一年前に常磐エリアでタチウオが爆釣したのを覚えているだろうか。
当地ではこれほどタチウオが釣れたことがなく、専門で狙うのもこのときが初めてのことだった。
今年も1月中旬に鹿島沖でタチウオの模様が急上昇したのだが、その群れはあっという間に姿を消してしまった。
その後、同沖でタチウオの模様が再浮上した1月下旬、現況を確かめるべく茨城県鹿島港の長岡丸を訪れた。
当日は2隻で出船
当日は2隻出しで、私は飯塚正貴船長が舵を握る第二長岡丸に乗船。
エサ釣り8名、ルアー釣り6名の乗船客が準備をしている。
船長に当地のエサ&ルアー釣りの仕掛けをうかがうと、エサ釣りのタックルは、東京湾のタチウオ用が流用できて、仕掛けはテンビン式の1本バリでオモリ60号。
エサはサバの切り身を使用。
ルアーのタックルも東京湾のタチウオジギング用でOK。
ジグは100~150g、フックはタチウオ用のトリプルをリアに、フロントにはフォールのアタリに備えてアシストフックを付けておくと万全とのこと。
準備が整ったところで5時に出船。
船長によると、前日から鹿島沖にいたタチウオの群れが散ってしまい、模様が急上昇した日立沖へ向かったとのこと。
今日も北のポイントへ向けてしばらく走るらしい。
1時間半ほど走って大洗沖に到着すると、「ここからタチウオの反応を探していきます」と船長からアナウンス。
船長によると明るくならないとタチウオの群れが固まらないらしく、釣れ始めるのは8時くらいになるという。
ゆっくり北上しながら探索したのだが、群れが散っていて、小さな反応がポツポツあるだけ。
一流ししたがアタらず、日立沖へ移動となる。
Tackle Guide
ルアーのタックルは専用でなくても手持ちのものを代用すればOK。
スピニングを使っている方やライトゲームロッド&超小型電動リールのエサ釣り用にジグを付けて釣っている方もいた。
(左)エサはサバの切り身。縫い刺しにしてハリに真っすぐ付ける。(右)フォールと巻き上げの両方とも釣れるセンターバランスのジグがおすすめ。
出典:
入れ食いモード全開!
7時50分ごろ日立沖のポイントに到着すると、鹿島~日立久慈漁港のタチウオ船が集まっていたが、タチウオはまだ上がっていないようだ。
しばらくポイントリサーチし、灘寄りへ少し移動して日立沖の水深30m前後に到着。
「水深30mです。底から10mの範囲でやってください」とのアナウンスで乗船者が一斉に投入。
当日の釣り場は日立沖の水深30m前後。
出典:
まず先にルアー釣りの竿がすっと曲がった。
それはフォールでアタりがあったようで、数人が格闘し、指幅4本程度のタチウオが次々に釣り上げられた。
次に、エサ釣りをしているいくつかの人の竿がキュッと曲がり、指幅3~4本級のタチウオが次から次へと手に入れた。
船長の予測通り、8時を過ぎると突然に入れ食いの時間が始まり、流れを変える度に船内がタチウオで賑わった。
日立沖は指幅3~5本級のタチウオが主体だった。
出典:
手返しよく釣って数をのばしていく。
出典:
エサ釣りの手順は、仕掛けを指示ダナの下限まで沈めたら、竿先を海面へ向けた位置からキュッとシャクリ上げて、ピタッと止める。
食わせの間を数秒取ったら竿先を下げつつリールのハンドルを1回転もしくは半回転させ、指示ダナの上限まで誘い上げるスタンダードな釣り方でOKだ。
エサ釣りの数名の方に感想を聞くと、魚がスレていないためか「アタリが出た後の食い込みが早い」と口をそろえている。
ルアー釣りはフォールと巻き上げの二つの釣り方がある。
フォールの場合は、ジグを投入したらサミングしながらジグを沈め、底に着く前に道糸がフケたらアタリの可能性が高いので、スプールを押さえて竿を立てて合わせを入れる。
フォールでアタらなければ指示ダナの下限まで沈め、巻き上げに移る。
誘い方は竿を1回上下させるごとにリールのハンドルを1回転させるワンピッチジャークでタナの上限まで探っていく。
「エサが必要ないから手返しがいいのと、タチウオの活性が高いときはエサ釣りでは察知できないフォールのアタリが取れるため、ルアーのほうが数がのびます。ライトゲームロッドでもできるので、初めての方にはルアーをおすすめしています」と船長。
ふと周りを見ると、先ほどまでいたタチウオ船の姿はなく、沖に船団が見える。
奥田重孝船長が操船する第一長岡丸も船団にいて、好調に釣れているらしいが、こちらも入れ食いなので船団に合流せずここで続ける。
ルアーの釣り方例
エサ釣りの釣り方例
常磐タチウオのワイヤーリーダー考
当日トップ100本を釣り上げた本間智士さんは、タチウオにリーダーをかまれてルアーをロストしないよう、途中からワイヤーリーダーを付けることにしたという。
タチウオ釣りでは「ワイヤーリーダーを付けると釣果が落ちる」と言われることがあるが、常磐の高活性なタチウオに影響はまったくなく、むしろタチウオの鋭い歯でリーダーをかみ切られることがなくなり、数をのばすことができたそうだ。
なお、ワイヤーリーダーを使用する際は必ず船長に確認すること。
(上)ワイヤーリーダー。(下)本間さんは市販のリーダーを使用。
出典:
タチウオが乱舞
その後も水深30m付近を攻め、指幅5本級の良型を交えつつ1時間ほどでいい人は20本超えとハイペースで釣っていく。
その中で工夫が見られたのが右ミヨシ2番、エサ釣りの井上さん。
2本バリ仕掛けに交換することで、ダブルでハリ掛かりするようになり、倍速で釣果をのばしていく。
10時ごろ、そろそろ食いが落ち着くかと思いきや、相変わらず魚探にはバッチリ反応が出ていて船上のいたるところでタチウオが乱舞。
皆さん終盤の追い込みで一気に数をのばし、ほとんどの方がクーラー満タン。
まだまだ釣れそうな勢いのまま11時に早揚がり。
ルアーの本間さんが100本、エサの井上さんが60本でフィニッシュ。
初挑戦で船長からルアーをすすめられた左トモ3番の白間莉り紗ささんは指幅3~5本級のタチウオを35本釣り上げて、「炙り刺しや梅しそ天ぷらにするのが楽しみで、いい日に来れてよかった」とニッコリ。
釣果は86~127cmのタチウオが1人11~100本。
エサ釣りが11~60本、ルアーが35~100本。
約3時間の実釣で平均47本という文句なしの釣れっぷり。
2月上旬現在、タチウオの群れはさらに北上し、北茨城の大津沖で釣れているとのこと。
タチウオは神出鬼没なだけに正直、いつまで爆釣が続くのか分からない。
本誌発売の2月中旬以降も釣れ続くことを祈るばかりだが、必ず釣行前にタチウオ船の出船状況を確認していだきたい。
タチウオ初挑戦の白間さんはルアーで35本キャッチ。
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ルアー釣りではワンピッチジャークでバリバリ食ってきた。
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タチウオの強い引きを何度も堪能することができた。
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【隔週刊つり情報(2021年3月1日号)※無断複製・転載禁止】