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[宮本英彦の沖釣りガチンコ勝負(第9回)]三浦半島久比里出船のカワハギ

隔週刊つり情報編集部

カワハギは多くの大会が開催される競技性の高いターゲット。

宮本さんにとっては数かずのカワハギ大会で入賞経験がある大の得意種目であり、惜敗した前回のライトアジ対決の名誉挽回で勝ち星を上げたい釣り物だ。

しかし、対戦者の舟本光伸さんはカワハギ歴20年以上の大ベテラン。

年々進化する様ざまな釣り方にトライしており、今回の対決用にダイワの最新カワハギロッドを新調、最近力を入れているタタキとタルマセで狙うスタイル中心で挑むという。

決戦の地は周年カワハギ乗合を看板に掲げる三浦半島久比里の山下丸。

11月12日、午前6時半に集合し、釣り座決めジャンケンで勝った舟本さんが右胴の間に入り、宮本さんがミヨシ寄りに並ぶ。

山下克範船長に近況を聞くと、数日前に海水温が20度台から19度に下がってから好転したそうで、これから17度くらいになれば群れが固まって釣りやすくなるとのこと。

また、最近は食いがいいポイントが日々変わるそうで久里浜~鴨居沖を中心に、たまに竹岡沖を狙っていると言う。

対決ルール

勝敗は釣り上げたカワハギの総数で決する。

2時間で釣り座交代とする。

宮本英彦の戦略

釣行の写真

今シーズンは誘い過ぎると食いが悪い場面が多々あったので、誘った後にしっかり止めて待つ間を長めに取るように心がけます。

釣り具の写真

(左上)仕掛けは市販のハリス付きのハリや幹糸仕掛けを使う。(左下)エサは自分でむいたアサリのむき身を持参。(右上)竿はカワハギ竿の最新モデル「ステファーノ攻S180」を使用。(右下)宮本さんの仕掛けはシンプル。

宮本さんのアサリエサの付け方

①まず水管にハリを刺す
②続いてベロにハリを刺し
③ハリ先をキモに押し込む
④カワハギがエサを吸い込みやすいように、できるだけ小さく付ける

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宮本英彦

バスプロとして真剣勝負の世界で28年間活躍し、引退後は沖釣りに熱中。

一つテンヤ、カワハギ、フグなどテクニカル系の釣り物を得意とし、中でも一つテンヤは名手として知られる。

ジャッカルフィールドテスター、シマノ・チームステファーノメンバー。

船本光伸の戦略

釣行の写真

最新のカワハギ竿と調整用のエサを用意しました。釣り方は一番自信があるタタキとタルマセで勝負します!

釣り具の写真

(左)オモリにはタコベイトをかぶせる。(左下)自作の仕掛けを予備も含めて10組ほど用意。(右上)集寄はイチコロイタの2枚付け。(右下)舟本さんはハリ先をわずかに出してエサを付ける。

(左・右上)アサリエサをダイワ「アミノシュリンク」で締めてから、マルキユー「ウマミパワー」のエビとイソメを混ぜた。(右下)竿はダイワのエキスパートモデル「極鋭カワハギEX AGS MC」を使用。

