した位置にガン玉を打って仕掛けを重くしてやれば、浮き上がるのを抑えられる。
付けエサはオキアミ。
尾羽根を切ってハリの軸に沿って真っすぐ付ける。
真っすぐ付いていないと落下中に仕掛けが回転しエサが取れたり、ハリスがヨレて食いが悪くなってしまう。
底上70~100cmを基準にタナを調整する
釣り方もシロとアカに変わりはない。
仕掛けを投入し、着底したら道糸が真っすぐ立つまで底ダチを取り、70~100cmほどオモリを上げる。
ハリス2mの場合、上バリが底からやや浮いた位置が基準のタナになる(図①)。
竿を水平に構えてタナを取ったらアタリを数秒待ち、続いて竿の角度が45度くらいになるまでゆっくり誘い上げる(図②)。
少し待ってアタらなければゆっくりと戻していき、エサが落ちていく動きで誘う。
竿を元の位置に戻したらしばし待ち、これを繰り返す(図③)。
しばらく誘ってアタリがなければ底を取り直して同じ動作を繰り返す。
この基本の釣り方の前にオモリで海底を5~6回ほどトントンとたたく小づきの誘いを加えてもいい。
砂泥の海底をオモリがたたくことで砂煙を上げてアマダイを寄せる効果があると言われている。
アマダイのアタリは竿先が強めに押さえ込まれたりするので竿をゆっくり持ち上げるイメージで合わせてやる。
また居食いしていることも多く、モタレやただ重量感を感じたときはゆっくりと聞き合わせしてみる(図④)。
ハリ掛かりした後は鋭い引きに変わるのでアマダイだと判断できる。
巻き上げはいきなり電動のスイッチを入れず、まずは手巻きである程度まで巻いて大きさを確認。
大型は明らかに引きが違い、電動巻き上げ中にハリスを切られることもある。
大きいと思ったら手巻きで対処する。
取り込みはテンビンとオモリを船内に入れてハリスをたぐり、小型であればそのまま抜き上げ、大型の場合はタモ取りしてもらう。
良型シロアマダイが続々 初釣りは紅白狙える相模湾へ
12月11日、相模湾湘南片瀬港のゆうせい丸へ。
アマダイ船に乗り込むと平日にもかかわらず満船だった。
佐藤美弘船長にあいさつすると、「まずは水深60m前後でシロアマダイを狙います。ほぼ毎日釣れているので、今日も顔を見られると思いますよ」とのことで期待が高まる。
乗船者16名で6時半に出船し15分ほどで江ノ島沖に到着。
「水深62mです。準備ができたら始めてください」とのアナウンスでスタート。
ツブ根が点在する砂地を攻めていく。
7時過ぎ、右舷ミヨシで竿が曲がった。
上がってきたのは良型のアオハタ。
続いて隣の方がソコイトヨリ、左舷トモ2番でカイワリ、その後も船中ではイトヨリダイ、カナガシラ、ガンゾウビラメとゲストが次つぎと取り込まれていく。
![釣行の写真]()
定番ゲストのイトヨリダイ
出典:
シロアマダイ連発
そろそろ本命の顔が見たいと思っていた8時前、右舷トモの田中さんの竿が絞り込まれた。
周りの方が見守る中、船長の差し出すタモに収まったのは44cmのシロアマダイ。
「潮が流れていなかったので1.5mにタナを取り、置き竿にして道糸を引っ張ったり戻したりして誘ったら食いました」と田中さん。
撮影していると、船長が前でも上がったよと知らせてくれた。
駆けつけると左ミヨシの上野さんが38cmのシロアマダイを釣り上げていた。
「ゆっくり誘い上げたら小さいアタリがきました。外道かなと思っていたのですが、途中でガンガン引いたので本命かもしれないと慎重に巻き上げました」とうれしそうに話す上野さん。
その後もシロアマダイが船中5尾釣れた。
シロアマダイの魚影の濃さも驚きだが、それを狙って釣れることにも驚いた。
9時になり、アカアマダイ狙いで鎌倉沖へ移動。
水深75m付近に広がる砂泥地を攻めていく。
右舷ミヨシの立川さんが30cm級のアカアマダイを釣り上げると、左舷ミヨシの上野さんも35cm級を取り込み紅白そろい踏みとなる。
11時の時点で右舷ミヨシの立川さんと左舷トモ2番の藤原さんが2尾ずつ釣り上げてトップ。
「このところアマダイのアタリは少なめですが、一昨日は沖揚がり直前で時合になり、ダブルやトリプルヒットもありました。今日も午後からがチャンスかもしれません」と船長。
その言葉どおり、昼過ぎになると潮と風向きが若干変わり、船中あちこちでアマダイが掛かり始める。
右舷ミヨシの立川さんは44cmを交えた4尾でトップをキープ。
ややあって左舷ミヨシの上野さん、左舷トモ2番の藤原さんが追いついた。
すごかったのは右舷ミヨシ2番の近藤さん。
12時過ぎに1尾目を上げると猛チャージをかけ、最後の流しで4尾目を釣り上げてトップに並ぶ。
ここで14時の沖揚がり。
釣果は44cmを筆頭にシロアマダイが船中7尾、30~44cmのアカアマダイがトップ4尾と上々。
初釣りは縁起のいい紅白のアマダイで素敵な新年を迎えてはいかがだろう。
![釣行の写真]()
船中1尾目は44cmのシロアマダイ
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![釣行の写真]()
44cmのアマダイも顔を見せた
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前半にシロアマダイ、 後半にアカアマダイもキャッチ。これで紅白そろい踏み
出典:
船宿information
相模湾湘南片瀬港 ゆうせい丸
080・3454・5420
▼備考=予約乗合、6時半出船。マダイ、オニカサゴ、カワハギへも出船
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隔週刊つり情報(2025年1月15号)※無断複製・転載禁止