春のトラフグで盛り上がった東京湾のフグ釣り。
初夏~秋にかけての主役はショウサイフグになる。
釣り場は大貫沖の水深10m前後でアンカーを下ろしカカリ釣りで狙う。
サイズは20~35cm級の良型主体で好日にはトップ20尾前後と好調だ。
初夏に釣れるショウサイフグは肉付きがいい30cmオーバーが多く、これを浅場で掛けると引き味は満点。
食味も抜群で刺身や空揚げは絶品。
中には白子が交じることもあり、これを楽しみにしているファンも多い。
良型狙いを楽しむなら今、早めの釣行をおすすめしたい。
![釣行の写真]()
▲東京湾のフグ釣りはショウサイフグ主体のシーズンに入った
出典:
ゴールデンウイーク直前、東京湾でショウサイフグの模様が急上昇。
そこで4月26日、東京湾奥鶴見の新明丸を訪れた。
同宿はショウサイフグ、ヒガンフグと季節ごとに違ったフグを狙って周年乗合を出しており、今の時期はショウサイフグがメインターゲット。
林船長にあいさつして模様をうかがうと、良型主体にトップ10尾前後で20尾を超える日もあるという。
今日は海が穏やかなので期待できそう。
平日にもかかわらず18名のお客さんが集まり7時半に出船。
鶴見川を下り、ポイントの大貫沖に8時15分ごろ到着。
釣り場には東京湾奥の浦安、羽田、金沢八景出船のフグ船が集まっている。
船長がアンカーを打ち、船が安定すると、「水深は10mです。まずはオモリ10号でやってみてください。どうぞ!」とのアナウンスで釣り開始。
船長に釣り方を尋ねると、「オモリが着底したらゼロテンションで3~5秒待ってから30~50cmくらいシャクり、ゆっくり仕掛けを下ろします。これが基本です」
アタリが遠いときなど状況により待つ時間を長くすることもあるらしい。
「仕掛けを下ろしているときが誘いになるので、竿先に出るアタリを見逃さないようにしてください。アタリがあっても即合わせしないでエサを追わせて海底までフグを引き連れていき、オモリが着底してから合わせてください」
フグのアゴにカットウが掛かると合わせのタイミングはバッチリとのこと。
フグの処理は船長におまかせ
出足はまずまず
当日は大潮で干潮が12時。
午前中は下げ潮で午後から上げ潮になる。
開始早々に右トモ、右トモ4番が25cm前後のフグを釣り上げて幸先のいいスタートを切る。
続いて胴の間、ミヨシの順に右舷全体でアタリが増え、25~30cm級のショウサイフグが次つぎと取り込まれた。
序盤に数をのばしたのが右トモのベテラン氏。
このポイントは根掛かりの少ない場所。
仕掛けをキャストし、船下まで仕掛けがきたら回収してエサを確認、再びキャストするなどトモの利点を生かし広く探っているようだ。
潮や風向きの具合もあったのだろう、その後も右舷の人たちを中心に数をのばす。
しばらくして左トモの千葉さんが30cm級のフグを掛けた。
「ようやく釣ることができました。何をやってもダメだったのでキャストして仕掛けをサビいてきたら掛かりました」とひと安心のようだ。
続いて千葉さんの隣の方が竿を曲げ、良型のギマを釣り上げた。
「ギマは初めて釣りましたがフグがよかった~」と複雑な表情をしていると、「大きくシャクるとギマが掛かりますよ。小さくシャクってください」と船長からアドバイス。
やがて流れがなくなったためもう少し流れのある場所へ移動し、オモリ15~20号を使う指示が出る。
「水深は10mです。どうぞ!」とのアナウンスで再開。
ここは一昨日まで主に狙っていたポイントで、アタリは少ないものの30~35cm前後の良型が釣れるという。
ここで右ミヨシの石口さんが良型のフグを連発。
「ゼロテンで待つ時間を長くして、アタリを取って掛けました」とフグ釣りのだいご味であるアタリを取って掛ける釣りを満喫している様子。
さらに石口さんのターンは続く。
アタリを見逃すまいと気迫伝わる真剣さで竿先を見つめ、小さなアタリをとらえてキュッと合わせを入れた。
青物のようにギュンギュン走り回って上がってきたのは当日最大、38cmのショウサイフグ。
