東京湾では周年シロギスを狙えるが、浅場で数釣りが楽しめて、出船軒数も増える夏場がトップシーズン。
水深も10m以下と浅いのでだれでもプルッと竿先を震わせるアタリと小気味いい引きを味わえる。
取材した東京湾奥浦安の吉野屋では、盤洲、木更津~富津沖の水深5~8mを狙っており、いい日は15~20cm級をトップで1束を超える釣果を上げている。
「昨年は盤洲で釣れなかったのですが、今年は大中小交じりで釣れているので今後が楽しみです」と助川船長は期待を寄せる。
なお、東京湾奥の船宿では貸し道具などを完備し初心者の受け入れ態勢もバッチリ。
夏休みに家族や仲間を誘って釣りを楽しみたい方におすすめだ。
![釣行の写真]()
盤洲の浅場で釣れ始めると数釣りシーズンに突入する
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貸し道具を利用しよう
ビギナーも多く訪れる吉野家には貸し道具のほかライフジャケット、長靴なども完備されている。
道具がなければそれらを利用しよう。
夏のおすすめアイテム 熱中症対策にクールタオル
熱中症予防におすすめしたいのがクールタオル。
水で濡らして絞り、ブンブンと数秒間振り回すと冷却効果が得られる。
首に巻いたりするとヒンヤリとして気持ちいい。
効果が薄れてきたら、また振り回すと復活する。
使用後に洗濯すれば何度でも使えるので経済的だし、温んだ水でも大丈夫なので冷たい水を用意する手間もない。
取材当日は気温30度の真夏日でこまめな水分補給とこのタオルのおかげで乗り切れた。
![タオルの写真]()
すぐにヒンヤリするので効果は抜群だ
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東京湾の釣り物で、アジとともに人気なのがシロギス。
釣り方が簡単で手軽なだけではなく、奥深さもあり、ビギナーからベテランまで楽しめるターゲットだ。
プルプルッと伝わるアタリと、小気味いい引きは一度味わうとヤミツキになること間違いなし。
食べては天ぷらや刺身、塩焼き、空揚げなどどんな料理にしてもおいしいし、数が釣れるから料理のバリエーションを楽しめるのもうれしい。
東京湾のシロギス乗合は一日船、ショート船、午前・午後の半日船の3通りの出船スタイルがある。
料金設定は釣り時間に応じて幅があり、船宿によっては女性、子供割引があるから、経験や予算に合わせて楽しむことができる。
![釣行の写真]()
ビギナーからベテランまで、だれもが夢中になれる
出典:
浅場狙いは投げて広く探れるテンビン仕掛けがおすすめ
シロギスは1束以上を釣るようなベテランもいる一方で、ビギナーや子供でもそこそこ釣れる小物釣りの代表格。
食いが立てば仕掛けにエサを付けて落とすだけで、すぐにプルプルッとアタリがきて、簡単に釣れる。
とはいえ、やはり基本は押さえておきたいところ。
そこで今回は、東京湾奥浦安・吉野屋で教わった浅場狙いの基本タックルや釣り方を紹介する。
シロギス乗合を出す船宿のほとんどは貸し道具や仕掛けなどが完備されているから、初めてだったり道具がなければそれらを利用しよう。
竿は全長1.5~1.8m前後、オモリ負荷8~15号のシロギス竿。
リールは小型スピニングで、道糸にはPE0.8~1号を巻いておき、先糸としてフロロカーボン2~3号を1~1.5m付けておく。
仕掛けは大きく分けてテンビン式と胴つき式の2種類がある。
テンビン仕掛けはハリスを自然に漂わせてシロギスにエサを吸い込ませることができるものの、キャストに慣れていないと仕掛けが回転して着水時にハリスがテンビンに絡まることがある。
一方、胴つき仕掛けは幹糸から枝スが出ているシンプルな構造でアタリがダイレクトに伝わる。
オモリを底に着けて止めた状態でも、ハリスが一定のタナで漂うためアタリを出しやすい。
また、投入時の仕掛け絡みなども起きにくい。
