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[釣具店が3倍面白くなる!頼れるスタッフ(第11回)]フィッシング相模屋・川島正嗣さん

隔週刊つり情報編集部

超大型店の利点を生かした魚種別のディスプレイが特徴。

人気の釣り物からマニアックな魚種まで、なんでもそろう品ぞろえを誇るとともに、専門店同等のしっかりした接客を心がける。

品ぞろえ作業と接客の時間配分が悩みの種と川嶋さんは言う。

STAFF PROFILE

川嶋正嗣(かわしま まさつぐ)さん

・昭和45年1月生まれ50歳

・神奈川県藤沢市生まれ。

金沢八景にある大学に通っていたころに陸っぱりから釣りを始め、シャコなど寿司ネタも釣れることに感激。

船釣りは釣具店業界に入ってから。

沼津のコマセダイや東京湾の伝統釣法に染まる。

現在は相模屋の販売主任船釣り担当を務める。

タックル、仕掛けから必須アイテムまで、1魚種1コーナーのディスプレイを展開

「ここの通路は銀座通りと呼んでいます。季節ごとの人気の釣り物のコーナーになります」
 
フィッシング相模屋は、とにかく売り場面積の広い大型店になる。

入り口左のレジから見て、奥に向かって3つの大きなブロックで構成され船釣り用品は真ん中のブロックの7割ほどを占めるスペースがある。
 
3つのブロックを貫く入り口正面中央の通路が、銀座通りと呼ばれる通路になる。

船釣りのブロックでは現在、カワハギ、アマダイ、マルイカ、タチウオなどの製品が並んでいる。
 
釣り物ごとにコーナーを分けてディスプレイする方法は、大型量販店ではよくとられているが、この店舗の場合は徹底している。

一つの魚種のコーナーには専用竿から仕掛け、必須アイテムまですべてそろえてディスプレイされている。
 
例えばタチウオのコーナーには、各社の専用竿、PEライン、ハリス用ライン、各メーカー、各サイズのハリ、チモトに入れるパイプ類、テンビン、ハリ外し、そして仕掛けまでがそろえられており、このコーナーだけでタチウオ製品がほぼそろう。
 
コマセ釣り、一つテンヤ、タイラバを含めたマダイ、カワハギ、ライトアジ、イサキ、マルイカ、フグ、ヒラメなど沖釣りの主要魚種のコーナーに同様の超大型店の利点を生かした魚種別のディスプレイが特徴。

人気の釣り物からマニアックな魚種まで、なんでもそろう品ぞろえを誇るとともに、専門店同等のしっかりした接客を心がける。

品ぞろえ作業と接客の時間配分が悩みの種と川嶋さんは言う。

ディスプレイが採用されており、売り場面積が広い店舗の利点が十二分に生かされている。
 
製品によってはそれぞれのコーナーに同じものが並ぶことになるので、限られたスペースの使い方としては合理的ではないかもしれないが、購入する側から見ればこれほど親切なことはないだろう。
 
どこにどのコーナーを作るか、どんな製品をそろえるかは、川嶋さんの判断によるので、大変な作業だろうが、話を聞いていると、そこがスタッフの楽しみのようにも聞こえた。

店内の写真

「銀座通り」と呼ばれる店内中央の通路。人気の釣り物のコーナーが並ぶ。天井の照明を見れば奥行きの大きさが分かる

商品の写真

(上)水中でライトが付くカワハギ用のオモリ(下)カラーや号数、発光パターンが違うタイプをこれだけそろえている

商品の写真

ロッド、ライン、ハリ、仕掛け、テンビンなどが分かりやすく配置されたタチウオのコーナー

針の写真

アマダイコーナーのハリを見ても川嶋さんの情報量の豊かさが分かる

釣り物によっては手軽さを求める反面、ステイタスを守ることも釣りの楽しみを長続きさせる

「接客をしっかりすることを心がけていますが、できることなら、お茶でも飲みながらゆっくり釣り物の話がしたいですね。ただ、今でも接客に時間をかけるあまり、他の作業をする時間がなくなるのが悩みの種です」
 
そう話す川嶋さんだが、釣り具の説明は非常に詳しく、つい話が弾んでしまうのは分かる。

豊富な知識に裏付けされているのは明白だが、それを身に着けたのは実際の釣行からだろう。

「船釣りを始めたころコマセダイにはよく通いました。沼津が多かったのですが、なかなか思うような結果が得られないところに面白さを感じたものです。それから東京湾の伝統釣法と呼ばれるエビタイやエビスズキにはまったのですが、走水港の勝洋丸によく乗っていました」 
 
これには驚いた。

久しぶりに個人的に懐かしい船の名を聞いたからだ。

三浦半島走水港の勝洋丸は小川勝治船長が亡くなられて今はないが、年間を通じて早朝出船、釣り場は港付近、エビエサのマダイとスズキ、メバル、胴つき仕掛けのアジ、スミイカなど東京湾の伝統釣法を釣り物としたユニークな船だった。
 
私も何度も乗船していたので、よく通ったと聞けば川嶋さんの好きな釣りが、人気の釣り物から伝統釣法まで幅広いことがすぐに分かった。

「例えば深場釣りは、昔は初心者にとっては高嶺の花といえるような釣りでしたが、今はタックルがライト化し、レンタルタックルを充実させている船も多いので、それほど敷居の高い釣りではなくなりました。ただ、高嶺の花感に魅力があったことも確かでしょう。また、手軽になるのはいいのですが、苦労するのも釣りの面白さだと思います。それがだんだん薄れてしまうと趣味として長続きしないのではと心配です。品ぞろえに反映する情報は、お客さんから得ることが多いのですが、模様の悪い魚にも釣行するような、本当に釣りの好きな人をバックアップする役目も釣具店にはあると思います」
 
釣れている魚に人気が集中するのは仕方がないが、豊富な魚種を相手にできる沖釣りの楽しさが薄れてしまうことを危惧していた。

「好きな釣り物は?」と聞くと、「おいしい魚ならなんでも」と沖釣りの最も分かりやすい魅力が返ってきた。
 
効率よく冷やせるクーラーに入れるトレイや絞め具など、魚を新鮮に持ち帰れる製品の品ぞろえも、もちろん充実していた。

商品の写真

ハリスとハリのコーナーではなく、これはコマセダイのコーナー。最も大きなスペースが使われている

接客の様子

(左)川嶋さんの製品説明は分かりやすく、細かな特徴まで実に詳しく教えてくれる(右)銀座通りの入り口はライトタックルコーナー。人気のほどがうかがえる

店内の様子

(左上)タイラバのコーナーには専用リール、ロッドを仕掛けと並べて配置(右上)イカ用のトレイもサイズやタイプを豊富にそろえている(下)小物ケースもこの品ぞろえ

隔週刊つり情報(2020年3月1日号)※無断複製・転載禁止

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