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キンメ~近場で安心の深場釣り!~

隔週刊つり情報編集部

この時期になると釣りたくなるターゲットの一つがキンメダイ。

冬の食卓をキンメのしゃぶしゃぶで暖めることができれば釣り人冥利に尽きるというもの。

近場でサクッと深場の花形をゲットしよう。

釣行の写真

沖ノ瀬の根魚五目なら比較的だれでも気軽にキンメ釣りに挑戦しやすい

アカムツと双璧をなすグルメターゲット、キンメダイ。

釣り場は各地にあるが、今回は近場で気軽に楽しめる相模湾のキンメ釣りを紹介しよう。
 
12月上旬現在の模様は潮の速い日も多く釣りづらいこともあり型を見られれば上等といったところだが、釣れるキンメはほとんどが30㎝以上、時には5枚7枚と多点で掛かってくることもあり、潮が緩めば十分チャンスはありそうだ。

初めてなら5本バリから始めよう

相模湾のキンメ釣りには大まかにオモリ150~200号を使う船と、オモリ250~400号を使う船があり、狙うポイント、水深、主に釣れる魚なども多少変わってくる。
 
今回取り上げるのは、沖ノ瀬のキンメダイをメインに狙う根魚五目。
 
船により使用オモリや推奨する道糸の号数など多少変わってくるが、今回は11月28日に取材した長三朗丸の根魚五目をベースに紹介していきたい。
 
船宿は貸し道具を完備しており、初めてならそれを利用するのもいいが、せっかくなら自分の道具で釣ってみたいという人のためにまずはタックル&仕掛けの概要を説明しておこう。
 
長三朗丸ではオモリ300号を標準に、潮が速いときには400号を使う。

さらにキンメを多点掛けしたときの重量、速潮により加わる負荷に耐えられるパワーのある竿が必要になる。

具体的には各種深場竿やキハダ竿、硬めのビシアジ竿などが該当する。
 
リールは狙う水深が400m以上、潮によっては500m以上道糸が出てしまうこともあるから、それ相応のスプールキャパシティがあるサイズの電動リールが必要。

シマノなら6000番か9000番、ダイワなら800番、1000番、1200番といったところが安心して使える。
 
巻いておく道糸は、長三朗丸ではPE6号600m以上が基準。

太い場合は10号までが許容範囲で、5号以下の細PEはオマツリしたときに切れやすいのでおすすめしていない。
 
仕掛けは、図示したような胴つき式で、ハリ数は5~10本前後。

長三朗丸では5本バリと7本バリの仕掛けを販売していて、ハリ数は最大でも12本まで。

キンメは一投多釣を期待する釣りだからハリ数は多いほうが有利という一面はあるが、初心者がいきなり10本以上のハリ数の仕掛けを扱うのは無理がある。

まずは5本バリから始めることをおすすめしたい。
 
沖ノ瀬のキンメ釣りは南伊豆のように掛け枠(治具)を使って1投ごとに仕掛けを交換するのではなく、ハリを船ベリへ並べて投入、繰り返し使うスタイル。

なので船宿仕掛けを使うにしても、最低限サルカンへの結び方(深海結び)だけは覚えておきたい。
 
なぜなら、仕掛けを回収するときにほかの人とオマツリしていたり、手前マツリでハリスがヨレて上がってくることが多々ある。

そんなときにいちいちほどいていては時間のロス。

サルカンの結び目でハリスを切って結び直すほうが手っ取り早い。
 
ハリのチモトがヨレていることも多いから、できればサルカンへの結びのほかに、ハリを結び直す外掛け結びもできるといい。

沖ノ瀬の根魚五目仕掛け例

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竿の写真

レンタルタックルを利用するのもあり

リールの写真

リールのサイズと巻いておく道糸には気をつけよう

仕掛けの写真

(左)初挑戦なら船宿仕掛けを購入したほうがいいかも。オモリは300号もしくは400号(右上)中オモリやヨリ取りリングを付けておくと取り込みやすい(右下)エサはサバの切り身。海中で回らないよう先端中央にハリを刺す