「夏場は盤洲、木更津~富津沖の水深5~8mを狙っていて、状況により3mを狙うこともあります。浅場では船のプレッシャーが高くなり、そうなると食わなくなることもあるんです。だからなるべく遠くへキャストしてシロギスを掛けたいんです。テンビン仕掛けのほうがタラシ(竿先からテンビンまでの長さ)を20~30cmと短くできるので投げやすいです」ということで、吉野屋の助川船長はテンビン仕掛けをすすめている。
ハリ数について伺うと、「ビギナーやお子さんであれば、仕掛け絡みなどのトラブルが少なく、エサ付けも手早く済む1本バリのほうが扱いやすいですが、2本バリに一荷で掛かってきたときの引きの強さや楽しさも味わってほしいですね」と船長。
なお、オモリはオマツリ防止のため、吉野屋では15号で統一している。
エサはアオイソメで、付け方は頭をカットしてタラシを3~4cmとしたチョン掛け。
船長によるとハリが刺しやすく、食い込みがよくなるので頭をカットしたほうがいいとのこと。
あらかじめ何匹分かをハサミで切り、タオルなどの上に置いておくと、ヌルが取れて付けやすくなる。
仕掛けを投げて広く探る できなければ船下でもOK
釣り場に着いてエサを付けたら、船長の合図で仕掛けを投入する。
投入したら仕掛けの着底を見逃さないこと。
オモリが底に着くトンという感触が伝わってきたり、道糸の出が止まったら着底の合図。
風が強いときなどは道糸がフケて流されてしまうため、竿先を下へ向けたり、リールのスプールを軽く押さえて糸が出過ぎないようにする。
誘い方では、テンビン仕掛けは動かすことが大事。
これはハリスをフカせた状態でエサを自然に漂わせてシロギスに食わせるためで、仕掛けを止めたままではハリスがたるんで海底に着いてしまう。
テンビン仕掛けの釣り方は大きく分けてズル引きとボトムバンプ。
ズル引きは横方向にサビくのはやりやすいが、両隣に人がいるときはできない。
かといって竿をゆっくり立てて行おうとすると慣れないとオモリが浮いてしまう。
そのため船長のおすすめの釣り方はボトムバンプ。
アンダーハンドキャストして仕掛けが着底したら糸フケを取り、5~10秒待ったらスーッと聞き上げるようにシャクってスッと竿を下ろし、再着底させて5~10秒待ったら、またシャクる。
これらの動作を船下まで繰り返し行う。
オモリを底に着けて待つときは竿を水平よりやや上に構えて目線を穂先に合わせるとアタリが分かりやすい。
また、オモリが底に着いた状態のときに道糸を張るとシロギスが違和感を感じてエサを食い込まないこともあるので、張らず緩めずのゼロテンションで待つのがコツだが、難しいようなら少したるませてもOKだ。
待っている間に穂先がモタレたり、プルプルッと派手な感じでアタリがきたら、竿を立てて合わせる。
もしハリ掛かりしないときは仕掛けを下ろし、オモリを底に着けたまま仕掛けだけを動かすイメージで竿を上下に動かして誘うとまたアタることがあるので試してほしい。
ハリ掛かりすれば後は巻き上げてくるだけ。
取り込みの際は仕掛けの巻き過ぎに注意。
オモリが海面から出たらリールを巻くのを止めて竿を立て、仕掛けをつかんで船内に入れよう。
夏は水深が浅く、仕掛けを投げて広く探るほうがアタリは多くなるが、それができないビギナーや子供なら無理をせず船下へ下ろせばよい。
仕掛けを底に着けて5~10秒に1回のペースで50cmほど竿を上げ、再着底させる。
このとき持ち上がったエサがフワフワと沈んで誘いになるし、船はゆっくり流れているから仕掛けを上げ下げすることで常に新しいポイントを探ることができる。
シンプルなこの操作を繰り返していけば、船下狙いでも釣ることができる。
東京湾の夏キス好期へ突入。水深6mの浅場で好況
船釣りの入門魚として人気のシロギス。
夏は水深10m以浅のポイントで大中小交じりで数釣りが楽しめる。
今期の夏キスの模様はいかがなものかと6月26日、東京湾奥浦安の吉野屋へ向かった。
