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激うまのマサバが急上昇!ヤリイカとの一挙両得だ

隔週刊つり情報編集部

外房勝浦沖の寒サバ釣りが開幕した。

今シーズンは少し遅れ気味で初めはゴマサバが多かったが、1月下旬から大型のマサバの割合が7~8割まで増えて本格化。

脂の乗りが抜群で味もすこぶるよく、この時期を心待ちにしているファンも多い。

取材日は勝浦灯台沖の水深200m前後を狙い、開始から大サバが活発に食ってきた。

外房勝浦川津港の不動丸の吉清晃朗船長によると、暗いうちのほうが圧倒的に食いがいいそうなので、早朝に集中して数をのばそう。

この時期のもう一つの楽しみはヤリイカで、サバと同じようなポイントでヤリイカが乗ってくる。

こちらもやや遅れ気味でこれから本格化すれば束釣りの可能性もある。

サバは早めの釣行をおすすめする。

釣行の写真

▲ハリ数分釣れることも珍しくない

お助けアイテム「アームカバー」

防寒着の袖口がマジックテープ止めになっているものがあるが、イカ釣りや深場の胴つき仕掛けなど糸をたぐる動作の多い釣り物では糸が引っ掛かり非常に不快だ。

そこで最近使い出したのがアームカバー。

これを装着することで糸絡みが皆無になるばかりでなく、一番汚れる袖口周辺をカバーしてくれるので、帰宅後は防寒着全体を温水シャワーで流すだけでキレイになる。

アームカバーは防水か撥水タイプがおすすめで、ネット通販で500~1000円ほどで購入できる。

普段はほとんどの釣りで邪魔モノ扱いされるサバ。

ところが厳冬期のサバは、脂乗り乗りの寒サバとして俄然主役に躍り出る。

そしてこの寒サバをメインにヤリイカとのリレーで狙うのが勝浦沖の寒サバ&ヤリイカのリレー釣りで、今やこの時期屈指の人気ターゲットとなっている。

「この時期はちょうどスルメイカが終わってヤリイカにはちょっとまだ早いんで、釣り物も少ないからそれじゃあサバでもやってみようか、ってことになったのがこの釣りの始まりですよ」と教えてくれたのは勝浦川津港・不動丸の吉清晃朗船長。

ちょうど厳寒期の勝浦沖にはサバの好ポイントがあって、丸まると太って脂がビッシリ乗ったサバが釣れるとあって評判を呼び、最近では週末や休日などは早めの予約が必要なほどの人気となっている。

釣行の写真

▲今後は大型のオスが多くなっていく

サバは最盛期目前、ヤリイカは今後に期待

寒サバの釣り場は灯台沖とも称される航程40分ほどの勝浦沖で、水深は180~200m前後を狙う。

「今シーズンは少し遅れ気味というか、ここ数年全国的にサバが少なくなっているみたいだから、ここでも数が少ないのかもしれませんね。でもお土産に困るようなことはないですよ」と船長は心強い言葉。

1月下旬の釣果はトップ30~50尾ほど。

徐々にマサバの割合が多くなってきていて7~8割程度がマサバの日もあるという。

また型も徐々に上向いてきて取材日にも特大こそ出なかったが、40cm超の大サイズが3~4割を占めていた。

「デカイのはもちろんですが水温が下がってきたせいか、ゴマサバや小さいマサバでも結構脂が乗っていてうまいですよ」と船長。

ヤリイカの釣り場も勝浦沖が中心で、やや南寄りの太海沖を狙うこともある。

イカとサバは釣り場が共通なことも多く、「サバはもう十分って人はヤリイカやってもいいですよ(その逆も)」とアナウンスされることもある。

ヤリイカの本格化はまだこれからとのことで、狙う時間が2時間半ほどと短いこともあり、いい日でトップ10杯前後といった状況。

型も小型が目立つが、今の時期の小型ヤリイカは抱卵中のメスが多く、食味的には抜群でノー文句だ。

釣行の写真

▲大型ヤリイカには太めのツノを

フラッシャーサビキは 少ないハリ数で手返し優先

不動丸ではサバ釣りはオモリ180号、ヤリイカ釣りはオモリ150号を使用する。

オモリ負荷だけを見ればヤリイカ竿1本でサバ釣りもまかなうことも可能だが、丸まる太ったサバが4~5尾付くことを考えると、サバ釣り用には中深場竿かライト泳がせ用など、よりパワーのある竿が望ましい。