「掛かった瞬間の重量感がたまらないです。このサイズが釣れるとうれしい。今日はこれで5尾目。良型ぞろいなので食べるのに十分ですね」とオケに入ったフグを見ながら話す石口さん。
石口さんの撮影をしていると右ミヨシ2番、3番が35cm前後のフグを上げた。
ややあって、右トモのベテラン氏と右トモ3番の池田さんが立て続けに小型のトラフグを釣り上げる。
「トモの方がトラフグを釣ったので、竿を1mほどシャクってからゆっくり落とし込む誘いでトラフグを狙ってみたら釣れました」と、してやったりの池田さん。
![釣行の写真]()
▲誘いが大きいとギマが釣れる
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![釣行の写真]()
▲トラフグも船中4尾交じった
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知っ得!潮具合に合わせてオモリを使い分ける
大貫沖の水深10m前後を狙うので、基本はオモリ10号でOK。
しかしながら今回のように大潮で潮の流れが速いときは道糸が引っ張られてオモリが動いてしまう。
ゼロテンションでアタリを待つときオモリが動くとアタリが出なくなるので、15号や20号の重いオモリを使って仕掛けを底で安定させる。
![釣行の写真]()
▲10、15、20号のオモリを用意しておく
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Tackle Guide
繊細なアタリをとらえて合わせるには湾フグ専用竿がおすすめ。
仕掛けはノーマルのカットウ仕掛けとチラシ仕掛けがあるが、船長によるとこれは好みでいいらしい。
当日はほとんどのお客さんがチラシ仕掛けを使っていた。
![釣行の写真]()
(左)小さなアタリを見逃さないことが大切(右)当日は大半の人がチラシ仕掛けで釣っていた
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左舷で食いが上向く
12時の時点でショウサイフグを釣り上げたのは右舷8人、左舷3人と右舷が優勢。
左舷は午後からの上げ潮に期待といったところ。
しばらくして上げ潮が効き始めると右舷のアタリが止まり、今度は左舷で食いが上向き始める。
左胴の間では初挑戦の三上有紀さんが待望の1尾目を釣り上げるとコツをつかんだのか、すぐ2尾目をキャッチ。
「友人がフグ釣りにハマっていて楽しそうな話を聞くうちにいても立ってもいられず一人で来ちゃいました。船長にエサの付け方と釣り方を教わって釣ることができてよかったです。今夜の刺身が楽しみ」とうれしそう。
これを皮切りに左トモの千葉さんと左トモ2番が30~35cm前後のフグを連発。
「さきほどはズル引きでしたが、今度はちゃんと釣りましたよ。ゼロテン状態で待ち、3秒に1回くらいのペースで30cmほどチャッとシャクってから竿先をゆっくり下げて着底させる釣り方でした」と千葉さん。
釣った実感をかみしめた一尾といったところだろう。
終盤、最後の一人がショウサイフグをゲット。
全員が本命を確保したところで15時の沖揚がりを迎えた。
釣果は20~38cmのショウサイフグが一人1~10尾。
「今日はとくに良型がそろいました。数は日により浮き沈みはありますが、満船でオデコなしだったのでホッとしています。これからも大貫沖の水深10m前後を狙っていきますのでぜひ遊びにきてください」と船長は締めくくった。
![釣行の写真]()
▲浅場で掛けるデカフグは引きが強い
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![釣行の写真]()
▲穂先に出る小さなアタリをとらえてこのとおり
出典:
船宿information
東京湾奥鶴見
新明丸
090・4600・1225
▼備考=予約乗合、7時半出船。
マゴチ、シロギスへも出船
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隔週刊つり情報(2024年6月1号)※無断複製・転載禁止