3月31日、マルイカを狙って相模湾平塚港の庄治郎丸へ。
平日にもかかわらず乗船者10名の盛況ぶりで、マルイカ船を担当する船木正人船長に近況を伺うと、「今のところ釣り場は亀城根周りがメインで水深は60~90m前後です。日によるムラはありますが、胴長15~25cm級の中小型主体にいい日は50杯以上釣った人もいます。浅場に乗っ込んできた。ヤリイカも交じっていいお土産になってますよ」とのこと。
6時半に港を離れ、40分ほど走って最初のポイントに到着。
しばらく周囲をリサーチして投入合図が出る。
目下の城ケ島沖は90mダチの深場が中心。
出典:
水深90m。
直結仕掛けで着底と同時にタタキを入れ、ピタッと止めてゼロテンでアタリを見ていた左ミヨシの菊池さんとミヨシ2番の渡辺さんが巻き上げる。
先に上がった渡辺さんが胴長30cm級のヤリイカ、続いて菊池さんが同級のヤリイカと胴長25cm級のマルイカを取り込む。
お二人は週1ペースで同船のマルイカ船に通う上級者だ。
その後は1流し1投、流し変えるたびに船内各所でヤリイカ主体に時折スルメが交じる展開が2時間ほど続く。
しかし、どうしたものかマルイカがほとんど釣れないので船長に様子を聞くと、
「ここはヤリイカ狙い、マルイカのポイントはもう少し浅い所です。皆さんお土産になるくらいは釣れたようなので、そろそろ移動しましょう」
日によりムラのあるマルイカは、ともすればオデコの人が出ることも。
そこでヤリイカの群れが浅場に回っているこの時期、初心者が多い場合は早朝の1~2時間お土産釣りにあてているそうだ。
(左)船内最初の1杯は胴長25cm級。(右)マルイカの刺身は最高。
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早朝は亀城根周りの90mダチでヤリイカが乗り乗り。
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乗ればマルイカ
水深60m付近で再開。
ゼロテンでアタリを見ている菊池さんと渡辺さんが早々に巻き上げ、胴長25cmほどのマルイカを取り込む。
これに続いたのが右ミヨシ、御年72歳の大ベテラン河野さん。
直結仕掛けでマルイカを釣り上げ、
「ここ(庄治郎丸)の常連客でマルイカ釣りが得意なTさんが、仕掛けや釣り方のことを聞くと親切に教えてくれるんですよ。マルイカのゼロテン釣法は難しいけど面白い、すっかりハマってます」とのコメント。
当日はウネリがあり、船が大きく上下するミヨシ側は釣りづらい状況だが、その後も河野さんは積極果敢に誘いを入れてマルイカを釣る。
水深60m付近を転々と探り、1流し1投、乗ればマルイカ、ほぼ空振りなしの展開が続く。
当日の乗船者のタックルは、大半がマルイカ竿と小型両軸リールに直結仕掛け。
マルイカといえば、今やゼロテン釣法がスタンダードだ。
しかし、この日はゲームロッドと小型電動リールのタックルにブランコ仕掛けで釣っている方もいた。
当日ブランコ仕掛けでコンスタントにマルイカを釣っていた今井さんに話を聞くと、「うまい人はゼロテンでたくさん釣るけど、私には難しい。でもブランコ仕掛けなら、そこそこ釣れます。マルイカはおいしいから、食べるのが楽しみで年に何度かここにきて、ブランコでのんびりやってます」とのこと。
テクニカル系のマルイカは、初心者にはハードルが高いと感じて敬遠する人がいるかもしれない。
しかし、海中でウキスッテがフワフワと漂い、これが絶妙な誘いになるブランコ仕掛けの基本釣法は、一定の間隔でシャクリを繰り返すだけと比較的簡単。
マルイカ入門や、今井さんのようにのんびり釣りたい人にもおすすめだ。
釣り場が深いこの時期は超小型電動リールを使う人も多い。道糸はPE2号以下、オモリは50号で統一。
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(左)渡部さんは宙を探って数をのばした。(真ん中)河野さんのお気に入りは赤帽のネオンスペシャル40。(左)マルイカ初挑戦の石川さんは後半に追い上げ9杯。
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大流しのフィナーレ
次第に反応を探して潮回りする時間が長くなり、船長は移動を告げる。
20分ほど走って到着したのは城ケ島沖の水深90m付近。
移動後の1投目、菊池さんと渡辺さんが着乗りで巻き上げ胴長20cm級のマルイカを釣る。
いい群れに当たったのか、船中いたるところでマルイカが上がる。
中でも菊池さんと渡辺さんはタタキ、止め、巻き落としを繰り返し、2投、3投、4投とハイペースの手返しで釣り上げていく。
およそ30分以上の大流しとなり、ここまでマルイカが釣れていなかった人の大半が本命の顔を見て、13時40分の沖揚がりを迎えた。
釣果は3~25杯でマルイカが5割ほど。
ヤリイカとスルメが交じった。
トップは菊池さん、2番は15杯で渡辺さん、3番は11杯が2名で一人はブランコ仕掛けの今井さん、4番は10杯の河野さんだった。
今日は潮具合が今ひとつで乗りがよくなかったと船長は残念がっていたが、反応は連日バッチリ出ているとのことで今後も期待十分。
最後に、トップの菊池さんと2番の渡辺さんに当日使っていたスッテを教えていただくと、
「ジョーカーのネオンスペシャル40です。ここの常連客は皆さんこれがメインですね」とのコメント。
ネオンスペシャルは一世を風靡した名作スッテ「ネオン」シリーズの特徴である、ボディにカラーオイルを注入した構造を継承したネット限定販売のスッテ。
カラーは10色以上あり、お二人のお気に入りはともにダークブルー/レッド/イエロー/蛍光ピンクのミックスカラーとのこと。
スッテ選びの参考にしていただきたい。
また、菊池さんが使っていた自作のゼロテン専用竿は、河野さんが師と仰ぐマルイカ名人・Tさんに作り方を教わり、ゼロテン釣法の手ほどきも受けたという。
Tさんのことがとても気になり船木船長に尋ねると、
「Tさんもけっこう釣るけど、うちのお客さんで、もっとすごいマルイカ名人が何人かいますよ」という。
船木船長を慕って同船に通う名人級の層の厚さに驚くとともに、Tさんを始めそのマルイカ名人たちの釣技を、いつか取材したいと思うのであった。
(左)トップを自作したゼロテンロッドで25杯釣った菊池理恵さん。(右)菊池さんのスターティングスッテ。ジョーカー・ネオンスペシャル40を主体に、一番上はプラヅノ11cmを配置。
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(左)ブランコ仕掛けで11杯釣った今井さん。(右)ブランコ仕掛けの高橋さんは茶トラのウキスッテでキャッチ。
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微妙なアタリをとらえて掛けたときが楽しい。
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プラヅノ11cmが吉!?
「主にネオンスペシャルのスッテがお薦めですが、ヤリイカが混ざる季節には、ブルー系のプラヅノ11cmを最優先にセットするとヤリが良く釣れます。意外にもマルイカもプラヅノに反応するので、一度試してみてはいかがでしょう」と菊池氏が語る。
(左)ネオンスペシャルはネット限定販売。(右)菊池さんオススメのプラヅノはハヤブサ・ピカイチスティックドット11cm。
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Tackle Guide
ゼロテン釣法にチャレンジしたいけど、直結仕掛けでイカを取り込むのが苦手・・・。
というイカ釣り初心者は直ブラ仕掛けがおすすめ。
なお庄治郎丸のマルイカ船は道糸PE2号以下限定。
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