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覚えておきたい深海結びと外掛け結び

毎回の投入と着底を見逃さないことが大切

沖ノ瀬のキンメ釣りも、南伊豆と同様に船長の合図でミヨシまたはトモから順番に投入していく。

だから、投入準備が整っていないとその流しは一回休みになってしまう。

一日の投入回数は最大で8回くらいまで、一回休むとその分チャンスは減ってしまう。
 
通常は朝、出船前にタックルとキーパーをセットしておくが、その日の人数により釣り座の間隔は変わるから、どの辺にキーパーを取り付ければいいか船長に確認しておこう。
 
仕掛けも船ベリのマグネット板へエサを付けて並べておくと、釣り場に着いてから慌てなくて済む。

ただ風の強い日は移動中に仕掛けが絡まってしまうこともあるので、そんな日は釣り場に着いてから仕掛けを準備してもいい。
 
いずれにしろクーラーやバッグは足元には置かず、座席の下や船前後の空いているスペースへ移しておく。

バケツなど転がりやすい物も下にマットを敷くなどして動かないようにしておく。
 
とにかく仕掛けが引っ掛からないよう足元をスッキリ整理しておくことが毎回確実に仕掛けを投入する第一歩だ。
 
潮回りが終わると船長の合図で投入開始。

自分の番が近づいてきたら仕掛けを自分の足に引っ掛けないようオモリを手にしてマグネット板より後ろに下がる。

もしくは座席の上にしゃがんで、合図が出たら軽くオモリを放り投げる。

パラパラッとエサの付いたハリがすべて海中へ吸い込まれていくのを確認したら、リールのクラッチを切る。
 
全員の投入が終わるまでは船を少しずつずらしていくため道糸が前後左右に大きく流されるが、慌てなくて大丈夫。

バックラッシュしない程度に軽くスプールに手を添えてしばらくはフリーに落としていく。
 
船長が水深を告げ、船が落ち着いて道糸が立ってきたときに両隣の人と見比べて道糸の入り方が大きく違うようなら強めにスプールを押さえて仕掛けが入る角度を修正してやる。
 
道糸のマーカーやリールのカウンターで確認、船長が告げた水深が近づいてきたらそろそろ着底。

基本的に投入した順番に仕掛けは底に着くので、前の人が底ダチを取り始めたら自分の着底も近い。

スプールを押さえて仕掛けを止めたり下ろしたりしながら着底を見逃さないようにする。
 
潮の流れがそれほど速くなければオモリがトンッと底を打った感触はだいたい分かるはず。

もし次の人が底ダチを取り始めているのに自分のリールから道糸がどんどん出ている場合は着底を見逃している可能性が高い。

いったんリールのクラッチを入れて道糸の出を止め、十数メートル巻き上げてから下ろし直す。

こうすると余分な糸フケが取れて着底が分かりやすくなる。

釣行の写真

船長の合図でオモリを放り投げ、仕掛けが全部出たことを確認してからリールのクラッチを切る

竿の写真

サミングしながら道糸の出をコントロールするのがコツ

慌てずにヨリを取りながら仕掛けを回収する

沖ノ瀬のキンメ釣り場は、あまり水深の変わらない平たんな場所を狙うこともあるが、基本的には船の流れる方向により浅くなったり深くなったりする崖状のポイントを狙うことが多い。

船長が「浅くなっていくよ」とか「深くなっていくよ」とアナウンスしてくれるので、その流しがカケ上がりなのかカケ下がりなのか理解しておきたい。
 
カケ上がりの場合は着底を確認したらオモリを3~5mほど浮かせて待つのが基本。

しばらくしてオモリがトンッと底を打つ感触があったら再び3~5m巻き上げて待つ、の繰り返し。
 
カケ下がりの場合はオモリが底をトントンするくらいか、1mほど巻き上げて待つ。

船長が「どんどん深くなってるよ」とアナウンスするときには潮の流れも速いので、まめに底ダチを取り直すようにする。

ただ、あまりに潮が速いと再着底が分からず道糸が際限なく出ていってしまう。
 
ちょっとこれは出過ぎだろと思ったら、周りの人のリールのカウンターを参考にさせてもらい、ある程度のところで仕掛けを止めて待つようにする。
 
うまくキンメの群れに仕掛けが入れば水深400mを超える深場とは思えないほど竿先に明確なアタリが出る。
 
アタリが出たら、基本的には動かさずにその位置で待つ。

無闇に道糸を送り出すと最初にハリ掛かりした魚がバレてしまったり、ほかの人とオマツリする原因にもなる。
 
巻き上げは各自の自由。もういいかな、と思ったところで電動リールのスイッチを入れる。

もし巻き上げのタイミングが分からなければ、船長に聞いてみるといい。
 
巻き上げは中速で、船の揺れでズルッと滑る程度にドラグを調整しておく。

時折たたかれる竿先を見つめながら、何が掛かっているかな?何枚付いているかな?と想像するのが深場釣りの至福の時間である。
 
巻き上げが終わったら竿を立てて仕掛けをつかみ、上バリから順にたぐり込んでいくが、このときにも慌てないように。

次の流しでも仕掛けを使うことが前提なので、一気に取り込んでしまうと修復不能なほどハリスが絡まってしまう。
 
魚の掛かっていないハリはヨリを取ってからマグネット板に並べていき、魚が掛かっているハリは外さずに座席の上に置いて、次のハリを回収、すべてのハリを回収し終えたら魚を外す。
 
もし仕掛けのヨレがひどく、次の流しまで時間があるときは、一度オモリから仕掛けを海中へ下ろしていき、ヨリを取りながら再回収、いわゆるたぐり直しをすると、次の投入へスムーズに移れる。

沖ノ瀬のキンメ釣りイメージ

取り込みはヨリを取ってから!

釣行の写真

ハリスのヨリを取ってから取り込んでいく

釣行の写真

魚が掛かっていたらタモでサポートしてもらう

釣り人の写真

こんなキンメが手軽に狙えるのが沖ノ瀬の魅力

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