ヤリイカは1月下旬の時点ではチビヤリも多かったので、9:1~8:2の先調子で感度のいいヤリイカ竿が好適だった。

だが、今後は良型のヤリイカがズンズン乗る本来の勝浦沖になるはずで、そうなると7:3調子のやや胴に乗るヤリイカ竿のほうが扱いやすくなる。

リールはPE4号が400m巻ける中型の電動リールで、こちらはヤリイカと兼用でも大丈夫だ。

サバ釣りの仕掛けはフラッシャーサビキ。

船宿仕掛けが食いも安定していて、不動丸では1組500円と安価なのでこれがおすすめ。

8本バリ仕様なのでオマツリ対策と手返し優先のため、真ん中にあるサルカン部分で切って4本バリで使うことを船長は推奨している。

自作する場合は幹糸12~14号、ハリス8号、ハリは太地ムツ16号と太仕掛けがオマツリ解きも楽で扱いやすい。

枝スの出し方は直結びで十分。

サバ釣りでは糸がヨレることは少なく、回転ビーズや親子サルカンは不要で、オマツリ時に解きにくくなるだけだ。

ハリ数は船が空いている場合を除き5本程度にしておこう。

ヤリイカ仕掛けはプラヅノ11cmのブランコ仕掛けで、ツノ数は5~6本。

今のところイカの反応は底ベッタリなのでツノ数を多くしてもあまり意味がなく、かえってサバにつかまるリスクが増えるだけだ。

サバ対策で直結仕掛けも頭に浮かぶが、まだ小型ヤリイカメインでバラシも多くなるので、よほどの手練れでない限りおすすめはできない。

仕掛けの投入はサバ釣りでもヤリイカ釣り同様オモリを放り投げて行うこと。

オマツリを防止するためで、魚を取り込んだ後の再投入でも、同じくオモリを放り投げて投入すること。

船ベリのマグネット板(要持参)にハリを並べて行うのが確実だが、ハリ数4本なら仕掛けを竿一杯に巻き込んで、残りのハリは船ベリから外に垂らしておき、オモリを投げ入れることも可能だ。

ONE POINT ADVICE ハリ外しと手袋は必携

この釣りで必需品とも言えるのが、ハリ外しと手袋。

ハリ外しは過去何度か紹介しているが、サバ用には丈夫で大き目な物がよい。

手袋は防寒の意味もあるが、それよりも仕掛けをたぐるときの滑り止め、そしてサバを絞めたりクーラーに運んだりするときにあったほうが絶対にいい。

滑り止めだけなら指サックでもよいが、大量のサバに触れていると手のひらに小さなウロコがビッシリと付いてしまい悲惨だ。

お洒落なフィッシンググローブとかも同様になるので、おすすめは作業用のゴム手袋。

細かな作業が必要な釣りには向かないが、サビキのサバ釣りならば全く問題ない。

ウロコも海水でチャチャッと洗えばすぐに落ちてくれるスグレモノだ。

手袋

▲作業用のゴム手袋がおすすめ

サバは落とし込みで食わせる

タナは「水深175m。140から下」といった具合に指示が出る。

この場合140m付近までは一気に仕掛けを下ろし、そこからは5m刻みくらいでリールをサミングし仕掛けの落下を止めながら落とし込みで誘っていく。

大抵はこの動作中にアタリが出るが、もし海底まで仕掛けが下りてしまった場合は、電動巻き上げをしながら竿を上下にあおって140mまで巻き、再度落とし込みで探っていく。

一概には言えないが大型のサバは深いところにいることが多いので、食いが立ってきたら上記のような指示ダナの場合でも、160mまで下ろしてから誘い出すのも手で、うまくはまれば周りが中型ばかりの中、一人だけ大型を連発なんてこともある(途中で止められ160mまで下りないこともままあるが)。

アタリはガタガタ!ガクガク!と派手に出るので見逃すことはないはず。

そのまま30秒~1分ほど待ち、追い食いさせてから巻き上げよう。

ときには食い上げアタリで糸がたるむことがある。

こんなときにはオマツリを防ぐため即刻巻き上げ開始を。

巻き上げは電動の中高速巻きで行う。

モタモタしているとオマツリを誘発するので、強気でガンガン巻こう。

なお、一連の動作を手持ち竿で頑張る方もいるが、すべてロッドキーパーに掛けたままの状態で行っても全く問題はない。

またこの釣りではオマツリは付き物。

絡みがひどいようなら無理に解こうとせず、仕掛けを切って交換すること。

食いが立つのは短時間ということもあるから手返し優先と心得たい。

船宿の8本バリ仕掛けを半分にカットして使えば2回は1組でまかなえて経済的だ。

ヤリイカは春も後半になると反応が浮くこともあるが、目下は底ベッタリといった状況。

底で何度かシャクってアタリがなければ20~30m巻いての巻き落としで狙う。

このところの釣況では1杯1杯を確実にキャッチしていかないと数がのびない。

小型のヤリイカも多く、いかにチビヤリの乗りを見極めるかがキモ。

誘い上げた竿先に重量感が加わるだけでなく、竿先のクンクン!というわずかな揺れアタリや、誘い上げて止めたときに曲がり込んだ竿先が戻らずに曲がったまま(乗りがなければ曲がった竿先が戻る)、などの小さな変化を見極めたい。

