宮本さんと腕自慢の読者や著名な沖釣りエキスパートが様ざまな釣り物で真剣勝負を繰り広げてきた当連載もいよいよ最終回。
これまで11戦6勝4敗1分と勝ち越している宮本さんは、「最後の対決は圧勝で飾りたいね」とやる気満々だ。
ターゲットは東京湾のシロギス。
対戦者は沖釣り歴40年で主にアジやメバルなどの小物釣りを楽しんでいる永井利典さん。
百戦錬磨の宮本プロが相手でも、得意なシロギス釣りなら勝機があると対決に名乗りを上げたという。
対決ルール
勝敗は釣り上げたシロギスの総数で決する。
2時間ごとに釣り座交代とする。
宮本英彦の戦略
仕掛けも釣り方もいつもどおり。テンビン式1本バリをキャストして、広範囲を探っていきます。
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(左)エサの付け方はイソメの頭にチョン掛け、タラシの長さは5cmほど。(右) 小型テンビンの先にスナップ付きサルカンを付け、市販のハリス付き袖6号を結ぶ。
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竿はシマノのリアランサーXキスKANE170、リールはヴァンキッシュC2000SHGを使用。
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宮本英彦
バスプロとして真剣勝負の世界で28年間活躍し、引退後は沖釣りに熱中。
一つテンヤ、カワハギ、フグなどテクニカル系の釣り物を得意とし、中でも一つテンヤは名手として知られる。
ジャッカルフィールドテスター、シマノ・チームステファーノメンバー。
永井 利典の戦略
シロギスの釣れ具合に合わせて、仕掛けやタックル、釣り方を工夫してがんばります!
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市販品のテンビン仕掛け2本バリと胴つき仕掛け2本バリを用意。 (右)永井さんのエサ付け。エサは船宿支給のイソメと持参したジャリメ。
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胴つき仕掛け用のリールに巻いた道糸はナイロンライン、しなやかでエサの食い込みがいいとのこと。テンビン仕掛け用のリールは道糸PE1号を使用。
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永井 利典
62歳。千葉県在住。沖釣り歴40年「シロギス釣りは自信があるので宮本プロに負けないように全力で挑みます!」
ヒットパターンをつかんだ宮本さんが快進撃! 出遅れていた永井さんが胴つき仕掛けで追い上げる
対決の舞台は東京湾奥・田町の石川釣船店。
2月11日、乗船者7名で7時に出船。
まずは宮本さんが右ミヨシに入り、隣に永井さんが並ぶ。
航程40分ほどで目下シロギスが好調な木更津沖20mダチに到着してスタート。
宮本さんは全長45cm、1本バリのショート仕掛け、得意のキャストで広範囲を探ったが、アタリはあるもののハリ掛かりしない状況が続く。
そこでシロギスが小さいと判断した宮本さんは、エサの吸い込みをよくするためにイソメの頭を切ってハリに通し刺し、タラシは長さ4cmほどと若干短めにした。
(左上)軽いシャクリで誘って探る。 (左下)安全のため、竿先を海面に向けて構えアンダースローでキャストする。(右上)取り込んだ魚を外し、エサを付け直して再投入。一連の動作によどみがない。(右下)食いが悪いとき、エサはイソメの硬い頭部を切り落としてタラシを4cmほどにする。
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するとこの作戦が当たった。
12cm級をスパッと抜き上げ、その後は軽いシャクリを繰り返して誘い続ける攻めのパターンでヒットを連発。
一方、テンビン式の2本バリ仕掛けに船で配られたイソメと持参したジャリメをそれぞれのハリに付け、ゆっくり竿を上下に動かして船下を探っていた永井さんは、8時過ぎにようやく最初の1尾を掛けたものの後が続かない。
潮具合だろうか、手前マツリが続いた永井さんは胴つき仕掛けをセットしたタックルに取り替え、オモリを底に着けて待つゼロテンションと軽く竿先をシェイクする誘いを繰り返すとアタリが出た。
