定番の天ぷらは言うに及ばず、昆布じめや南蛮漬けにマリネやカルパッチョ。
大きいサイズは刺身にするのもおすすめなのが、パールピンクの女王様ことシロギス。
今回はそんなおいしいシロギスを釣るべく、8月中旬に東京湾奥横浜本牧の長崎屋に足を運んだ。
事前に船宿に状況を伺ったところ、数はトップで50~80尾前後、良型ぞろいで釣り味は十分とのこと。
当日はお盆休みのさなかとあって、ほぼ満席にて8時にポイントの中ノ瀬に向かって出船となった。
キス釣りのコツは?
さて、東京湾のキス釣りはタックルが軽量なうえ、ビギナーでもある程度の釣果が見込めるため沖釣り入門に持ってこい。
そのためキスで沖釣りデビューした方も多いことだろう。
そして楽しい思い出とともに、ベテランと自分の釣果の差にあぜんとしたのではないだろうか。
キスの釣果をのばすには、仕掛けを投げて広範囲をリサーチすることが大切。
ただし水温、水色、潮の流れなどによって魚の活性が変化するため、様ざまな誘いを駆使しながら、そのときのヒットパターンを導き出す必要がある。
ベテランの域に達するには一朝一夕にはいかないにしても、基本さえ覚えておけば船内での平均釣果は達成できることだろう。
エサのアオイソメは3cmほどに切り、ハリに通し刺しにして真っすぐになるようにていねいに付ける。
古くなったり短くなったら新しいものと交換する。
仕掛けは、キャストができればテンビン仕掛けでもよいが、できない人は胴つき仕掛けがおすすめ。
船下を狙う場合でも、投入するとき振り子の要領で軽く投げると手前マツリを軽減できる。
着底したら、オモリを底に着けてラインを張らず緩めずでキープしつつ、10秒に1回くらい竿一杯にゆっくり誘い上げ、再び着底させる。
誘いを繰り返して3分たっても何の変化もなければ、回収してエサと仕掛けをチェックする。
上げた仕掛けが複雑に絡まっていたら、新しいものと交換しよう。
キャストが有利
15分ほど走って中ノ瀬の15mダチに到着すると、長崎功船長からスタートの合図が出た。
開始早々、右胴の間の安藤さんにアタリがきて船中最初の1尾となる18cmほどのキスを釣り上げると、右トモの和深さんは20cmを手にしてニッコリ。
和気あいあい、ホンワカとしたこのキス船のムードが私は大好きだ。
次にヒットさせたのは左トモ3番の北村さん。
彼はシロギス釣りが得意とのことで、キャストから誘いにいたる一連の動作が実にスムーズで、スパッと20cm級を抜き上げる。
続けて左胴の間の中野さんが22cmのグッドサイズをキャッチしたが、全体的にはポツリポツリ。
船長は15分ほどでこのポイントに見切りをつけて移動となった。
5分ほど走って18mダチで再開。
さっそく右胴の間の遠矢さんが18cmを釣り上げると、和深さんが激しく竿をたたかれながら巻き上げ開始。
上がってきたのは定番ゲストのイシモチだ。
その後、キスに交じってアジも顔を出し、船内各所で歓喜の声が上がる。
「大きいのが上がったよぉ」とおいでおいでをしているのは右トモ3番の和深柔美さん。
これが当日最大24cmの刺身サイズ。
まだ2尾目だが目標は30尾とのことで、「残り28尾ですね」と私が言うと「頑張るわよ」と笑顔で応えてくれた。
竿先をたたく小気味いい引きがたまらない
出典:
(左)当日最大24cmを手にした和深柔美さん(右)胴つき仕掛けで楽しんでいた和深さん
出典:
(左)太ったキスは天ぷらが最高(右)ベイトタックルと胴つき仕掛けで船下を狙った外山さん
出典:
希少なゲスト
右ミヨシの佐藤さんも20cmのキスを上げ、その後も連釣してエンジン全開。
佐藤さんは、本誌を定期購読しているとのことで手返しもよく、そつなく釣り続けていた。
私が撮影で船内を動き回っていると、「でっかいメゴチが上がったから写真を撮ってあげて」と船長に声をかけられた。
船長が指さす左ミヨシに行ってみると、親子で来ていた中一の豊田陽太くんが、私も見たこともないほどの大きなメゴチを釣り上げていた。
「これは刺身が楽しみだ」とお父さん。
メゴチが少なくなった近年の東京湾では希少な1尾だ。
その後は入れ食いとはいかないまでも、船内ほどよくキスが上がって写真撮りも済ませたところで私も釣りに参加。
私の席は左ミヨシで、このときの流しでは潮下となっており、皆さんのおこぼれをいただくポジション。
そこで、遠投して色いろなパターンの誘いと食わせの間の取り方を試してみると、潮が濁っているうえあまり動いていないせいか、魚の活性は今ひとつでエサの吸い込みも弱いことが分かる。
で、ゆっくりと大きく誘い上げ、待ちの時間を長めに取るのが効果的と判明。
釣れるサイズはどれも18cm以上で20cmを超える良型が掛かるとビビビビッと手元に伝わる手応えも申し分ない。
あ~キス釣りって本当に楽しい。
そして私がキス20尾とイシモチ4尾を釣ったところで14時に沖揚がりとなった。
当日のトップは49尾、船内平均20尾ほどだったと思う。
長崎屋は8時出船、14時沖揚がりのショートキス乗合を周年出している。
仲間を誘って出かけてみてはいかが。
(左)中学一年の豊田陽太(ひなた)くんがシロギス、メゴチ、アジ、イシモチを釣り上げ大活躍(右)父親の豊田さんは良型連発
出典:
(左)飛距離のあるキャストとスムーズな手返しで数をのばした北村さん(右)小型はほとんど交じらない
出典:
知っ得!飲まれたハリを外すコツ
キスにハリを飲まれたら、写真のようにエラブタから指先を入れてしっかり押さえて、ハリスをクイッ、クイッと引っ張ればハリが抜ける。
慣れると簡単なので、ぜひお試しを!
飲んだハリを抜くとキスが 弱るので、水氷を張ったクーラーにしまおう
出典:
Tackle Guide
キス仕掛けはテンビン仕掛けと胴つき仕掛けの2タイプあり、初心者は胴つき仕掛けがおすすめ。
ちなみに長崎屋のオリジナル仕掛けは胴つき1本バリと2本バリ。
船下を狙うときは1本バリ、キャストして広範囲を探るときは2本バリがおすすめだ。
当日のシロギスタックル
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隔週刊つり情報(2021年9月15日号)※無断複製・転載禁止