サバは早めの釣行がおすすめ。

その後はヤリイカメインの釣りになる。

良型サバの確率上昇中!ヤリイカとダブルでおいしい

沖釣りでは「この時期にこの魚を釣りたい! 食べたい!」というターゲットがある。

今でいうと私にとっては勝浦の寒サバがそれ。

1月下旬になってボチボチ模様が出始めたと聞き1月28日に外房勝浦川津港の不動丸へと釣行した。

早朝、港に集合して受付を済ませてから、おかみさんの案内で駐車場に車を移動し、再度港へ戻ってから出船する。

この日は8人の釣り人を乗せ5時過ぎに沖へと向かった。

釣り場の勝浦沖へはゆっくりと走って45分ほどで到着。

「水深175m。準備ができた人からやってみましょう。反応は120から底まで。サミングしながら落とし込みで誘ってみて」という吉清晃朗船長のアナウンスで釣り開始となる。

1投目からサバの食いは順調で全員の竿にガクガク!ガタガタ!とアタリが出る。

多点で掛かったのか手持ち竿の方は竿を大きく曲げ、踏ん張りながら「うひゃ~!」とうれしい悲鳴を上げている。

釣れ上がるのは35~40cm級のまずまずサイズ。

ゴマサバも交じるが7割くらいはマサバで上々のスタートだ。

「明るくなると反応が消えることもあるから釣れてるうちに手返しよくやってくださいよ」と船長から声がかかる。

オマツリ時にはどんどんハリスを切って魚は山分け、仕掛けを交換してすぐに投入するのが得策だ。

釣行の写真

▲フラッシャーに食ってきたアラ

大サバは下ダナ狙い?ヤリイカはこれから

小一時間ほど船内を回り、あたりが薄明るくなってきたころに私も竿を出した。

このときの指示ダナは「140から下」だったが、底のほうが型がよいだろうと150mまで一気に下ろし、そこから5mおきにサミングして仕掛けを止めながら落とし込んでいく。

と、160m付近でガタガタ!ときた。

そのまま30秒ほど待って、竿に大分重みが加わったところで巻き上げ開始。

上がってきたのは中型のゴマサバ2尾に良型のマサバ1尾。

4本バリサビキに3点掛けだった。

その後も順調に釣れ続くが、日が高くなるにつれ反応探しの時間が長くなってきた。

このころには「もうサバは十分」という人も出てきて、船長からは「サバに飽きたらヤリイカやってもいいですよ。ただまだオモリは180号でお願いしますね。オマツリしますから」と心優しいアナウンスもある。

サバ釣り後半戦にはもうひと盛り上がりの入れ食いタイムもあって、9時ごろに「じゃあヤリイカに行きましょう。オモリは150号で。サバをやりたい人はオモリ150号で続けていいですよ」とアナウンス。

釣り場の移動は5分あるかないか。

太海沖へ走ることもあるようだが、この日は勝浦沖で終始した。

水深は少し深くなって220m前後。

1投目から何人かに乗るが全体に乗りは渋いようだ。

中型サイズも釣れるがチビヤリも多いので、慣れないと乗りをキャッチするのが難しい。

「乗ってるのかな?」と首をかしげながら誘い続ける人が続出。

分かります、その気持ち。

半信半疑で200mも巻くのは勇気がいりますからね。

幸い自分は持っている中でも(といっても2本だけだけど)最も先調子のヤリイカ竿を持参していたので、ポツポツながらチビヤリも拾えた。

当日のような状況下では竿選びは重要と再認識した次第だ。

ヤリイカのほうはサバと違い、終日地味乗りのままで、11時半に沖揚がりとなった。

この日の釣果はサバが30~43cmを12~40尾、ヤリイカは25~40cmを0~6杯。

サバは日に日に型も数もよくなっているようで今後も楽しみ。

ヤリイカも今号発売のころにはいつもの外房らしい乗りっぷりになっていると期待したい。

釣行の写真

▲柔らかくてうまいメスが多かった

船宿INFORMATION

外房勝浦川津港

不動丸

0470・73・5538

▼備考=予約乗合、4時半集合。

ほかSLJへも

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