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舟本光伸

51歳。埼玉県在住。沖釣り歴25年。

「宮本プロは憧れの存在ですが、一番得意なカワハギなら勝機があるはず。全力で挑みます!」

エサ取りの猛攻もなんのその。 抜きつ抜かれつの接戦に。

乗船者20名で7時半に出船。30分ほど走ってまずは鴨居沖の17mダチでスタート。

最初に舟本さんが15cm級を抜き上げると、宮本さんも同級をキャッチ。

舟本さんは作戦どおり、オモリを底に着けてタタキでアピールし、スッと竿先を下げて仕掛けをタルマセてしばし待ち、聞き上げる、という誘いを繰り返す。

一方、宮本さんは竿を上げ下げして誘う、もしくは竿を小刻みに揺すりながら上下に動かして底付近を探り、オモリを底に着けてゼロテンションで待つ。

そんな誘いを数回繰り返し、アタリがなければ積極的に仕掛けを入れ替えて新しい場所を攻めていく。

頻繁にアタリはあるがエサ取りが多いようで、ベラやトラギスなどおなじみのゲストが釣れ上がる。

「先月までエサもろくに取られない激シブの日が多かったことを思えば、今日はアタリがあるだけ幸せ。エサ取りもろとも掛けまくるよ!」と宮本さんは前向きだ。

宣言どおり宮本さんが連発。

本命を1枚キャッチする間に、エサ取りがその数倍は掛かるすさまじい猛攻をものともせず手返しする。

舟本さんも、宮本さん同様にエサ取りの猛攻にあえぎながらも本命を釣り上げ、抜きつ抜かれつの接戦を繰り広げる。

両名ともに4枚を数えた9時ごろ、流し変えのタイミングで1回目の席交代となる。

釣行の写真

(左上)竿を上下に動かして誘い、ゼロテンションでアタリを待つ。(左真ん中)アタリが遠い場面ではキャストで広範囲を探ったが、当日はあまり効果がなかった。(左下)微少なアタリを見逃さず、ゆっくり聞き上げて掛ける。(右上)ハリを取るフグ類はカワハギ釣りの難敵。(右下)後半に狙った竹岡沖で順調に数をのばした。

釣行の写真

(左)宮本さんはエサ取りもろとも本命を釣り上げる。(右)根掛かりと思いきやマダコが上がった。

宮本さんのヒットパターン

宮本さんが微かなアタリをとらえてジワジワ引き離す

その後もエサ取りの猛攻は続いたが、本命が上がらなくなり久里浜沖の25mダチへ移動するも好転せず。

11時過ぎ、20分ほど走って竹岡沖に移動。

11mダチで再開し、宮本さんは得意のキャストで広範囲を狙い、軽いシャクリを繰り返して誘う方法に変更したが、上がってくるのはエサ取りばかりで本命のアタリが遠い。

キャストの恩恵は得られそうにないと判断した宮本さんは再び船下を狙う。

12時ごろ小移動のタイミングで2回目の席交代。16mダチで再開した直後、宮本さんが20cm級を釣り上げる。

「ゼロテンでカサカサと手に感じる微かなアタリだったね」と、3時間ぶりに手にした本命に笑みがこぼれる。

その後はキタマクラやサバフグが増え、たびたびハリを取られながらも、宮本さんは1枚、また1枚と釣り上げ徐々に舟本さんを引き離す。

舟本さんは離されまいと誘いの幅やスピードを変えて奮闘したが、アタリが出るもののハリ掛かりするのは外道ばかりで苦戦。

船長はアタリが遠くなるとすぐに小移動。

20mダチ、27mダチと徐々に深いポイントを探っていき、宮本さんが8枚目をキャッチ。

沖揚がり間際、舟本さんが本命を掛けて一矢報いるも、宮本さんとの差は詰められず14時半の沖揚がりで試合終了となった。 

釣行の写真

(左)舟本さんは得意のタタキとタルマセで狙う。(真ん中)舟本さんは、アタリがくると竿一杯にゆっくり聞き上げて合わせる。(右上)早朝のチャンスタイムに連続ヒット。(右下)レギュラーサイズの15cm級をキャッチ。

釣行の写真

食いが浅いのか、はたまた魚が小さいのか、巻き上げ中のバラシも多かった。

釣果の写真

判定!宮本英彦勝者カワハギ8枚。船本光伸5枚。

宮本英彦の総括

今回はベタナギでしたので、得意のゼロテンションでやれました。でも、アタリが出せないときは、ついキャストしてしまう場面も・・・。

しかし、結局アタリがあるのはすべて船下でした。

そしてカワハギのアタリはカサカサと手に感じる程度の微小なもの。

でも、このアタリをゼロテンションでとらえるのが好きなんです。

エサ取りの猛攻でアサリエサがいくらあっても足りないくらいでしたが、アタリが多くて楽しめました。

カワハギの釣果としては少なく見えますが、この秋の厳しかった状況を思えば上出来だと思います。

対戦者の舟本さんは、タタキとタルマセ中心の誘いで攻めていましたが、カワハギからの反応は少なかったようですね。

挑戦者の弁

最初は調子よく釣れたので、あわよくば勝てるかも・・・と思いましたが甘かった。

苦手な竹岡沖に移動してからは、いいところがなかったです。

宮本さんのゼロテンションを軸にした静かな誘いの釣り方がカッコイイと思いました。

カワハギはタタキで誘うのが一番だと思っていましたが、勉強になりました。(舟本 光伸)

見届け人の弁

全体的にはエサ取りが多く、本命のアタリが少ない厳しい対決となったが、後半の竹岡沖で集中力を切らさずに数をのばした宮本さんはさすが。

苦手な釣り場の竹岡沖に移動してからも、あきらめずに最後に1枚釣り上げた舟本さんの粘りも素晴らしかった。(内山)

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【隔週刊つり情報(2019年12月15日号)※無断複製・転載禁止】

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