15cm級を抜き上げ、続いて同級をキャッチ。
タックルチェンジが当たった永井さんの追い上げが始まる。
シロギスの活性は高いようで、両者のオケが見る見るうちに一杯に。
石川威夫船長はアタリが遠くなると流し変えを繰り返してくれて、10時前に移動したところで席交代。
永井さんは出遅れがひびいて18尾、宮本さんは40尾と大きくリード。
宮本さんの決まり手
臨機応変に対応して数をのばす宮本さん。 永井さんは仕掛けの選択に迷走
ポイントがやや深くなって25mダチで再開。
仕掛けをロングキャストしてもすぐに船下に戻ってしまうため宮本さんは作戦を変更。
軽く投げた後、シャクリを繰り返して誘いを入れつつ船下まで探る。
通常、宮本さんは仕掛けが戻ってくるとすぐに回収して投げ直すのだが、このポイントでは船下でしばらく誘いを繰り返した。
すると狙いどおり船下で20cm級を釣り上げ、そのあとも良型を連発。
チョイ投げで誘い、アタリがなければ船下をしばらく探る、というヒットパターンで順調に釣果を上げていく。
(上)後半は20cm級の良型ぞろい。(下)良型のシロギスは引きも強い。
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シロギスを釣りまくる宮本さんの隣でなかなかアタリを出せずにいた永井さんは、再びテンビン仕掛けのタックルに持ち替えたものの沈黙が続く。
20分ほどで胴つき仕掛けに戻すとポツポツ上がるようになったが今ひとつ。
持参したジャリメは一度も食わず、エサはイソメのみにしたという。
仕掛けに悩んで何度も交換したが、 最後は胴つき仕掛けで勝負した。
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(上)胴つき仕掛けで釣るときは、オモリを底に着けてゼロテンションで待つ。(左下) アタリがきたら聞き上げて、引き込んだら巻き上げる。(右下)イシモチも交じる。
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12時過ぎに2回目の席交代。
仕掛けの選択に迷ってペースを乱した永井さんが30尾、状況に合わせて臨機応変に対応していた宮本さんは74尾と差を広げた。
その後も宮本さんは順調。
一方、後半は仕掛けを胴つき式に絞り、大きく竿をあおったり、タタキ、タルマセなど誘いを変え、なんとかきっかけをつかもうとする永井さんの努力もむなしく、13時に沖揚がりとなった。
判定!勝者は宮本英彦94尾。永井利典34尾。
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木更津沖のシロギス。大小交じりで絶好調。
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食いが立つとダブルでも釣れる。
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宮本英彦の総括
早朝は風がありキャストしてもラインがフケて釣りづらい状況でした。
そこで軽いシャクリ繰り返して仕掛けを動かし続けることに。
最初はアタリが合っても掛からず苦労しましたが、エサの食い込みをよくするためにイソメの頭を切って使用すると効果的でした。
対戦者の永井さんは仕掛けや釣り方をあれこれ変えて苦労していたようです。
さて、「沖釣りガチンコ勝負! ! 」を1年間ご愛読いただきありがとうございました。
同船したときは気軽に声をかけてください。
いつでも皆さんとの勝負をお受けします!
対戦者の弁
もう少し釣れると思いましたが・・・仕掛けや釣り方に迷って自滅しました。
まだまだ修業が足りません。
しかし、宮本さんと一緒に釣りを楽しめて最高の一日になりました。(永井利典)
見届け人の弁
全体的にはアタリが多く、スムーズな手返しを行い94尾を釣り上げた宮本さんはさすが。
一方、最後まであきらめずに手を尽くした永井さんの釣技も素晴らしかった。
宮本さん、全12戦にわたったガチンコ勝負、おつかれさまでした。(内山)
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【隔週刊つり情報(2020年3月15日号)※無断複製・転載禁止】