6時半に船宿に到着し、受付して船着き場へ向かうと船長が出船準備をしていたのであいさつする。
7時半、12名のお客さんを乗せて出船。
40分ほどで東京湾アクアラインが見えて盤洲に到着。
「お待ちどおさま。それではやってみましょう。水深6mです」と船長からの合図で一斉に仕掛けを投入。
![釣り場の写真]()
釣り場は盤洲~富津沖の水深5~8m
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良型交じりでスタート
開始早々、右トモの加藤さんが18cmのシロギスを釣り上げると、左トモの大西さんは20cm級を連発。
「昨年は盤洲がダメだったんですよ。でも今年はアタリも多いし、型もそろっている。ここで釣れるようになると本格的な夏キスのシーズン到来ですね」とうれしそうな大西さん。
10時過ぎにアタリが遠くなり、船長から竿上げの合図。
「上げてください。潮が流れなくなったので移動します」とのアナウンスで木更津沖へ移動。
「水深5mです。流れがないのでできるだけキャストして広く探ってみてください」とのアナウンスで再開。
ここでも最初に竿を曲げたのは右トモの加藤さん。
アンダーハンドキャストで投入し、ズル引いてヨブに差しかかったら止め、小刻みに竿先を揺すって誘う。
これを繰り返して次つぎにシロギスを釣り上げ、一荷釣りも見せてくれた。
「シロギスは釣るのも面白いですが食べるのも楽しみなんです。今日はみりん干しを作ろうと思っています。家族や友人に振る舞うのでもっと釣らないといけないんです」と加藤さん。
その加藤さんと背中合わせで釣っている大西さんも2本竿。
2本同時に操り、オモリを底に着けたまま竿を上下に動かして仕掛けを踊らせて誘うスタイルで18~20cm級を連発。
大西さんは、腕長24cm前後の長いテンビンを使うことでシェイクしたときの振り幅が広くなってしっかり誘えるとのこと。
またキャストしても仕掛けが絡まりにくいという。
右胴の間の木村さんはテンビン仕掛けをキャストし、着底したらズル引き。
流れの変化する場所を見つけたらそこでアタるまで待つ作戦で、ポツポツとシロギスを釣り上げている。
当日は全員テンビン仕掛けを使っていていたが、じっくりアタリを待つよりも積極的に誘っている方のほうがアタリが多い。
その後もアタリが途切れると船長はこまめに船を回す。
よいポイントに入るとアタリが連発するので小さな群れが点在しているようだ。
午後になると潮止まりとなりアタリが遠くなっため、富津沖の水深8mのポイントへ移動。
ここではシロギスに交じってイトヒキハゼが交じるようになる。
ここまで好調に釣っていた大西さんもペースダウンし、84尾でフィニッシュ。
釣果は12~24cmのシロギスを一人6~84尾。
メゴチ、イシモチが交じった。
東京湾のシロギスは浅場で楽しめる夏が入門にも最適なので、小気味いい引きを味わいに夏休みは家族や友人と出かけてみてはいかが。
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当日のトップ84尾を釣り上げた大西さん。仕掛けはテンビン2本バリの振り分け式
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23cmの良型も釣れた
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食いが立つと一荷釣りもしばしばあった
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船宿information
東京湾奥浦安吉野 吉野屋
047・351・2544
▼備考=7時半出船。アジ、フグ、マダコ、タチウオへも出船
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隔週刊つり情報(2024年8月1号)※無断複製・転載禁止